冷えと内臓機能
冷え性で内臓温が低下していると、自律神経の機能が乱れ
腸の運動が過剰になったり、悪くなったりします
そのためよくある症状として、便秘があります
根本的な改善には、もちろん内臓の温度を高めることが必要で
深層筋の強化することが有効ですが、どうしても時間がかかってしまいます
そのため今日から始められるケアとして食物繊維の摂取があります
一定の構造を持った物質に対して与えられた名称ではなく
脂質と同じようにある共通の性質を持つ物質に与えられた言葉です
定義としては、人の消化酵素では加水分解されない食品中の難消化性成分の総体
ということになります
代表的なものとしては、植物に含まれるセルロース、ペクチン、動物に含まれるキチンなどがあります
食物繊維には2つのタイプがあり、水に溶けにくいタイプと溶けるタイプに分かれます
1. 不溶性食物繊維(IDF:water Insolble Dietray Fiber)
食物の細胞壁を作っている成分で、主に穀物ではリグニン、セルロース、ヘミセルロース
など糖がたくさんつながった構造で水に溶けません
2.水溶性食物繊維(SDF:water Soluble Dietary Fiber)
食物の細胞の中に貯蔵され、食物が分泌する成分にも含まれます
果物やニンジンなどの野菜に多く含まれるペクチン
こんにゃくに含まれるマンナン
海藻類に含まれるアルギン酸などが知られています
やはり糖がたくさんつながっていますが、構造の違いで水溶性という特徴があります
・SDFはIDFよりも効果が大きい
IDFは、水分を吸収して便を柔らかくし、消化管を通過する時間を短くします
SDFはIDFよりさらに水を吸収して膨らむうえ
保水力がすぐれているためより強い効果を示します
また、SDF胃内滞留時間が長く、耐糖能の改善、インシュリン分泌の節約
コレステロール吸収の低下、体内コレステロール濃度の正常化をもたらす作用があるため
IDFよりもさらに多く摂ることが望ましいとされています
・日本人の摂取量は減少傾向
食物繊維とは、つまりは消化されないものであるため
消化されないものを多く食べるというのは非効率と考えてしまいがちですが
実はそうではありません
食物繊維を摂ると、適度な水分に富んだ便が大量にできます
腸の中で不必要に滞留することなく、食べたものは約24時間で体外に排出されます
この間にコレステロールや余分な糖、発がん物質などを吸収し
体内に吸収されるのを防ぐとされています
従って、生活習慣病の予防には理想的な役割を果たしているのです
しかし、最近では食生活の欧米化で肉や乳製品の摂取が増え
食物繊維の摂取量は減ってきています
ちなみに日本人の1日当たりの食物繊維摂取量は
昭和30年(1955年)に22g、昭和60年には17.3gと23%も減少し
現在では15g程度まで減っていると報告されています
・食物繊維の目標摂取量
目標摂取量は一日当たり20~25g、カロリーで言うと1000kcalあたり10gという計算になります
ただ、年齢や摂取する食物繊維の種類、ほかの食物の種類と量
排便習慣、生活習慣の違いによっても摂取量は変わってきます
アメリカでは便量や消化管通過時間を正しく保つために
1000kcalあたり10~18g、1日当たり20~30gが望ましいとされています
私たちが良く口にする食べ物で考えると
ひじき、ごぼう、ホウレンソウ、グリンピース、リンゴなどに線維が多く含まれています
・食物繊維の不足は便で分かる
食物を体内で消化していった残りが便として排出されます
この残りのもととなるのが、消化液で分解されない食物繊維なのです
そのため、繊維分を多く含んだ食物を摂ると、便の量も増えることになります
また食物繊維には保水性とゲル形成能という特性があり
これが便の量を増やし、便の硬さを正常にし、便の形が大きく柔らかくなります
逆に繊維の少ない便は保水力がないために、硬いものになってしまいます
そのため大腸でもスムーズに便を押し出せず、停滞が起こって便秘になってしまうのです
運動習慣をつけて深層筋を強化していくことと
食物繊維の摂取を心がけることで、深部体温の上昇と
腸内環境の改善ができ、冷えとそれによる便秘の解消になりますので
ぜひ意識してみてほしいと思います
2014年10月10日(金)
冷えと自律神経|
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