症例24 変形性膝関節症とパワープレート
86歳女性の方の症例です
重度の変形性膝関節症を患っており、膝のこわばりと運動時痛を訴えて
エルクレストパワープレートルームにいらっしゃいました
姿勢検査でも両側の膝関節に変形がみられ、特に左は強い内反変形を呈していました
これはその方の実際の姿勢とレントゲン写真です↑
来院当時の歩行検査では、非常に歩幅が狭く
関節の変形と筋力の弱化やアンバランスによって
接地の度に体が左右に振れて、左膝は強いラテラルスラスト(外方への動揺)と
デュシャンヌ歩行を呈していました
この方の場合、85歳(来院当時)という年齢もさることながら
めまいの既往や医師から骨粗鬆症、不整脈、高血圧、糖尿病などを指摘されており
初回はまず、トレーニングが可能かどうかを判断するための問診と検査に多くの時間をかけました
血圧、呼吸、脈、体温といった理学検査、神経機能を診る神経学検査
整形外科検査を行いこれらの検査で
特にトレーニングの禁忌となるような所見が見つからなかったため
振動に慣れさせることから始め、徐々にトレーニングを加えていきました
一般的に変形性膝関節症では、膝が外に向かってO脚変形になります
従って、優先的にトレーニンするべき筋肉として、膝を内側に引っ張って安定させる
内側広筋斜走線維(VMO:Vastus Medialis Oblique)があります
この筋肉を中心に股関節周りや体幹の筋力強化と
膝関節の負担を減らすために足関節と股関節の柔軟性を高めていきました
パワープレートの全身振動は、筋力強化だけでなく
バランス感覚に関わる固有受容器を刺激して歩行時の安定性を高めます
また痛みを抑える作用によって普段痛みで動かすことが難しい関節角度での運動が
可能になり可動域改善も期待できます
8回トレーニングと治療を行った時点で、洗濯物をたたんだ後に立ち上がる時の痛みが
無かったという成果が見られ
20回レッスンを行った現在は、
インターホンが鳴って宅配便を取りに行く時など、素早く立たなければいけない時の
こわばりと痛みが無くなり、長時間歩いても痛みが出ることが少なくなったと
喜んでくださり、私自信もとても嬉しかったです
痛みのせいでADL(日常生活動作)がうまくできなくなり
QOL(生活の質)が低下してしまうことはご本人の活動意欲を減らし
活動量の減少→筋力の低下→痛みの増加という悪循環を生んでしまいますが
パワープレートにはそれを断ち切る力があります
80代という年齢を考えると、体力は年々低下していくのが一般的ですが
パワープレートを使うことで安全に
これからも一層のQOL向上を目指していきたいと思います
パワープレートについてはこちら
2014年8月 1日(金)
膝の痛み|
コメント(0)|
トラックバック(0)