胃腸のトラブルとメディカルハーブ
・消化器系の定義
口から摂り入れたものを胃、腸、肛門へと送り
その間に消化と栄養素の吸収を行う一連の器官で、消化管と消化腺を合わせたもの外分泌器官とも言われます
・消化腺
唾液線、肝臓、膵臓、胆嚢
・消化管
口腔、咽頭、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)、肛門
・各器官の食物の通過時間
食道:固体30~60秒、液体1~6秒
胃 :固体4時間、液体1~5分
小腸:7~9時間
大腸:数十時間
・食道
25cmの楕円形の管で縦隔の後部で器官の後ろを通り、細いところで1cm、太いところで2cm
・胃
横隔膜の下にあり、入口を噴門、出口を幽門という
pH1~2の強い酸性である胃酸によって殺菌と、そこに含まれるペプシンによって
たんぱく質の消化をおこないます
水分を摂りすぎなどによって、胃内のpHが4.5より高くなるとペプシノーゲンからペプシンへの変換がうまくいかず、たんぱく質の消化が進まなくなります
・小腸(十二指腸、空腸、回腸)
全長6~7mの管で、消化、吸収の90%をおこなう最重要部
十二指腸への膵液、胆汁の流入と小腸粘膜からの大量の腸液によって食物は最終段階まで消化され、吸収されます
腸液は弱アルカリ性で一日2ℓ分泌され
三大栄養素の消化を受け持つ消化酵素を含みます
たんぱく質はアミノ酸へ、炭水化物はブドウ糖
脂質は脂肪酸とグリセロールに分解されます
また、ビタミンの吸収も小腸で行われ、水溶性ビタミンは拡散によって
脂溶性ビタミンは脂肪とともに吸収されます
・大腸 (盲腸、結腸、直腸)
全長1.6mの管で小腸より短く、小腸を取り囲んでいます
大腸に消化作用はほとんどなく、水分を吸収し糞便を形成し排泄する役割があります
・肝臓
人体の中で最大の線で約1200gの赤褐色の臓器
栄養素を体内で使えるように貯蔵します
肝臓は、胆汁の生成、栄養素の貯蔵と加工、解毒作用、生体防御作用、血液凝固物質の産生、造血や血液量の調節といった様々な役割を持っています
・胆嚢
肝臓からつくられた胆汁を濃縮して溜めておく
胆汁は消化酵素をもたないが、脂肪の消化、吸収をはじめ、脂溶性ビタミン、鉄、カルシウム
の吸収に欠かせない胆汁酸が含まれています
・膵臓
強力な消化酵素を含む膵液(弱アルカリ性、pH7~8)を十二指腸に一日1ℓ分泌します
たんぱく分解酵素であるトリプシノーゲン、脂肪分解酵素リパーゼ
炭水化物分解酵素アミラーゼなど三大栄養素の消化酵素を全て含んでいます
・栄養分の行方
小腸で吸収された栄養分のほとんどは、小腸の粘膜下の毛細血管に入り、集まって門脈となって肝臓に運ばれます
また脂肪は分解され、リンパ管を経て血中に入り、心臓から肝臓へ運ばれます
〈胃腸のトラブルとハーブ〉
ハーブによってピトケミカル(植物化学成分)を取り込むことができます
そばに含まれるルチンなどのフラボノイド、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインなどのアルカロイドが有名です
・下痢
お茶の渋みのもとになっているタンニンを摂ることで、炎症で余分に出てしまっている水分を引き締めて胃腸の働きを整えます
タンニンは80度以上の湯を使わないと、抽出されないので注意します
・便秘
サポニンやクミ質は、香りや苦みによって胃腸を刺激し
胃液の分泌を促進し消化を活発にします
センナ、アロエ、オオバコは緩下と呼ばれ、穏やかな下剤をして使われます
・消化不良、吐き気
アーティチョークやダンデライオンに含まれるクミ質が有効
車酔いからくる吐き気には、ペパーミント、レモンピール
ジンジャーを乗る前に飲んでおく
・胃炎
カモミールには炎症を鎮める作用があるため、ストレスにも有効
食べすぎの時などの胃もたれには、フェンネル、アニス
またカモミールとミントをブレンドすることで消炎とリフレッシュ感が得られる
アルテアコン(ウスベニタチアオイ)は、粘液質を多く含むため潰瘍などで
胃壁が荒れているときに粘膜を保護する働きがあります
胃炎に対する胃酸を抑える薬は最近では
病院に行かなくても入手することができますが
常用することは逆に胃腸や肝臓に負担をかけるため
メディカルハーブを用いるのが良いです
・ハーブティーの淹れ方
おいしい入れ方は、ティーポットにハーブを指三本分でつまめる量を一杯分(200cc)として入れ(ハーブをブレンドした場合も指三本分)、熱湯を注ぐ
そして葉や花など柔らかいものは3分、実や根っこなど硬いものは5分間抽出し、茶こしで漉します
ミネラルを含んでいる硬水は、色や味を変えてしまうため、軟水を使う方が良いです
そのためポットを使うときもお鍋を使うにしても
素材はステンレス、ガラス、ホーローのものを使うとよいです
このブログはエルクレストで、メディカルハーブや漢方の講師をしてくださっている渡辺 肇子 先生のお話を元に作成しています
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