四つ木治療院セミナー -⑫- セロトニンのお話
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
H.18.1.15に行われました四ツ木治療院でのセミナーをお伝えしていきます。
このセミナーは整骨院や鍼灸の先生方に向けた内容になります。
どうしても専門的な言葉が出て来たりしますので、なるべく分かりやすくしてお伝えしていきます。
セロトニンという物質があります。
これは脳内の伝達物質であって、ノルアドレナリンとかそういうようなものと一緒の物質です。
これはどういう役割をしている物質なのでしょうか。
簡単にいうと、指揮者のような指令を出す役割をしている物質です。
これは、間脳にある縫線核(ほうせんかく)という所から出ています。
その部分は、セロトニン神経と言われたりします。
近年着目されている物質で、どういう事をやってくれるかというと、重要な三つの作用がある事が分かっています。
その三つの作用とは、
①心に対しての作用
②自律神経に対しての作用
③筋肉に対しての作用
です。
①心に対しての作用
心のバランスを取るのに必要な物質です。
過剰にキレたりする場合は、このセロトニンが足りないからと言われています。
実際に、自殺した人の脳を調べるとセロトニンの欠乏が見られたりするという事が分かっています。
ストレスに対して、セロトニンがないと対ストレスという事が出来なくなります。
②自律神経に対しての作用
自律神経に対して指令を送るというのも分かってきました。
自律神経が大元ではなく、セロトニンが大元で、これが分泌されないと自律神経が上手に働かないのです。
③筋肉に対しての作用
特に抗重力筋に対しては、セロトニンがないと筋肉としての機能がうまく働かないという事が分かってきました。
よく、老人で屈曲になる人がいますよね。パカッと膝が曲って落ちちゃう人。
あと、表情で笑えない人。
これはセロトニンが欠乏する事によって表情を作り上げる事が出来ないという事です。
だから、うつの人が笑わないというのはこの物質が減少するから笑えなくなる。
筋肉が上げられなくなるからです。
触覚の低下が見られる老人の方も同じ事が言えます。
他には、膝の筋肉がつきにくい方や、自分を支持する事が出来なくてフラフラよたついて歩いてしまう方。
もちろん、パーキンソン病とか、ほかに疑わしいものはありますが、セロトニンが欠乏してしまってこのような事が起きるというのが分かってきたのです。
若い人で猫背、これも抗重力筋に対して働くものですから、セロトニンの欠乏が疑われるのです。
その若い人が表情に乏しければ、100%これが原因と言えます。
このセロトニン、脳から分泌されるという事は以前から分かっていましたが、最近の研究で、脳からは全体の10%、残りの90%は腸から分泌されるというのが分かったのです。
だから、腸の働きを活発にするとセロトニンの分泌は良くなります。
ただ、腸から出るセロトニンと脳から出るセロトニンは種類が違う、という考え方もあります。
しかし、関連性が強いのです。
例えば腸から出るセロトニンによって脳からのセロトニン分泌を促すとか、様々な関連性を言われるようになって来たのです。
そこで、冷え学です。
腸を温める一つの効果が見えてきます。
セロトニンの分泌も、腸を温める事で絶対良くなるのです。
だから、例えば曲ってしまっている老人の方や歪んでしまっている老人の方など、こういう人達が回復したりする。
山口先生の所の患者さんでも、腰痛などで通われている方に具合を尋ねると、家族に「姿勢が良くなった」とか「明るくなった」「笑うようになった」と言われるそうです。
山口先生は何気なく聞いていたこの言葉、キーワードとして当てはまります。
そうすると、やっぱり関連性がすごくあるのではないか、と考える訳です。
だから、冷え学では、このセロトニンの作用がお腹を温めることで分泌が盛んになって活性化し、筋力を高めたり、表情を作ったり、気持ちを明るくしたり出来るのではないか。
だから私達は日々お腹を温めているのです。
お腹を温めるというのは、とても重要な事なのです。
寝ているだけで出来る治療の中でこういう事も起きてくるのです。
これが私達が今一生懸命やっている所の研究課題でもあるのですが、ただ言えることは、結果が出るということです。
結果が出ない人がいたら、それはやり方が間違えている、やり方が悪いということ。
ただ、やり方には細かい部分があるので、温度調節など、その部分を臨機応変にやって頂ければと思います。
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Written by Keiko Kimura