ダイエットとタンパク質
日本人の食習慣において最新の国民健康栄養調査では
朝食を抜かす人の割合は、男女とも20歳代が最も多く
男性で33.0%、女性で23.2%で
脂肪エネルギー比率が30%以上の者の割合は成人男性で20.0%
女性で27.6%だったそうです
パワープレートで効率よく筋肉を動かしても、筋肉の元となる栄養補給を怠っては
筋肉は強くなれず、うまく体は引き締まりません
そこで重要な栄養素がたんぱく質です
たんぱく質は細胞の主要な構成成分であると同時に、物質代謝に必要な酵素や
生体機能の調節に必要なホルモンの材料としても重要です
一日の摂取基準は男性で70g、女性で60gとなっていますが
なかなかこの量を摂取できていないのが現状です
また、トレーニングを行って筋肉を増やそうとしている場合は
基準より多くの摂取が必要です
〈ウェイトコントロールとたんぱく質の関係について〉
従来のダイエットの考え方では、とりあえず食事の量を減らして痩せるといったものが一般的でしたが
最近では体を構成しているたんぱく質をはじめ
ビタミンやミネラルの摂取量をきちんと確保したうえで
食事制限をしなければ健康的なダイエットはできないといったものに変わってきています
1.体内でのたんぱく質の働きについて
・筋肉や内臓などをつくる重要な構成成分
・酵素やホルモンなどとして働く
2.たんぱく質の吸収と再合成について
・たんぱく質は、成人の体内に約12~15%あり
脂質のように体のどこかに蓄えられているわけではなく、主に血液や内臓組織、筋肉に存在しています。
・たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。
その後、体内で必要なたんぱく質に合成されます。
・たんぱく質は、細胞内で核にある遺伝子DNAの情報を元に
アミノ酸が集められ、順に組み合わされてつくられます。
たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類で
これらを組み合わせて無限のたんぱく質を作ることができます。
しかし、たんぱく質を含む食品の中でも、構成されているアミノ酸の種類が異なるため
肉や大豆、魚などをバランスよく摂取しなければ
ヒトの体に必要なたんぱく質を全て作ることができなくなります。
3.たんぱく質の摂り方について
・成人女性の1日摂取推奨量は50gです。(この量はあくまで目安で、病気になったり、体調を崩さないようにするにはこの量を摂取すべきという値です)
・平成23年国民健康・栄養調査では女性の20代では57.6g、30代では59.0g、40代では60.5g、50代では64.7gという結果でした。
・主食、主菜、副菜のたんぱく質について
主食 ご飯:3.6g
主菜 肉、魚、大豆製品など:11g
副菜 野菜120g:2g
〈食材の目安量〉
・4群点数法による1点80kcalの食材重量(g)
食品 | 重量 | 食品 | 重量 | 食品 | 重量 | 食品 | 重量 |
牛乳 | 120 | プレーンヨーグルト | 130 | 卵 | 15 | 鮭 | 60 |
マグロ赤味 | 85 | さば | 40 | 豚もも肉(脂身つき) | 45 | 鶏もも肉(皮なし) | 70 |
鶏ささみ | 75 | もめん豆腐 | 110 | 納豆 | 40 | たまねぎ | 220 |
トマト | 420 | ジャガイモ | 110 | たまねぎ | 220 | グレープフルーツ | 210 |
リンゴ | 150 | ご飯 | 50 | 食パン | 30 | うどん | 75 |
砂糖 | 21 | マヨネーズ | 12 | バター | 11 | 油 | 9 |
・食事で食べる1回分の目安量(g)とそのエネルギー量
食品 | 重量 | エネルギー | 食品 | 重量 | エネルギー |
牛乳 | 200 | | プレーンヨーグルト | 100 | |
卵 | 55 | | 鶏もも肉(皮なし) | 80 | |
鶏ささみ | 100 | | マグロ赤味 | 60 | |
トマト | 110 | | ジャガイモ | 110 | |
リンゴ | 150 | | 食パン | 90 | |
ご飯 | 150 | | バター | 5 | |
一般的なダイエットで一日1500~1600kcalくらいを目安に行う場合、主食の割合が50~60%になっているとバランスが良く、一食500kcalを目指します。
従って、最低50%の主食を摂るとすると250kcalとなり、ご飯を食べる場合は、150gは摂っても良いということになります。
〈食材に含まれるたんぱく質量について〉
一日のたんぱく質摂取量60gを3食で割ると一食20gを目安に摂っていきます。
単に高タンパク食を摂るのではなく、食事として成り立つものを考えていくと良いです。
エネルギー摂取量を一定にして、たんぱく質の摂取量を増やしていくと、ある量で体内のたんぱく質の合成も一定になり、それ以上増えなくなります。
これはDNAの中でどの組織にどれだけのたんぱく質が必要かという量は決まっているため、運動をして筋肉量を増やしている時を除いて、必要量以上を摂っても脂肪に変換されてしまうため、体重の増加につながります。
また、筋肉量を増やすときなどに、たんぱく質合成にはエネルギーが必要なため、その他の炭水化物や脂質といった他の栄養素も合わせて摂っていかなければ、足りない
エネルギーを補うために筋肉を分解したり、たんぱく質を使ってエネルギーを生み出すために逆効果になってしまいます。
たんぱく質合成と摂取カロリーの割合は一日の摂取カロリーが1600kcalの人では、たんぱく質50gが合成の際に効率が良いと言えます。(運動している人では、たんぱく質摂取量が高まります)
・4群点数法による80kcalの食材のたんぱく質量(g)
1. 第1群:乳、乳製品、卵
食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 |
普通牛乳 | 120 | 4.0 | プレーンヨーグルト | 130 | 4.7 | 卵 | 55 | 6.8 |
2. 魚介、肉、豆、豆製品
食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | タンパク質 |
アジ | 60 | 12.4 | シロサケ | 60 | 13.4 | さば | 40 | 8.3 |
マグロ(赤身) | 60 | 15.8 | 牛もも肉(皮下脂肪なし) | 40g | 8.2 | 牛肩 | 30 | 5.5 |
牛ばら肉(脂身付) | 18 | 2.3 | 牛ひき肉 | 40 | 7.6 | 豚ヒレ肉 | 60 | 13.7 |
豚もも肉(脂身なし) | 60 | 12.9 | 豚ばら肉(脂身付) | 21 | 3.0 | 豚ひき肉 | 40 | 7.4 |
鶏胸肉(皮なし) | 75 | 16.7 | 鶏もも肉(皮なし) | 70 | 13.2 | 鶏ささみ | 75 | 17.3 |
もめん豆腐 | 100 | 6.6 | 納豆 | 40 | 6.6 | 豆乳 | 180 | 6.5 |
3. 第3群:野菜(きのこ、海藻も含む)、イモ、くだもの(g)
食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 |
たまねぎ | 220 | 2.2 | キャベツ | 350 | 4.6 | ホウレンソウ | 400 | 8.8 |
トマト | 420 | 2.9 | ジャガイモ | 110 | 1.8 | サツマイモ | 60 | 0.7 |
リンゴ | 150 | 0.3 | バナナ | 95 | 1.0 | グレープフルーツ | 210 | 1.9 |
4. 第4群:穀類、油脂、種実、砂糖、調味料(g)
食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 | 食品 | 重量 | たんぱく質 |
ご飯 | 50 | 1.3 | 食パン | 30 | 2.8 | うどん | 80 | 2.1 |
蒸し中華めん | 40 | 2.1 | 油 | 9 | 0 | バター | 11 | 0.1 |
マヨネーズ | 12 | 0.2 | 砂糖 | 21 | 0 | 味噌 | 45 | 5.2 |
・肉や魚介類のたんぱく質は種類や部位によってたんぱく質の量が大きく違うため、たんぱく質の量で3つのグループに分けるといいでしょう。
| Aグループ | Bグループ | Cグループ |
1点当たりのたんぱく質量 | 14g以上 | 10g以上14g未満 | 10g未満 |
食材例 | マグロ赤味 | アジ、豚もも脂身なし | さば、牛ばら肉 |
高齢者でもタンパク質の吸収効率が低下しているため
積極的な摂取を心がけましょう
パワープレートトレーニングは今まで使えていなかった筋肉も同時に動かすため
効率が良いのですが、その分栄養素もきちんと取る必要があります
これらの食材と併用してプロテインを飲むことも非常に有効で
最近ではたんぱく質以外にもビタミンなど栄養素が添加されたものが
売られているので、炭水化物の変わりにプロテインを飲むことで
カロリーを抑えながらたんぱく質を取ることができ、トレーニングの成果を早めることができます
ダイエットは安全に行わなければ意味がありません
ですから、必要な栄養素はきちんと取って
余分なカロリー摂取は抑えることが重要なのです
*このブログはエルクレストアカデミーの講師である管理栄養士の米沢須美先生の
お話を元に作成しています