全身の循環と自律神経
私たちの体にはホメオスタシスを維持するために様々な機構が備わっていますが
その中で循環を調節している反射機構と冷えの関係についてお話したいと思います
・圧受容器反射
体位を変えたり、運動をしたりすることで全身の血圧が変化するすると
圧受容器反射が秒単位の時間の経過で起こり、血圧を安定させています
この調節は短期の調節に重要な役割をしています
血圧が基準値より高まると、頚動脈洞(内頚動脈基部)や大動脈弓の血管壁にある
圧受容器が興奮し、その情報はそれぞれ舌咽神経、迷走神経を伝わって
延髄の循環中枢に伝えられます
その結果、心臓と血管支配の交感神経の活動が低下し
心臓支配の迷走神経の活動が亢進し、次のような循環反応が起こります
①心臓の反応
心拍数の低下、心拍出量の減少、心筋収縮力の低下
②血管の反応
抹消の抵抗血管の拡張、容量血管(静脈)の拡張
③副腎髄質機能
副腎髄質細胞からのカテコールアミンの放出の減少
このような反応の結果、血圧は下降してある基準値で安定します
反対に血圧が基準値以下に下降すると、血管壁にある厚需要期の活動が低下し
逆の反応が起こります
・化学受容器反射
動脈血中の酸素分圧や水素イオン濃度が上昇すると
頚動脈洞(内頚動脈基部)にある頚動脈小体の末梢性化学受容器が興奮して
その情報は舌咽神経や迷走神経を伝わって呼吸と循環の中枢である延髄に伝えられ
調節されます
化学受容器からの情報は、呼吸中枢に作用して呼吸機能を高める一方
循環中枢にも伝えられ、交感神経活動を高めます
その結果、心拍数増加、心拍出量増加、血圧上昇が起こり、酸素の供給を高めます
・心肺部圧受容器反射
心房と静脈の合流部や肺血管には、低圧で作動する伸展受容器があります
この受容器は肺血管や心房の内圧の低下を感知して
血液量のごくわずかな変化を検出することで、循環血液量の調節を行っています
例えば、出血などで血液量が減少すると心肺部圧受容器を介して
脳に情報が伝えられ、主に下垂体後葉からのバゾプレッシン(抗利尿ホルモン)分泌が増加して
腎臓からの尿量が減り、血液量を増やそうとします
逆に血液量が増えると、心肺部圧受容器の活動が低下し
腎臓からの尿量が増えて血液量を減らそうとします
心肺部圧受容器反射は血液量や細胞外液量を長期的に調節する重要な反射です
・体性感覚刺激による循環反射
皮膚、骨格筋、関節の感覚受容器のような体性感覚受容器への刺激は
循環機能を反射的に調節し、カイロプラクティックやマッサージ、運動などは
この反射を利用して全身の循環を改善させています
・脊髄後根神経による血管拡張
皮膚のある部分への有痛性刺激はC線維(無髄の求心性神経で鈍い痛みを伝える)を興奮させて
その情報を後根を介して中枢へ伝える一方、後根に入る手前で枝分かれしている求心性線維を
逆行性に興奮させ、その神経終末からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などを放出して
刺激が加えられた近くの皮膚血管を拡張させ、血管の内皮細胞間隙を広げて
炎症における白血球の遊走を促進させます
これらの反射の中で圧受容器反射と化学受容器反射は自律神経が関与しています
冷えは自律神経を乱す最大の要因であり
体中に熱を運ぶのは血液ですから、冷えやストレスなどで交感神経の過緊張していれば
毛細血管への血流が大幅に減少し
内臓や手先、足先は冷え切るとともに、血圧も高まる傾向になります
内臓に血液が行かなくなれば、便秘や生理不順、免疫力の低下
代謝の低下といった現象が起こり、交感神経の緊張によって、休息がうまくできず
不眠や肌荒れ、痛みの感受性が高まるといった症状も出てきます
意識に関係なく働いている神経のため、バランスが乱れていても症状が出るまで自覚がない点が
状態を悪化させてしまう要因の一つです
ホメオスタシス、自律神経のバランスを保つためにも、メリハリのある生活を心がけましょう
その中で循環を調節している反射機構と冷えの関係についてお話したいと思います
・圧受容器反射
体位を変えたり、運動をしたりすることで全身の血圧が変化するすると
圧受容器反射が秒単位の時間の経過で起こり、血圧を安定させています
この調節は短期の調節に重要な役割をしています
血圧が基準値より高まると、頚動脈洞(内頚動脈基部)や大動脈弓の血管壁にある
圧受容器が興奮し、その情報はそれぞれ舌咽神経、迷走神経を伝わって
延髄の循環中枢に伝えられます
その結果、心臓と血管支配の交感神経の活動が低下し
心臓支配の迷走神経の活動が亢進し、次のような循環反応が起こります
①心臓の反応
心拍数の低下、心拍出量の減少、心筋収縮力の低下
②血管の反応
抹消の抵抗血管の拡張、容量血管(静脈)の拡張
③副腎髄質機能
副腎髄質細胞からのカテコールアミンの放出の減少
このような反応の結果、血圧は下降してある基準値で安定します
反対に血圧が基準値以下に下降すると、血管壁にある厚需要期の活動が低下し
逆の反応が起こります
・化学受容器反射
動脈血中の酸素分圧や水素イオン濃度が上昇すると
頚動脈洞(内頚動脈基部)にある頚動脈小体の末梢性化学受容器が興奮して
その情報は舌咽神経や迷走神経を伝わって呼吸と循環の中枢である延髄に伝えられ
調節されます
化学受容器からの情報は、呼吸中枢に作用して呼吸機能を高める一方
循環中枢にも伝えられ、交感神経活動を高めます
その結果、心拍数増加、心拍出量増加、血圧上昇が起こり、酸素の供給を高めます
・心肺部圧受容器反射
心房と静脈の合流部や肺血管には、低圧で作動する伸展受容器があります
この受容器は肺血管や心房の内圧の低下を感知して
血液量のごくわずかな変化を検出することで、循環血液量の調節を行っています
例えば、出血などで血液量が減少すると心肺部圧受容器を介して
脳に情報が伝えられ、主に下垂体後葉からのバゾプレッシン(抗利尿ホルモン)分泌が増加して
腎臓からの尿量が減り、血液量を増やそうとします
逆に血液量が増えると、心肺部圧受容器の活動が低下し
腎臓からの尿量が増えて血液量を減らそうとします
心肺部圧受容器反射は血液量や細胞外液量を長期的に調節する重要な反射です
・体性感覚刺激による循環反射
皮膚、骨格筋、関節の感覚受容器のような体性感覚受容器への刺激は
循環機能を反射的に調節し、カイロプラクティックやマッサージ、運動などは
この反射を利用して全身の循環を改善させています
・脊髄後根神経による血管拡張
皮膚のある部分への有痛性刺激はC線維(無髄の求心性神経で鈍い痛みを伝える)を興奮させて
その情報を後根を介して中枢へ伝える一方、後根に入る手前で枝分かれしている求心性線維を
逆行性に興奮させ、その神経終末からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などを放出して
刺激が加えられた近くの皮膚血管を拡張させ、血管の内皮細胞間隙を広げて
炎症における白血球の遊走を促進させます
これらの反射の中で圧受容器反射と化学受容器反射は自律神経が関与しています
冷えは自律神経を乱す最大の要因であり
体中に熱を運ぶのは血液ですから、冷えやストレスなどで交感神経の過緊張していれば
毛細血管への血流が大幅に減少し
内臓や手先、足先は冷え切るとともに、血圧も高まる傾向になります
内臓に血液が行かなくなれば、便秘や生理不順、免疫力の低下
代謝の低下といった現象が起こり、交感神経の緊張によって、休息がうまくできず
不眠や肌荒れ、痛みの感受性が高まるといった症状も出てきます
意識に関係なく働いている神経のため、バランスが乱れていても症状が出るまで自覚がない点が
状態を悪化させてしまう要因の一つです
ホメオスタシス、自律神経のバランスを保つためにも、メリハリのある生活を心がけましょう
2013年3月12日(火)
冷えと自律神経|
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