・断食の歴史
ドイツの古いことわざ
「断食で治らない病気は、他のどの治療法でも治らない」
フランスの古いことわざ
「断食はメスを使わない手術である」
アメリカの古いことわざ
「すべての薬で一番良いのは、休息と断食である」
ソクラテス、アリストテレス、プラトン等の哲学者の言葉
「断食は哲学の門である」
イエス・キリストの言葉
「病気は祈りと断食で治しなさい」
古代エジプトのことわざ
「人間は食べる量の4分の1で生き、4分の3は医者のために食べる」
お釈迦様も断食で病気を治すことを勧めています
修行の中に、断食を取り入れたものが多い理由の一つとして、断食をすると脳が啓かれると哲学者やキリストは言っており、科学的にも立証されています
断食をするとエネルギーとなるものが無いため、代わりに自身が持っている脂肪が燃やされ、ケトン体が生じることで脳の活動を鎮静化させるα波が出るとされています
・食の工業化
私たちは普段の食事で、様々な有害物質を取り込んでいます
アメリカにあるCDC(疾病対策予防センター)では212種類の有害物質を認めており
ニューヨークに住んでいる人の血液を調べると、91種類の有害物質が検出されたそうで
これらを体外に排出するには断食が最も早いと言います
1960年に起こったカネミ油症事件では
工場の廃液に含まれるPCB(ポリ塩化ビフェニール)が人体に入ることで
多くの人に神経症状(痺れ、痛み)が現れましたが
その中で断食をした人は神経障害の95.6%が治り
皮膚症状も83%改善したというデータがあります
沖縄にある自然の養鶏場では、一年中卵を産んで卵の質が悪くなったニワトリに対して、3~4日餌をやらずに断食をさせる、そうすることで卵を産む量が増え、質が良くなります
また、ウナギを運ぶ際に直前に餌を与えると多くが死に絶えてしまうのに対し、断食状態で輸送すると全てのウナギを生きた状態で運ぶことができるといいます
これは、人間を含めた動物が、歴史的に見ても常に飢餓との戦いだったため、飢餓に対しては身体の機能の最大限に発揮して立ち向かおうとすることから、生命力も最大になるために見られる現象です
飢餓状態でも血糖を保つホルモンはいくつもありますが(グルカゴン、甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、カテコールアミン)、血糖を下げるホルモンはインスリンしかないということもその名残です
・血球(マクロファージ)は考える
血液中に存在するもの
①
赤血球
②
白血球(好中球、好酸球、好塩基球、マクロファージ)
③
リンパ球
④
血小板
⑤
血漿(ホルモンなどの伝達物質、ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸、食物の分解産物)
イカなど赤血球を持たない動物は多く、リンパ球を持たない動物もいますが
白血球を持たない動物はいません
その中で、マクロファージはもっとも基本の細胞であり、どの生物も持っています
断食をすると、マクロファージの貪食能(捕食能力)は著しく高まり、体にあるもの、または口から入ってくるものが必要か不必要かを考え、判断し食べます
ガン患者も断食をすることで、マクロファージがガンなどの異物を見つける能力を高め
免疫力を高めるという治療を行う場合があります
(マクロファージは血管内では単球と呼ばれ、貪食能はほとんどありませんが、血管外に出ると貪食能を持ちます)
食事をすると、食物の残渣をマクロファージやリンパ球が食べ
血管内に異物が残らないようにしますが、食べすぎるとマクロファージや
リンパ球自体がその処理で満腹となり
肝心な異形細胞の処理能力は極端に低下してしまいます
さらに体温が低いとリンパ球や好中球の遊走能も低下します
したがって動物は空腹になるまで食事をしないのが通常で
現代人は時間が来ると食事をするという習慣に疑問を持たずに生きていますが
本来は空腹を感じるまで食事をしなくても良いのです
日本で1日3回の食事が定着したのは明治の中ごろで、江戸時代後期に上級武士が1日3回の食事をするようになり、後に軍隊がその習慣を取り入れたと言われていますが、当時は今よりずっと日々の運動量が多かったといいます
・酵素について
酵素には2種類あり、消化酵素と代謝酵素があり、その上に潜在酵素があります
潜在酵素は消化酵素にも代謝酵素にも作用できる能力を持っていますが
食事量が多いと消化酵素ばかりが増え
代謝酵素が作れず、代謝機能(解毒、排泄)が低下しやすくなります
動物学の生理に「吸収は排泄を阻害する」という概念があり
腸は身体が吸収に傾いている時には排泄が抑制されています
夜は代謝が主で、明け方から排泄の準備に入り
老廃物の処理過程は夜から始まっているため
起床時には目やにが溜まっていたり
口の中への分泌物排泄また直腸付近までの便の送り出しも行われています
消化、吸収の際は胃、十二指腸、小腸など上部消化管に血液が集中し
排泄臓器の腎臓、大腸への血流は低下しますそのため
夜間に排泄臓器への血流の増加を図り、老廃物を処理し血液を浄化しています
したがって夜遅くに食事をとることは、身体の代謝
排泄メカニズムを阻害させる要因になってしまうのです
・「出すことが先」が真理
「出入り船」「出入り口」「出納長」「ギブ&テイク」「呼吸」など出し入れを表現する言葉は、すべて出す方が先であり、人間も同じで、まず出して(代謝、排泄)中身を空にしてそれから入れるのが本来の姿です
1日3食、高カロリーの現代人の食生活は、出し入れの考え方とは大きな隔たりがあります
出し入れの概念を本能的に理解しているのは動物だけで
人間は身体が欲していないのに、無理して食べているケースが非常に多くなっています
・1950年と2004年の日本の食生活のデータ比較
肉は9倍、卵は8倍、牛乳及び乳製品は21倍の増加、米は0.5倍、ジャガイモは0.4倍
サツマイモに至っては0.07倍の減少となっており
わずか50年で日本人の食生活は様変わりしてしまったのです
これによって大量の動物性タンパク質、動物性脂肪を摂る一方で炭水化物を減らした結果
日本人の疾病構造は欧米化しています
人間も、その人種によってその進化が異なり
農耕民族と狩猟民族とでは消化器の進化も異なります
狩猟民族は、動物性タンパク、脂肪の摂取量が多く、農耕民族に比べて
腸の長さが進化の過程で短くなっています
その理由は、動物性タンパク、脂肪が腸内で長く滞在すると腸内細菌の悪玉系が増加し
腐敗が進みやすいため
なるべく早く排泄できるように腸の長さが短くなっているといいます
・動物の食性と歯
現代人の食事を一言で言うと、動物性タンパク、動物性脂肪の摂りすぎで
特に肉類と乳製品の過剰が目立ちますが
そもそも肉は人間にとっては異例の食糧なのです
その証拠にチンパンジーやゴリラなど
人間に近いと言われている動物で肉を食べるものはいません
生き物は自分に合った食事をするが、それに応じて歯も進化し適応します
人間の歯の総数は32本、そのうち20本が臼歯(穀物を食べる歯)
8本が門歯(果実や野菜をかじる歯)で肉を食べる犬歯は4本です
人類の生理的な食べ物は、歯の種類と本数から考えて半分以上が穀、野菜、果実が4分の1
肉類は8分の1というバランスを崩さないように食べることが理想です
8分の1以上の動物性タンパク、動物性脂肪は断食を考えます
・「いただきます」は「命」をいただくこと
白米は玄米から胚芽を取り除いたものであり、玄米を蒔くと芽が出るが
白米を蒔いても芽は出ない。つまり玄米には生命が宿っているということです
生命は科学も人智も及ばない最高のバランスであり、栄養素もきちんと備わっています
生命の宿っていない精白穀物、塩、砂糖、化学調味料などの食べ方、使い方を考えると
白砂糖には黒砂糖の持つミネラル類は全くありません
塩も砂糖も本来色がついており、搾りたての牛乳も黄色味を帯び
豆腐も真っ白ではなく、はんぺんも漂白する前は色がついています
真っ白な食品はすべて、人間が手を加え、その糧で多くの栄養素が減少しているのです
ニンジン、オレンジのフラボノイド、ブドウのポリフェノール、トマトのリコピン
イチゴのアントシアニン等、植物の色、香りの成分のほとんどが
ファイトケミカルと称される免疫賦活物質です
漢方の考え方では、白い食品は陰性食品として
体を冷やすものとされていることから
生命の宿らないものをなるべく断食するとよいです
・基礎代謝の変化
基礎代謝とは、じっとしていても生命維持のために使われるカロリーのことで
若いころと同じ摂取カロリーでいると、確実に体重増加につながり
体内で生産されている代謝酵素の生産量も年齢とともに減少します
男性 (体重68㎏) 女性
20代 1632kcal/日 20代 1200kcal
40代 1516kcal
50代 1380kcal 50代 1100kcal
60代 1305kcal
70代 1230kcal 70代 1000kcal
身体で生産されるエネルギーの6~7割が基礎代謝として消費され
残りの3~4割が活動エネルギーとして消費されると言われていますが
本来自らの基礎代謝に必要なカロリーに自分の動き方によって
変動する活動エネルギーを加えたものを自分の1日の必要摂取カロリーとしたほうが良いです
そして自分の必要摂取カロリー以上は本来断食にするべきです
断食で健康を見直し、パワープレートで適切な運動習慣を身につけましょう
私が最も大きな違いを感じたのは、西洋の健康法は具体的な行動が示されていて
東洋の健康法は心の持ち方(感情)をどうするかが大きなウエイトを占めている点です
ブレスローの健康法では感情に関するものは一つも含まれていませんが
不老7原則では②と⑤に2つ含まれています
これは
前回のブログでお話した西洋の心身二元論と東洋の心身一如が
反映されたものだと私は思っています
この他、睡眠でも面白い違いが見られます
ブレスローの健康法では適正な睡眠を挙げていますが
適正な睡眠と言うと私を含め、多くの方が睡眠時間や質のことを考えると思います
よく言われているのが7時間睡眠です
それに対して東洋の健康法では早起きを挙げており、特に睡眠時間については書かれていません
これはどういうことかと言うと、東洋では自然との連動を重要視しているということです
何時間寝たかということよりも太陽が昇ったら起きなさいという
自然とリズムを合わせることが大事であると言っているのです
またブレスローの健康法では適正や適度といった基準が設けられている項目が4つあるのに対し
東洋ではよく~しなさいというようにできることならどんどんやりなさいといったような項目が多い
という違いもあると思います
西洋医学は非常に客観性を重視しているため、あらゆる診断でもそれぞれの項目に
統計などのデータから割り出させた基準が設けられています
そのため例えば風邪と診断されれば誰もが風邪薬をもらいますが
東洋医学では個人差を重要視しているので、漢方薬でも同じ症状でも処方される薬は違うといった
ことがあります
栄養摂取についても西洋では、3食をきちんと食べて
栄養のあるものをバランスよくという考え方が一般的ですが
東洋では、小食で老廃物をなるべく体に溜めないようにするという考え方が一般的です
このように西洋と東洋では健康への認識に色々な違いがあることがお分かり頂けたと思います
どちらの考え方も非常に重要ですが、最近では生活様式の西洋化が進んだことによって
つい東洋の健康法を忘れてしまいがちなので、このような考え方を意識していくと
より充実した生活が送れると思います
2013年11月22日(金)
健康|
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