寒冷刺激と交感神経
今回は、私が生理学実習で行った「寒冷刺激と血圧、脈拍の変化」の実験から
実際に体を冷やすことでどのような反応が起こるのかについてお話したいと思います
手順は、まず安静時の血圧と心拍数を計測した後、手を氷水の中に30秒間浸し
氷水刺激中と終了後4分まで1分ごとに血圧と脈拍を測定します
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安静時 |
負荷中 |
1分後 |
2分後 |
3分後 |
4分後 |
最高血圧 |
106 |
120 |
114 |
108 |
104 |
104 |
最低血圧 |
60 |
54 |
58 |
60 |
60 |
60 |
心拍数 |
84 |
88 |
88 |
88 |
88 |
86 |
交感神経の緊張によって血圧、脈拍共に上昇し、氷水から手を出すとまた元に戻っていく
のが分かります
冷やす刺激は痛み刺激に分類され、その情報は延髄の循環中枢に伝えられます
そして血管収縮神経である交感神経の活動が高まり、血管が収縮し、血圧が上昇します
この実験では、健康な人では冷水による感覚(痛み)には個人差が少ないので
この時の血圧上昇の度合いを調べることで
交感神経遠心路のおおよその機能を知ることができます
したがって体を冷やすこと、また持続的なストレスは過剰な交感神経の緊張を招き
冷え症の悪化、免疫力の低下、痛覚閾値の低下(痛みを感じやすくなる)
痛みの持続、血圧の上昇、睡眠障害などの様々な症状を引き起こします
今回の実習で体を冷やさないこと、交感神経の緊張をとることの重要性を改めて感じました!
冷えについてはこちら
written by nakagome keiichi