内分泌学は比較的新しい学問で
1902年にイギリスの生理学者によってホルモンという専門用語が使われるようになりました
ギリシャ語で、「ホルマオ=刺激する、興奮させる、動かす」という言葉が語源となっています
体の生理活動を正常に保つため、その働きをコンロトール(活性、抑制)する
神経系と内分泌系は、協調して働くことにより、日常のホメオスタシスの維持を行っています
たんぱく質を含む物質が血中に分泌され、微量で多大な効果を持つものも多くあります
ホルモンの届きやすさは、血液循環の良し悪しで、個体差があります
心臓から送り出された血液が再び戻ってくるまでにかかる時間は
血流が良い人も悪い人も約1分かかりますが
血流が良い人では毛細血管の隅々まで巡って1分
悪い人では、毛細血管にあまり血液が行かずに大動脈
細動脈を通って1分という違いがあります
血液検査の項目には、AI値(動脈硬化指数)というものがあり
正常値は2.6以下、20代では1.0以下です
この値は動脈硬化だけでなく、ホメオスタシスやホルモンの働きも反映していると言えます
ホルモンは、色々情報を伝達する生理活性物質で、主としてたんぱく質で構成されており
血液中に分泌されることから内分泌と呼ばれています
ホルモンが作用を及ぼす特定の器官を標的器官といい
その細胞あるホルモンの受容体(鍵穴)をレセプター(2000~100000個/細胞)といいます
レセプターの数は、血液循環の良いところでは増え
血流が悪くホルモンが届かないところでは減少する傾向にあります
また意識している部分も血液に集まりやすくなるため、レセプターが増えます
ホルモンはここで栄養素のように分解してエネルギー源になるのではなく
その細胞の代謝活動のきっかけをつくる、または調節したりします
特定の器官から分泌され、血管の中を移動し
遠隔の器官に作用するものを狭義のホルモンと捉えますが
最近では、ある種の細胞や組織から分泌され
比較的近傍で働く生理活性物質(サイトカイン、プロスタグランジンなど)も
広義のホルモンと捉えられています
ホルモンは単独では働かず、脳下垂体で制御されていますが
下垂体はその上の視床下部の制御も受けているため
ホルモンは自律神経の影響や感情、情動が大きく関わります
微量で多大な効果を持つものも多く
一生のうち耳かき1杯分しか分泌されないものもあります
・ホルモン全体の働き
① 平滑筋や心筋の活動を調節
② 分泌腺の調節
③ 代謝の変化
④ 成長や発育を促す
⑤ 生殖過程に影響を及ぼす
⑥ サーカディアンリズムの調整
・ホルモンの種類
① ペプチドホルモン(たんぱく質主体のホルモンで、期待する感情で分泌が影響を受けるホルモン)
現在、発見されているホルモンの70%はペプチドホルモンで
細胞膜にレセプターがあり、その信号が細胞内に伝達され
酵素活性が起きることにより、生理的反応を引き起こします
② アミン型ホルモン(構造にアンモニア化合物の総称であるアミンを含むホルモン)
細胞膜にレセプターがあり、その信号が細胞内に伝達され酵素活性によって
生理的反応を引き起こします
ビタミンも全てアミンです(Vita-amin)
③ ステロイドホルモン(コレステロールを材料にするホルモン)
レセプターが細胞内にあるため、直接細胞に侵入し、核の中の遺伝子に影響を与え
新たなたんぱく質や酵素の合成を促します
細胞膜はたんぱく質と脂質の二重膜でできており
ステロイドホルモンも似た構造であるため、細胞内に入っていくことができます
エストロゲン(女性ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)
テストステロン(男性ホルモン)、コルチゾール(副腎皮質束状層ホルモン)
アルドステロン(副腎皮質球状層ホルモン)などがあります
ドーピングで使われるステロイドホルモンは
男性ホルモンで筋肉を増強させることを目的としています
また抗炎症作用を持つものもあるため、傷口に塗布する軟膏の成分としても使われます
・内分泌器官
代表的な内分泌器官として、脳下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣があり
ホルモンはこれらの器官で生産され、血液によって全身に運搬されます
レセプターを持つ標的器官に働きかけることで、代謝を促進または抑制します
肝臓はいくつかのホルモンを不活化し、腎臓はそれらを尿中に排泄する役割を持ちますが
冷えに弱い臓器であるため、冷え性ではホルモンの作用の調節がうまくいかず
様々な症状が出ることがある
・美容に関連の深いホルモン
① 成長ホルモン:入眠1時間後に下垂体前葉より分泌し、眠りが深いほどたくさん分泌されます
深い睡眠(δ波)のためには、入眠前の30分のα波が必要です
あらゆる細胞にレセプターがあり、代謝の促進、たんぱく質の合成を高めます
日々分泌量が異なり、日中の刺激量(肉体的、精神的)によって夜の分泌量が変化します
この分泌量の影響を受けて、睡眠中に代謝活動(エネルギー代謝、形態代謝、機能代謝
新陳代謝)が行われます
すなわち、分泌量が高くても十分な睡眠時間が少ないと、作用が低下し
覚醒すると、代謝は抑制されます
また睡眠前のイメージデータに基づいて、その部位の対して働きかけますが
加齢とともに分泌量が低下します
分泌量が減少すると、体脂肪の増加、筋肉量や骨量の減少、基礎代謝低下
皮膚の乾燥、免疫系の衰退が起こります
② 甲状腺ホルモン:新陳代謝を司るホルモンで基礎代謝率を上昇し、酸素消費量を上げます
全身にレセプターがあり、神経系の成長を促進します
1. 代謝促進:たんぱく質、炭水化物、脂質
2. 生体の発育、成長の促進
3. 体温の上昇 4. 血液中のカルシウム量を調節する(精神安定)
カルシトニン(甲状腺傍濾胞細胞より分泌):血中カルシウム濃度を低下
パラソルモン(上皮小体より分泌):血中カルシウム濃度を上昇
視床下部からのTSH放出ホルモン(TRH)によって、下垂体から甲状腺刺激ホルモ ンが分泌され
血中経由で甲状腺に運ばれることで、甲状腺ホルモンが分泌されます
エネルギー代謝が増す状況(寒冷環境、低血糖、高地、妊娠)なども
甲状腺ホルモ ン分泌に影響を与えます
③ 性ホルモン:コレステロールが材料のステロイドホルモンで、生命力と美意識で活性
・男性ホルモン
1. たんぱく質合成の促進(筋肉の形成)
2. 皮脂の分泌促進
3. キメが粗くなる
4. 体温、血圧の上昇
5. 精子の生成
・卵胞ホルモン
1. 皮下脂肪の発育促進
2. 皮脂の分泌抑制
3. キメ細やかな肌にする
4. 思春期に女性生殖器の発育
・黄体ホルモン
1. 内膜を膨潤し、妊娠可能にする
2. 組織内に水分を滞留させる
3. 皮脂分泌の促進と角質肥厚(男性ホルモンに類似)
④ 副腎皮質ホルモン:ストレスに対して体を守るため、抵抗するホルモン
1. たんぱく質、脂肪を糖質に変える
(糖新生:グルコース、アミノ酸、乳酸からグルコースを生成する)
2. 抗炎症作用
3. 体液の濃度を一定に保つ
4. メラノサイトをコントロールする
5. 性ホルモンの分泌 ・ホルモンの分泌を促進するには
①分泌器官が正常であること 身体機能は鍛えれば、より活性化しますが
使わなければ退化します
3か月使わないと退化が特に進行します
また、脳と男性の精巣以外の内分泌器官は温めると機能が高まります
女性でかかとが冷えている場合は、骨盤内の臓器が冷えていることの指標となります
かかとを温めるには、動脈が体表の表面を走っている足首を温めることが有効です
②ホルモンをつくる材料が身体にあること 食事の重要性(46種類の栄養素摂取、1日30品目)
たんぱく質:ペプチド 脂質:コレステロールはステロイドホルモンの材料
ミネラル:代謝時に必要、ブレインコードの伝達に関与
*ブレインコード:脳内言語のことで、ホルモンの前駆体などの刺激は
右脳の前頭葉で起こる感情によってブレインコードが作られ、生成がコントロールされます
大脳新皮質でブレインコードが作られ、その刺激が旧皮質に伝達されることで
そこからホルモンを含むケミカルコードが全身に作用します
糖質:脳のエネルギー源はブドウ糖のみ、脳で消費しないと脂肪として体内に貯蔵
水:ホルモンの代謝(形成、分解)に必須
1.加水分解
2.ペプチド結合
③体温環境と体循環の活性 ホルモンは血液によって運搬されます
④湧き上がる情熱とイメージ力 イメージは脳内では予定となり
身体反応が起こることで自律神経、ホルモンに影響を与えます
⑤ ストレスフリー ストレス(ディストレス)は
視床下部に伝達されホルモンのアンバランスを引き起こし
ストレスによって血管が収縮することで、ホルモンの運搬が隅々までスムーズにいかなくなります
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脳に与えることができるためです
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