糖尿病と運動
糖尿病とは「インスリン作用の不足によって起因した慢性の高血糖を主徴とした疾患群」
を言います
インスリンの不足の仕方から大きく2タイプに分類されます
インスリン産生細胞である膵臓のβ細胞が減少し
インスリンの絶対的な欠乏をきたして発症する糖尿病のタイプで
どの年齢でも起こりえますが、若年者に発症することが多いです
典型的な急性発症1型糖尿病では
ケトーシス(脂質、糖質の代謝障害によってケトン体が異常に増加して、臨床症状を示す状態)
ケトアシドーシス(脂質代謝の亢進に伴ってケトン体血液が酸性に傾いた状態)や昏睡を伴って
発症し、生命維持のためにインスリン治療(インスリン依存状態)が不可欠になります
発症の仕方から
①急性発症:上記の典型タイプで若年者に多い
②緩徐進行型:緩徐に発症し、最初は2型糖尿病のような臨床像を示しながら
徐々にインスリン分泌が枯渇してインスリン依存状態になるタイプで成人に比較的多い
③劇症型:数日の単位で極めて激烈な発症様式を示し
迅速に対応しないと生命に関わる重篤なタイプで成人に比較的多い
の少なくとも3タイプが存在します
病院論的には自己免疫性と特発性(原因不明)に分類され
自己免疫機序により、膵臓のβ細胞が破壊される自己免疫性が多くを占めます
自己免疫性1型糖尿病は血清中に抗GAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)抗体などの
自己抗体が陽性となることで診断されます
2型糖尿病(インスリンの相対的な不足)
糖尿病の約95%は2型糖尿病で占められており
日本では患者が約740万人に及ぶと言われています
インスリン作用の不足は、インスリン分泌の低下と
インスリン抵抗性の亢進によって生じますが
各々に遺伝要因(体質)と環境要因が関与しています
遺伝要因の関与は、特に2型糖尿病患者の家族歴に高率に糖尿病を認める事実から
明らかです
環境要因としては、西欧化した食事と運動不足、その結果としての肥満
が関わっています
日本人の摂取カロリー量自体は、横ばいかむしろ減少傾向にあり
食事の内容(特に動物性脂肪と単純糖質の摂取過多)に問題があると考えられています
・糖尿病の診断
日本糖尿病学会の診断基準では
①随時血糖値200㎎/dl以上
②早期空腹時血糖値126㎎/dl以上
③75g糖負荷試験で2時間値200㎎/dl以上
のいずれかが確認された場合に糖尿病型と判定し
再度別の日にいずれかが確認された場合に糖尿病と診断されます
・食事療法
過剰なエネルギー摂取は、その分血糖値が高くなるため
適正なエネルギー摂取量を守ることが重要でその目安は次のようになります
エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量
標準体重(㎏)=身長(m)×身長(m)×22
標準体重1㎏あたりの身体活動量の目安
軽労作(デスクワーク主体、主婦など):25~30kcal
普通の労作(立ち仕事が多い職業):30~35kcal
重い労作(地荒仕事の多い職業):35kcal~
から計算していきます
・運動療法
ブドウ糖、脂肪酸の利用を促進し、インスリン抵抗性を改善する効果があります
強度は、運動時の心拍数が1分間に100~120以内
自覚的にきついと感じない程度が目安です
パワープレートは緊張性振動反射によって
通常30~40%しか使われていないと言われている筋肉を
97%動かすことが可能で、ブドウ糖、脂肪酸の利用を効果的に促進します
一般的に中強度から高強度の運動を一回行っただけで
2型糖尿病の患者のインスリン感受性が向上し、血糖値が低下すると言われています
定期的に運動を行えば、インスリン感受性を高める急性効果により
長期k何のグルコース調節を改善できる可能性があります
パワープレートで使われている30~50Hzのうち
30Hzでスクワットを行うとジョギング程度の強度になるため
糖尿病の運動療法に適した強度になります
また15分で一般的なジムトレーニング1時間相当の運動量になるという
効率の良いトレーニングなので、短時間で継続しやすい運動だと言えます
糖尿病を始めとした多くの生活習慣病の原因になっている運動不足を
ぜひパワープレートで解消していきましょう!
2013年6月 7日(金)
健康|
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