漢方について
・漢方の歴史
中国の伝統医学は、中医学を呼び、三大伝統医学の1つでインド、アラビアと並び
現代の医学の基礎のとなっているものです。
中医学は、鍼灸、気功、食養、漢方薬という4つの柱から成り立っており
紀元前206~220年の「漢」の時代につくられ、5世紀ごろ日本に伝来しました。
元々、漢方という言葉は中国にはなく、日本でできた言葉で江戸時代に蘭方(らんぽう)
というオランダの医学が入ってきたときに、それ以前からあった中国医学と区別するためにつけられたものです。
その後、漢方をもとにイシンポウという日本最古の医学書がつくられ、これが千年以上
かけて日本の風土や文化に合わせて変化していったものが、いま私たちが呼んでいる漢方なのです。
明治元年、漢方をやっていた医者が西洋医学の医者の5~10倍いたと言われていますが、新しい道へ進むという意味で日本は西洋医学を採用しました。
しかし、現在は日中の国交正常化によって、漢方や漢方の材料になる生薬が医薬品として認められ時代の中で、関心と需要が高まっています。
・漢方の概論
漢方では、「テンジンゴウイツ」という考え方があり、人は大自然の一部であり、自然そのものである捉え方をしています。
西洋医学では症状に対する治療が多いですが、漢方ではその症状いたる背景を分析し
原因になっているものを治療していくことで再発が防げるといった考え方に基づいています。
二つ目は「フセイキョジャ」というもので、人の体には生気(元気な気)と邪気(邪悪な気)があり、その二つが常に争っており、邪気が生気に勝つと病気などになるという
考え方です。治療の際は、邪気を弱めて正気を助ける(自然治癒力を高める)ようにしていきます。
三つ目は、「シンシンイチジョ」で、心と体は別々のものではなく相互関係にあるというものです。例えば、精神的なストレスがたまっていれば風邪を引きやすいなどです。
・陰陽五行説
漢方のベースになっているのは、「陰陽五行説」で「陰陽論」、「五行説」のふたつからなっています。陰陽論は、この世のすべてのものは陰と陽に分かれており、二つが対立したり
補い合って成り立っています。このバランスが崩れると病気になります。
五行説とは、万物が木、火、土、金、水の持っており、四季や五臓六腑などを属性に分けてそれぞれの体の状態への対処法を示しています。
「木」は成長すること、のびやかである性質
「火」は熱があって上に立ち昇る性質
「土」は物を養育して、変化させる性質
「金」は金属を表し、清涼、静かである性質
「水」は冷たく湿っており、高いとことから低いところへ向かう性質
これらがお互いに助け合い、また抑制しあって成り立っています。
・生薬
現在日本で認められている漢方薬は200種類以上あり
一番多く使われているのはカンゾウで、自分自身の効果も高いのですが
他に配合されている生薬の効果をまとめて力を発揮させやすくする効果もあります。
カンゾウは、医薬品であり本来はハーブとしては売ってはいけないものですが
カンゾウだけは特例で、とても効能が良く
古くから食品添加物としても使われていたため認められています。
根っこが甘く、飲みやすいので多くのものに配合されています。
冷え性の多くは生活習慣によって起こるため
東洋医学の体質改善と生活リズムの改善が非常に有効なのです
このブログはエルクレストで
メディカルハーブや漢方の講師をしてくださっている渡辺 肇子 先生の
お話を元に作成しています
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