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セロトニンとメラトニン

セロトニンとメラトニン

かつて、脳細胞は3歳の時点をピークに後は死んでいくと考えられていましたが

現在、脳の特定の領域では生涯に渡って脳細胞が生み出されていることが分かっています

そしてそれらの日々新しくつくられる神経細胞が記憶や学習に深く関わっていることも

明らかになりました


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記憶や学習に関わる海馬などでは、神経細胞の種となる神経幹細胞が

一生涯存在し、分裂の際に片方は神経幹細胞に

もう片方は神経細胞になり、ラットの実験でその数は一日9000個と言われています

海馬の神経細胞は1個当たり220個のシナプスを持つと考えられているため

全体では99万個の神経結合が生み出されているのです

東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授は

脳の神経新生には睡眠、運動、栄養が重要だと述べており

脳の神経新生は、感染やストレスなどによって阻害されることが

動物実験で明らかになっています


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さらにラットやマウスに抗うつ剤を投与すると、神経新生向上効果があることから

うつ状態が神経新生の低下に関係あるのではないかと言われています

また他の心の病(統合失調症、双極性障害、心的外傷後ストレス障害)も

影響を与える可能性が指摘されています

うつの方に共通して見られるのが、脳におけるセロトニンという神経伝達物質の不足です

セロトニンは場所によって異なる作用を持ち

中枢神経では

①ノンレム睡眠の調整

②痛みの調節

③体温調節

④嘔吐

などに関わり、消化管では消化管運動亢進、血液では血漿板凝集

血管では血管平滑筋収縮といった役割があります


セロトニン作動性のニューロンは脳幹の縫線核に集中しており

そこから脳、脊髄に広く投射されます

数多くの受容体がある中で、5-HT1A受容体は抑制性で

抗不安作用(不足すると情緒不安定、うつ状態)があり

5-HT2A受容体は幻覚やうつ病に関係があると言われています


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セロトニンと関連の深い物質としてメラトニンがあります

・メラトニン 

 リンパ球にはメラトニンのレセプターがあり、メラトニンの分泌がリンパ球の活性を高めます 

メラトニンの分泌は午後4時から午前4時に起こり、血中濃度は午後7時頃から上昇し

午前7時にはゼロになり、メラトニンの分泌量が睡眠の質を決めます 

第一に分泌を支配するのは自然光、第二に影響するのは人工照明であり

睡眠の質を高めるためには、自分が思っている以上に体は音や光を感じていることから

なるべく静かで暗い環境で寝ることを心がける必要があります 


 ・入眠時間と睡眠の質 

 アメリカの研究では、週3日以上の深夜勤務者は乳ガンの発症リスクが昼間だけの勤務者と比べて

2倍であり、日本でも深夜勤務者は、日勤のみの男性に比べて前立腺ガンの発症リスクが3.5倍です

また高血圧の人の約40%が睡眠に問題があり

本来は副交感神経が緊張しているはずの夜間に交感神経が緊張しています 

 ・眠気のサイクル   

 ① 疲労物質や体液、組織の酸性化によって眠くなる 
 ② 夜になると光の関係とメラトニンの分泌によって眠くなる 
 ③ 日照時間や自律神経の作用によって代謝が落ち深部体温が下がることで眠くなる 

 睡眠には、深い眠りの状態であるノンレム睡眠と覚醒時に近い脳波が現れるレム睡眠があり

レム睡眠中に覚醒すると寝起きが良く、ノンレム睡眠時に覚醒すると寝起きは悪くなります 

そのため、平均して4回して起こるレム睡眠時は、眠りが浅いことから

夜間に目が覚めることは異常なことではありません 

また、質の悪い睡眠によって睡眠時間が7時間以上になると死亡率が増加します 

人の眠りは、起きた時間で決まり、目覚めてから15~16時間で眠くなるメカニズムが存在しています 

・朝型と夜型人間 

朝型と夜型の人がいますが、これらを分けるのは、メラトニンの血中濃度の上昇速度

メラトニンの血中濃度の最高値、深部体温の夜における下がり方

深部体温の最高値を示す時刻によるもので

どちらも体が代謝を落として体温を下げる時間は午後9時前後です 

しかし、朝型の人はスムーズに体温が下がり

深部体温が最低になる時間が午前3時頃なのに対し、夜型の人はゆっくりと体温が下がり

午前7時前後となることから目覚めるための体温上昇が遅れ、寝起きが悪くなります 


・冷えと睡眠 

冷え症の人が眠りにつきにくいと言われていますが

その理由は、眠くなる一番の原因であるメラトニンの他に

深部体温の低下がうまくできていないことが挙げられます

末梢血管の収縮によって、末梢における熱の放散がうまくできず深部体温が下がりにくくなり

入眠が障害されます

末梢血管の拡張はメラトニンの直接作用の他に自律神経が関与しているため

夕食後は深部体温が上がることから就寝の3時間半前に済ませておくことが理想です 

 ・肥満と睡眠 

 また、夜更かしはホルモンバランスを乱し、肥満に繋がります 

グレリンはストレスホルモンの一種で胃から分泌され、視床下部に作用し、摂食を刺激します
レプチンは食欲と代謝の調整のために体脂肪量を脳に伝える役目を持ち、食欲を抑制し
代謝を促します

睡眠時間が7時間から4時間に減ると、グレリンの分泌量は28%上昇し

レプチンの分泌量は18%低下し、体重、脂肪組織が増大します 

 ・睡眠障害とうつ 

 睡眠が様々な形で妨げられ、細かい目覚めが何度も起こるようになると

本来副交感神経が優位になっている睡眠時に交感神経が緊張し

精神安定に関わるセロトニンの減少と共に自律神経失調の原因となります

それによって動悸、めまい等の肉体症状だけでなく、精神的に不安定な状態につながります
 
セロトニンはメラトニンの類似構造物質で、覚醒時から分泌され

日光に当たることにより分泌が促進され、睡眠中はほとんど分泌されず

昼間にセロトニンが十分に分泌されないと

夜のメラトニンの分泌量も減少し睡眠障害につながります
 

パワープレートは独自の3次元振動によって

セロトニンの増加やストレスホルモンの減少が見られたという

研究結果が出ています



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セロトニンは情緒や感情に対しては、精神の安定作用があり

うつ病の改善に重要な神経伝達物質です

また運動は認知にも効果をもたらします

認知とは、記憶、分析的思考、計画、関心、集中、意志決定などを含む能力を言います

加齢脳に対する身体活動の有効性を実証した初期の研究によると

特に加齢に伴う反応時間の増加が、運動を行っていない人と比べて

行っている人は生じにくいという結果が出ています


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この反応時間は中枢神経系の全体的な統合性を図る基本的な指標となります

また、ある研究では、複雑な認知テストで、身体活動を行っている健康な60代の高齢者は

日活動的な高齢者よりもメンタルパフォーマンスが高値になりました

運動が認知に及ぼす効果については

運動が加齢に伴って起こる脳への血流の低下を抑制する

または血管新生効果があるという説があります

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パワープレートは肉体的なものと精神的なものへ同時にアプローチすることができる


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プロフィール

中込慶一
(ナカゴメケイイチ)
・出身地:東京都
・血液型:O型
・昭和61年4月7日
・日体柔整専門学校卒
・柔道整復師
・全国冷え症研究所に5年勤務ののち現在は、パワープレート東京にてインストラクターを務める
・特技:スポーツ全般 陸上
・趣味:音楽・バイクツーリング
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