ミネラルについて1
〈ミネラルについて〉
ミネラルは、体内で合成できず、外部からの摂取に頼っています。
ミネラルの生理機能
生理機能 |
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元素の例 |
生体組織の構成成分 |
骨、歯などの構成 |
カルシウム、マグネシウム |
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有機化合物との結合 |
ヘモグロビンの鉄、リン脂質のリン |
体機能性の調節 |
pH、浸透圧の調節 |
カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム |
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神経、筋肉の興奮性の調節 |
カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、マグネシウム |
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酵素の構成成分 |
マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレン |
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生理活性物質の構成成分 |
鉄、ヨウ素、亜鉛、モリブデン |
体には微弱な電流が流れており、骨だけでなく、筋肉や筋肉に命令を送るための神経に対してもミネラルは非常に重要です。
〈ミネラルの吸収〉
私たちが食物からミネラルを得る場合、まず胃酸によって水溶性になり
腸管から吸収され、腸管の膜にあるタンパク質と結合して血管内に入り
体内の必要なところに運ばれていきます
ミネラルは吸収されますが、元々は吸収されにくい物質で
さらに食品添加物を多く摂っているとさらに吸収が阻害されてしまいます
インスタント食品などの加工品に入っているリン酸塩などが代表的で
pH調整剤、酸味料、乳化剤という風に記載されています
リン酸塩を摂取すると、ミネラルがリン酸塩と結合してしまい
何も吸収されずにそのまま体外に排出されてしまうのです
特に銅、鉄、亜鉛の影響が大きく、亜鉛は不足すると味覚障害を起こし
鉄は銅は貧血に関わります
元々微量にしか含まれていないものなので
吸収が阻害されてしまうと不足してしまうことがあります
〈カルシウムついて〉
カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルと言われており
摂取量は成人女性で約650㎎ですが、平成24年の栄養調査では、50代で500㎎弱、20、30、40代では約400㎎と約8割しか摂れていないという結果になっています
カルシウムは体の代謝に大きく関わるので、いくら運動をしていたり
野菜を摂っていたりしてもカルシウムが不足していると
基本的な代謝がうまくいかなくなります
カルシウムは腸管から吸収された後、骨の成分として吸収されたり
必要な時には骨から血液中に放出されたりして、筋肉の収縮などの際に使われます
したがって血液中では適切な濃度を保つためにホメオスタシスが働いています
しかし、カルシウムの摂取量が減っていると
通常よりも多く骨からカルシウムが放出されるため、骨が弱ってしまうこともあります
カルシウムの吸収率の高い食材は、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品で
吸収率は約50%と言われています。学校の給食で牛乳やヨーグルトが多く出されるのは
単にカルシウムの含有量が多いだけでなく、吸収率が高いためなのです
乳製品からカルシウムを摂る場合は、200㎎程度摂れていれば問題ありません
それ以上を摂ろうとするとタンパク質や脂質の摂取量が高くなりすぎてしまうため
注意が必要です。
その他、小魚(吸収率30%)、小松菜、ヒジキなどの野菜
大豆製品などにも含まれていますが
吸収率は18%と低いということを念頭に入れておく必要があります
また、コレステロール値が高い方は、小魚など内臓などを一緒に食べる食材については
コレステロール値を上げてしまう恐れがあるため、注意してください
カルシウムの吸収障害を起こすものとして、リンやタンパク質、塩分があります
カルシウムを多く含む食材を摂っても、単独では吸収されず
ビタミンDの助けが必要となります
効果的な食材として干しシイタケがあります
シイタケを買ったら、一度干して頂いたり、冷凍庫に入れることをお勧めしています
その他、ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンKも吸収を助けます
〈リンについて〉
細胞膜のエネルギー代謝、細胞膜の構成成分として非常に重要な微量栄養素となります
カルシウムとリンのバランスは1:1が理想です
せっかくカルシウムを含む食材を摂っても、添加物を多く摂ってしまっては
吸収が阻害されているため、あまり吸収されていないということになってしまいます
リンを多く含む食材としてワカサギ、ドジョウ、シシャモ、イワシ丸干し、チーズ
高野豆腐、大豆があります
通常の食事でリンを過剰に摂ってしまう心配はありませんが
添加物には多く含まれているため、そういったものによる過剰摂取には注意が必要です