便利を手に入れた代わりに手放したもの
皆さんは便利な世の中とはと訊かれた時になんと答えますか?
車はガソリンを燃やして、即ちエネルギーを消費することでより早く目的地に着くことができます
コンピューターも電気というエネルギーを使い、消費し、計算も情報を得る時間も早くなります
そのどちらもがエネルギーを使って時間を速めるものです
エアコンもそうです。 昔では暑くて能率の上がらなかった仕事も
涼しい環境下ではより多くの仕事をこなすことができます
人工照明も同じで、夜も休まず働けることは、その分社会の時間を速めることができます
結局のところ、何をもって私たちが便利と思っているのかというと
突き詰めれば時間を速める事なのです
エネルギーを使って時間を速めることが文明の利器であり
このような社会を作り上げるために莫大なエネルギーが使われています
そのため今回は時間を環境として捉えた話をしようと思います
私たちは恒温動物です
恒温動物とは体温が一定の高さに保たれている動物のことです
体内の代謝、免疫のメカニズムが高温である方が促進されます
高温ということは要するにエンジンをかけっぱなしにしておくことで
それによって体温を一定に保ち、いつでもダッシュできる状態にしておくことと同じなのです
エンジンをかけっぱなしとはそれだけエネルギーを消費しているこということで
ダッシュできるからこそ短時間で事を成すことができる訳で
これは時間を速めていることに他ならないのです
・恒温動物は「恒時間動物」である
精密機器や高速コンピューターは、常に温度が一定に保たれています
そしてその機能、効率を常に維持しているのです
体温を一定にして時間の速度を常に速く一定に保とうとしているのが
恒温動物であるとも言えるのです
現代人は、社会の時間を常にスピーディーであるようにいわば高速に設定しているのです
高速だからこそ少しでも遅い部分があると、たちまち渋滞が発生しますし
それ故に時間だけはきっちり守る必要があり
現代では守るべき最大の社会ルールとなっているのです
そのためにそのルールが守られなかった時にはイライラしたり、ストレスが溜まるのです
これは私たちが「恒時間動物」であるとも言えるのです
・さらに私たちは「恒環境動物」である
私たちが恒時間動物であるというお話をしましたが
これがエスカレートすると恒環境動物に進化しつつあると言えます
気温という環境は、エアコンでいつも快適温度に保とうとしているし
いつも仕事ができるように夜も煌々と電気で明るくし
いつでもネットで世界中と繋がる環境を作り出しています。忙しいということは
時間が速いということです。エネルギーを使って環境を整え(一定の環境をつくり)
一生懸命働くと同じ時間でたくさんの製品をつくることができ
また情報をより多く集められることになりそうすると
それがお金になり儲かるということになるのです
これを「恒環境動物」と呼んでいます
時は金なり、正にビジネスは時間を操作することなのです
一方、お金を使ってエネルギーを消費し
それによって時間を速めると限られた時間内に多くの仕事ができ
余暇が生まれてくることも事実です。
1941年のNHKの調査によれば
ビジネスマンの自由時間は、1時間であるのに対し、2005年には3時間に増えています
2時間の自由時間がエネルギーを使う危機によって生み出されたことになります
そもそも時間は生活に深く関わっているものであり
人間はまさに時間と生きていると言ってもいいのではないでしょうか
私たちが膨大なエネルギーを使い、機器を動かし
時間を速めたことはご理解いただけたと思いますが
どのくらい膨大かと言うと、年間で1人あたり、原油換算で約4000kgです
私たちが食物として食べるエネルギー量で比較してみると、実に40倍だそうです
体が使うエネルギーの40倍ものエネルギーを私達1人1人が使って時間を速めているのです
昔のことを思えばせいぜい薪を燃やしていたくらいですから
体が使う分以外のエネルギーなど微々たるものだったに違いありません
冷え症の人がこれだけ増えている原因はたくさんあると思いますが
環境が整っている空間にいすぎることで
寒くなったら毛穴を締める、暑くなったら汗をかくといった
自分で体温を調整する機能が衰えてしまっていること
エネルギーを使って速く移動できるようになった代わりに自分の筋肉を使わなくなり
熱を作り出す力が減少してしまったということが挙げられるのではないでしょうか?
今の世の中は非常に速く進むため
こういったことについて疑問を持つ機会は少ないと思いますので
ぜひ一度立ち止まって、恒温動物である自分の体について考えて頂ければと思います
このブログはエルクレストで専任講師をしてくださっている佐藤仁是ドクターのお話を元に
作成しています
2014年11月25日(火)
冷えの原因とは|
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