PMS(月経前症候群)について
月経前症候群とは、月経開始前に起こる様々な症状の総称で
女性特有のホルモン分泌周期や分泌量、体液量の調節機能の乱れが原因とされています
・月経前症候群の代表的症状身体的症状と精神的症状
下腹部膨満感、下腹痛、頭痛、乳房痛、乳房が張る、腰痛
関節痛、むくみ、体重増加、脚が重い、にきび、めまい、食欲亢進
便秘あるいは下痢、悪心、動悸、過剰な睡眠欲、不眠
怒りやすい、反感、闘争的、憂鬱、緊張、判断力低下、不決断
無気力、孤独感、疲れやすい、不眠、パニック、妄想症
集中力低下、気力が続かない、涙もろい、悪夢を見る
異性に対してのみ攻撃的になり、暴力をふるう
〈むくみ〉
エストロゲン過剰とプロゲステロン低下あるいは副腎アルドステロン異常分泌
下垂体後葉のADH分泌異常からくる体内水分貯留が関係していると言われています
〈女性ホルモンについて〉
・女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン):卵巣でつくられるホルモンです
卵胞ホルモン(エストロゲン)
1. 皮下脂肪の発育促進
2. 皮脂の分泌抑制
3. キメ細やかな肌にする(うなはたけ)
4. 思春期に女性生殖器の発育
5. 排卵制御
黄体ホルモン(プロゲステロン)
1. 内膜を膨潤し、妊娠可能にする(着床しやすくする)
2. 組織内に水分を滞留させる(うるおいのもと)
3. 皮脂分泌の促進と角質肥厚(男性ホルモンに類似)
〈卵巣周期〉
エストロゲン、プロゲステロンは同じく卵巣から分泌されますが
それぞれ分泌量や時期が異なります
生理が始まった時を1日目として28日の周期があります
その中には、卵巣周期として、卵胞期、排卵、黄体期があります
・卵胞期(1~14日目頃)
生理が始まると、脳から卵胞刺激ホルモンが放出され
卵胞(卵子を包む細胞のこと)が大きく成熟し
そこから分泌されるエストロゲンの値が増えていきます
エストロゲンは子宮内膜の肥厚、卵胞の発育、膣上皮増殖を促します
この時期の特徴
体調が良い、ダイエットの効果が出やすい、肌荒れしにくい
・排卵(14日目頃)
脳は、ホルモンに対するフィードバックシステムを持っており
ある一定のエストロゲン値になると、卵胞が十分に成長したと捉えて
生理周期14日目頃に黄体形成ホルモンを大量に分泌させます(LHサージ)
これにより成熟した卵胞から卵子が放出される排卵が起こり、体温が低下します
この時期の特徴
新陳代謝が活発になる、浮腫む、皮脂分泌が多くニキビができやすい
便秘がちになる、食欲が増す
・黄体期(14~28日)
排卵した後の卵胞は、黄体となり、黄体形成ホルモンによって
黄体からプロゲステロンの分泌が促され、受精卵が着床しやすい状態をつくると共に
排卵抑制、体温の上昇が起こります
黄体は徐々に成熟し、一定期間が経過すると退縮して、白体となります
この時期の特徴
過敏になる、抵抗力が落ちる、貧血気味、血行が悪くなる、冷える
肌荒れ、くすみ、くまができやすくなる
〈子宮内膜周期〉
その他の周期として、子宮内膜周期(月経周期)があります
月経周期は、月経期、増殖期、分泌期に分かれ
月経期と増殖期は卵巣周期の卵胞期に、分泌期は黄体期にそれぞれ対応しています
・月経期
子宮内膜の脱落によって膣から出血が起こり
出血期間は平均5日で出血量には個人差があるものの、平均35mlと言われています
・増殖期
第5~6日目頃から、卵胞の分泌するプロゲステロンの作用により、子宮内膜が増殖します
・分泌期
排卵後、黄体の分泌するプロゲステロンの作用により、子宮内膜の分泌腺が活発となり
受精卵が着床しやすい状態となります。受精、着床が起こらないと黄体は退化し
プロゲステロンの分泌が低下して、再び月経周期が始まります
PMSではエストロゲンの過剰分泌が見られることが多いですが
最近の研究では、同じく女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌量が少ないために
相対的にエストロゲンが過剰分泌されていると脳が判断して
様々な症状を出しているケースが多いことも分かっています
・PMSの症状を緩和させるには
1.メディカルハーブ
精神を安定させる作用や痛みの下行性抑制があると言われており
イライラや痛みを抑えてくれる可能性があります
ただし、ピルを飲用している場合は、セントジョーンズワートとの相互作用で
ピルの作用が抑制されてしまいますので、避けてください
または黄体期における水分摂取の制限も有効です
2.パワープレート
パワープレートは、いくつかのアプローチで、症状を緩和させる可能性があります
むくみ:パワープレートは、高速の筋肉運動によって全身の血流を促し
静脈還流を高めることでむくみを減少させます
痛み:パワープレートには様々な機序で鎮痛を起こす可能性があります
便秘:パワープレートの緊張性振動反射は内臓の平滑筋を収縮させるため
便秘を緩和に効果的です
イライラ:ストレスホルモンを減少させることで、イライラを軽減させます
3.カイロプラクティック
神経筋骨格系に対して、様々な効果が報告されているカイロプラクティックでは
生殖器の活動や痛みなどを司る神経が集まる腰や骨盤の治療をすることで
症状が緩和する可能性があります
頭蓋骨を構成する骨の一つである蝶形骨は
ホルモンの分泌の司令塔である視床下部、下垂体を載せている重要な骨ですが
頭蓋骨は6種類8つの骨から成っており、左右で偏った噛み方や歯ぎしり
頬杖、長時間のデスクワークで少しずつゆがみが起こり
そのゆがみが間接的にホルモン分泌に影響を与えていることがあります
このような状態を調整していくことで、症状が緩和する可能性があります
パワープレートとカイロプラクティック、食事を組み合わせて
ぜひ辛い症状を緩和させていただければと思います
2014年10月21日(火)
美容|
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