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肥満遺伝子について2 -ADRB3遺伝子 リンゴ型-

肥満遺伝子について2 -ADRB3遺伝子 リンゴ型-

前回のブログ「肥満遺伝子について1」の続きとして

今回はそれぞれの肥満遺伝子について詳しくお話していきたいと思います

1.β-3アドレナリン受容体遺伝子(ADRB3):リンゴ型、糖質の代謝が苦手

-200kcalの基礎代謝阻害 

 日本人では、約34~39%の人が持っている変異です

この遺伝子に変異を持つ人は基礎代謝量(安静にしている時のエネルギー消費量)が

変異を持たない人よりも1日あたり約200kcal低くなります

つまりエネルギーを消費しないので、「節約型遺伝子」と呼ばれ

この遺伝子を持つ場合、太りやすくなります

またお腹の周りに脂肪がつきやすいためにリンゴ型と呼ばれています


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全国に広く分布しており、インスリンの分泌で少ない糖質でも効率よく体脂肪に変換してしまいます

省エネの遺伝子であり、食料の確保が困難でも、蓄えた体脂肪を使って生存しやすいタイプです

非常に遺伝しやすく、両親のどちらかがこの変異を持っていても

-200kcalの基礎代謝阻害が起こります

甘いもの(菓子パン、お菓子)や飲み物など

血糖値の乱高下が起こるような状態を好む傾向があります

グルコースなどの単糖類や果糖ぶどう糖液糖といった糖類は血糖値を急激に上昇させます

(果糖はブドウ糖と代謝する経路が違うために血糖値は上がりませんが

ブドウ糖よりも吸収が早い分余った分はすぐに体脂肪として蓄えられます) 

血糖値が高い状態が続くと、細胞が壊れてしまうため

体はインスリンを分泌して血糖値を下げようとします


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インスリンは糖を細胞の中に溜め込んでエネルギーにしようとしますが

余って使われなかったものは脂肪に変換されて蓄積されます

血糖値の乱高下はインスリンの分泌に拍車をかけて

一層肥満になりやすくなるという悪循環に陥ることもしばしばあります

空腹に弱く、お腹が空くとイライラしやすく

本人は「そんなに食べていないのに自分は太りやすい」というイメージを

持っていることが多いようです

食事を抜くことが苦手で、食事の時間になると

仕事のことは「食べてから考えよう」と思ってしまったり

食事をしながら作業をしてしまうことが多くなります

このタイプが最も生活習慣病と関連が深いと言われています

体を触ると、ふわっと柔らかいことが多く、細かいシワはさほど気にならないものの

深くて大きなシワが目立ちやすくなります

肉がないわけではないけれど、パツんと張った感じがあまりしません

特によく動かす口元のほうれい線、目尻の笑いジワ、額のシワなどが目立ちやすい傾向があります

ハリが少ないので、二重あごにも要注意です

また、糖の代謝に関連して、「糖化」(身体の中でタンパク質と余分な糖が結びついて

タンパク質が変性、劣化してAGEsという老化物質がつくられる反応)が進みやすく

シワだけでなくシミやソバカスが目立つ方が多いのも特徴です

ダイエットをすると一気に肉が落ちてしまい、たるみになることもあります

繰り返しになりますが、リンゴ型肥満の方は、通常よりも基礎代謝が200kcal減ってしまいます

体脂肪1kgあたりのカロリーは7200kcalなので、一日200kcalの差があるとすると

遺伝子変異の無い人と同じ生活をしていても、36日で体脂肪1kg分の差ができてしまいます

ですから「私は一生痩せないのではないか」と考えてしまいがちですが

決してそのようなことはありません


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自分には摂取カロリーのハンディがあると自覚していることで

逆に食事の管理がきちんとできるといったケースが多くあります

一気に減らそうとすると大変ですが、1日あたり200kcalをうまく減らしていけば

大きな負担にはなりません

例えばご飯約1杯分、ビールでしたらジョッキ一杯分

運動ならウォーキング40分程度(歩数では約6000歩)の多少息が上がる程度の運動をして頂くと

200kcalをすぐに消費できます

リンゴ型の特徴として、ダイエットをすると内臓脂肪が減りやすいので

体重の変化は出やすいのですが、それで安心してしまったり、飽きてしまう方も多く

リバウンドもしやすい傾向があります 

糖質、とくに食べた瞬間に甘いと感じるもの(単糖類)については

食べてから30分ほどで熱(エネルギー)に変換されます

そして2~4時間ほどで無くなって(消費されて)しまいます

したがって、すぐにエネルギーが必要という時には非常に有効な栄養素ではありますが

使われなかったエネルギーは、脂肪として蓄積されますので、就寝の4時間前以降は

ダイエットのためにも、過剰な糖質の摂取は控えるべきと言えます

イモやお米など糖の鎖が長いものは、分解に時間がかかるため

血糖の上昇が穏やかになるため、甘いものと比べるとインスリンの消費が少なくて済みます

またお米でも精白米よりも玄米の方がより血糖の上昇は穏やかです

ちなみにタンパク質4~6時間でエネルギー化され

脂質は胃の中に6~12時間留まってゆっくりと燃えていきます

ゆっくり燃えていく脂肪の典型が、飽和脂肪酸と呼ばれる動物性の脂肪です

脂質がなぜいけないかというと、エネルギー化されるまでに多くの労力が必要なため

使い切れない脂肪はすぐに体に溜め込もうとして、体重が増えやすくなるためです

→心がけるべきこと β3AR型の体は糖質の代謝が苦手で、インスリンの働きが悪いので

食事の際にはまずたっぷりの野菜を摂り、次にタンパク質(主菜)、低糖質の食事を心がけましょう

有酸素運動(水泳、ジョギング、ウォーキング)も非常に有効です。 糖化が起こりやすいので

紫外線(日光だけでなくパソコンモニター)に注意しましょう

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プロフィール

中込慶一
(ナカゴメケイイチ)
・出身地:東京都
・血液型:O型
・昭和61年4月7日
・日体柔整専門学校卒
・柔道整復師
・全国冷え症研究所に5年勤務ののち現在は、パワープレート東京にてインストラクターを務める
・特技:スポーツ全般 陸上
・趣味:音楽・バイクツーリング
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