四つ木治療院セミナー -⑯- 冷えと痛み
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
H.18.1.15に行われました四ツ木治療院でのセミナーをお伝えしていきます。
このセミナーは整骨院や鍼灸の先生方に向けた内容になります。
どうしても専門的な言葉が出て来たりしますので、なるべく分かりやすくしてお伝えしていきます。
今回は「冷えと痛み」のお話です。
痛みはどのように伝わるのでしょう。
痛みは、打ったり叩いたりした時に脊髄に痛みの刺激が入ります。
その痛みの刺激は、4ヶ所に伝わります。
⑴大脳皮質 知覚野
痛みとして認識します。
⑵大脳辺縁系
感情本能を司る所 。イライラしたり、怒ったりします。
⑶大脳皮質 運動野
筋肉が緊張します。
⑷視床下部
交感神経を緊張させます。
こういう事が身体の中で実際に起きています。
たとえば、痛みの刺激というのは大脳皮質の知覚野に入って痛みとして認知します。
痛みとして認知するのだから、痛み止めを飲めば効きます。
そうすれば痛みが緩和する訳です。
では実際に整形外科で、100人の患者さんがいたとして、痛み止めが効く患者さんは果たして何%いるのでしょうか。
山口先生がいた整形外科でも、多くて30%~35%位。
70%の人は痛み止めが効かないのです。
そのせいか、飲まない人が多いそうです。
残りの7割は⑵〜⑷の痛みを感じている人たちという事になります。
どこかが痛い時にイライラするのは当たり前です。
痛みがある時にイライラするのは人間の生理的作用です。
痛みがあれば当然その痛い所の筋肉は張りつめます。
痛みがあれば交感神経が緊張して、例えば脈拍が速くなったり発汗したりします。
その中でも、⑵の大脳辺縁系に痛みが入りやすい人たちは怒りやすい訳です。
とにかく機嫌が悪い。
大脳辺縁系に刺激が入りやすい人というのは、人の話を非常に信じ込んでしまったりします。
また、整骨院や整体の先生方が100回言って聞かせる事より隣家の斎藤さんの話を信じます。
訴えている痛みが一日のうちにコロコロ変わったりします。
山口先生曰く、宗教を盲信するタイプも大脳辺縁系に刺激が入りやすい人です。
そのような人たちが来た時にする治療ですが、Aデルタ線維(速いスピードで痛みを脳に伝える神経)に、いくら刺激を加えようと電気をかけても効果は出ません。
要は大脳辺縁系に対するアプローチをしていかないと意味がないのです。
大脳皮質に入った痛みを取るために先生方は様々な事をすると思います。
例えば、Aデルタ線維に強い刺激を与えるために電気をかけて痛みを取るか、あるいは強い手技を加えるなどのアプローチをしているのではないでしょうか。
これは、多くの部分は前述した30%の方へのアプローチです。
残りの70%は、⑵〜⑷の痛みを強く感じている訳ですから、こちらに対してのアプローチをしないと患者さんが減って行きますよ、ということなのです。
だから大脳辺縁系の場合は話を良く聞いてあげたり、筋肉の緊張はマッサージをしてほぐしたり...
でも、視床下部のアプローチの仕方は整骨、整体、鍼灸の仕事ではなかなかなかったのです。
交感神経の緊張をどうやって解くのかが問題になります。
交感神経が緊張すると痛みの感受性が上がり、痛みが増えます。
これは医学的にも分かって来ました。
その要因が私たちの生活の中にあるのです。
それが冷えです。
冷えると交感神経が緊張し、痛みの感受性が増えるのです。
それで冷えと痛みの関係というのは、まさに今お話した部分であるということが分かると思います。
冷えについてはこちら
Written by Keiko Kimura
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