卒業研究発表会4
前回に続き卒業研究発表会で発表されたカイロプラクティックにおける論文をご紹介したいと思います
「カイロプラクティック治療がスポーツパフォーマンスに及ぼす影響 -立ち幅跳びによる検討-」
・はじめに
近年、多くのアスリートがカイロプラクティックを含む様々な治療を通じて自己のメンテナンスや
パフォーマンス向上のために役立てている
アメリカでは普及率が高く、日本でも徐々に関心を得られている。
しかし、スポーツパフォーマンスの向上に関連するカイロプラクティックの研究資料は
豊富とは言えず、実際の現場では知識よりも経験によって治療が行われていることが多く
体系化された治療は存在しない。
本研究の目的はカイロプラクティック治療を含む身体へのアプローチがパフォーマンス向上において
どれほど貢献できるかを検討することである。
本研究ではスポーツパフォーマンスとして跳躍力を必要とする立ち幅跳びを選び
治療前後においてその変化の比較を行った。
・対象と方法
RMIT 大学の21~45歳までの健康な学生14人を対象とした。
対象者全てに対して、一定の期間をあけてアジャスト、モビリゼーション、ストレッチ、テーピング
の4種類の介入を実施した。
それぞれの介入の前後で立ち幅跳びの距離を測定した。
アジャストは脊柱を頸椎、胸椎、腰椎骨盤の3部位に分け、それぞれの部位で
モーションパルペーションによって決定したリスティングに対して1か所ずつ
計3か所にアジャストを行った。
モビリゼーションは腹臥位で脊柱を頸椎から骨盤まで3分間P→A方向に押圧を行った。
ストレッチでは仰臥位で脊柱起立筋、外腹斜筋に対して他動的ストレッチを一か所30秒とし
計1分30秒行った。
テーピングは脊柱起立筋、外腹斜筋の計3か所にキネシオテープによるテーピングを行った。
立ち幅跳びの測定は5回の跳躍を行った。1回目の跳躍は測定せずに2,3回目の跳躍を
介入前の数値とし、施術介入を行った後に4,5回目の跳躍を介入後の数値とした。
この介入前後の数値の平均値を比較し、介入による跳躍距離の変化を調べた。
統計学的な検定には対応のあるT検定を用い、有意水準5%未満を有意差ありとした。
・結果
治療後に跳躍距離が増加傾向にあったのはアジャストのみでストレッチとテーピングは
減少傾向にあった。
しかし、いずれの群においても、これらの変化は有意ではなかった。
・考察
テーピングは減少傾向であったが、キネシオテープを既定の筋に使用する際に
筋を伸張状態にして使用したため、筋に対して外部から
起始停止を近づけようとする固定の作用が加わり、筋の円滑な動きを妨げたものと考えられる。
ストレッチが減少傾向にあったその要因として、筋温力学的な変化及び
神経生理学的な変化が有力な候補として挙げられるが、これらも明確ではない。
モビリゼーションにおいては増加と減少に分かれた。
モビリゼーションとは制限のある関節に対して、制限を改善する方向に押圧し
関節の協調性を正常化するものである。
今回の研究では、押圧の方向を一定にしたため、効果にばらつきがみられたと考える。
アジャストのみ増加傾向にあったのは、アジャストによって制限が解消され
脊柱全体として正常な可動性を獲得したため、下肢で生じた力を上半身に円滑に伝達することで
エネルギーのロスをカットすることになり、記録が上昇したものと考える。
今回の研究では体幹を中心に施術することで立ち幅跳びの記録を測定したが
跳躍は股関節、膝関節、足関節またそれらに関わる筋肉のみならず
上肢の反動を利用して跳躍を行うため施術部位に上肢を含めた研究や
筋肉に対しては筋血流、神経伝達速度、筋硬度などの様々な因子も
影響すると考えられるため、これらの因子を考慮した研究を進めていく必要があると考える
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「カイロプラクティック治療がスポーツパフォーマンスに及ぼす影響 -立ち幅跳びによる検討-」
・はじめに
近年、多くのアスリートがカイロプラクティックを含む様々な治療を通じて自己のメンテナンスや
パフォーマンス向上のために役立てている
アメリカでは普及率が高く、日本でも徐々に関心を得られている。
しかし、スポーツパフォーマンスの向上に関連するカイロプラクティックの研究資料は
豊富とは言えず、実際の現場では知識よりも経験によって治療が行われていることが多く
体系化された治療は存在しない。
本研究の目的はカイロプラクティック治療を含む身体へのアプローチがパフォーマンス向上において
どれほど貢献できるかを検討することである。
本研究ではスポーツパフォーマンスとして跳躍力を必要とする立ち幅跳びを選び
治療前後においてその変化の比較を行った。
・対象と方法
RMIT 大学の21~45歳までの健康な学生14人を対象とした。
対象者全てに対して、一定の期間をあけてアジャスト、モビリゼーション、ストレッチ、テーピング
の4種類の介入を実施した。
それぞれの介入の前後で立ち幅跳びの距離を測定した。
アジャストは脊柱を頸椎、胸椎、腰椎骨盤の3部位に分け、それぞれの部位で
モーションパルペーションによって決定したリスティングに対して1か所ずつ
計3か所にアジャストを行った。
モビリゼーションは腹臥位で脊柱を頸椎から骨盤まで3分間P→A方向に押圧を行った。
ストレッチでは仰臥位で脊柱起立筋、外腹斜筋に対して他動的ストレッチを一か所30秒とし
計1分30秒行った。
テーピングは脊柱起立筋、外腹斜筋の計3か所にキネシオテープによるテーピングを行った。
立ち幅跳びの測定は5回の跳躍を行った。1回目の跳躍は測定せずに2,3回目の跳躍を
介入前の数値とし、施術介入を行った後に4,5回目の跳躍を介入後の数値とした。
この介入前後の数値の平均値を比較し、介入による跳躍距離の変化を調べた。
統計学的な検定には対応のあるT検定を用い、有意水準5%未満を有意差ありとした。
・結果
治療後に跳躍距離が増加傾向にあったのはアジャストのみでストレッチとテーピングは
減少傾向にあった。
しかし、いずれの群においても、これらの変化は有意ではなかった。
・考察
テーピングは減少傾向であったが、キネシオテープを既定の筋に使用する際に
筋を伸張状態にして使用したため、筋に対して外部から
起始停止を近づけようとする固定の作用が加わり、筋の円滑な動きを妨げたものと考えられる。
ストレッチが減少傾向にあったその要因として、筋温力学的な変化及び
神経生理学的な変化が有力な候補として挙げられるが、これらも明確ではない。
モビリゼーションにおいては増加と減少に分かれた。
モビリゼーションとは制限のある関節に対して、制限を改善する方向に押圧し
関節の協調性を正常化するものである。
今回の研究では、押圧の方向を一定にしたため、効果にばらつきがみられたと考える。
アジャストのみ増加傾向にあったのは、アジャストによって制限が解消され
脊柱全体として正常な可動性を獲得したため、下肢で生じた力を上半身に円滑に伝達することで
エネルギーのロスをカットすることになり、記録が上昇したものと考える。
今回の研究では体幹を中心に施術することで立ち幅跳びの記録を測定したが
跳躍は股関節、膝関節、足関節またそれらに関わる筋肉のみならず
上肢の反動を利用して跳躍を行うため施術部位に上肢を含めた研究や
筋肉に対しては筋血流、神経伝達速度、筋硬度などの様々な因子も
影響すると考えられるため、これらの因子を考慮した研究を進めていく必要があると考える
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2012年3月18日(日)
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