四つ木治療院セミナー -③- 冷え学(1)日本人が苦手なもの
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
前回に引き続いて、整骨院や鍼灸の先生方に向けた内容になります。
どうしても専門的な言葉が出て来たりしますので、なるべく分かりやすくしてお伝えしていきます。
今回は以前お伝えした「冷え学」的視点からリハビリについてお話します。
例えば肩こりの方が来院したとしましょう。
肩こりは、冷え学的な捉え方をするならどう取るか。
肩こり、冷え症、と線を引いてしまう。
これは上手に治療が出来ない一つの要因。
研究所ではデータを日々大量にとっています。
午前で50~60人,午後で40~50人位の方を診ますので、だいたい一日100人以上のデータを取っている事になります。
午前午後の区分はしてますが、冷え症の来院時間と腰痛などの来院時間は分けていません。
その中でデータを取りますから有効性が大変よく見えてきます。
以前にお話しましたが、変形性側湾症で、身体が歪んで歩行困難だった人が歩けるようになるとか、20年間身体の曲げ伸ばしが出来なかった人が、20年ぶりにそれが可能になる等、そういうことが目の前で起きて来る訳です。
特別なマッサージや手を加えたりはしていません。
こういうことが起きるということが冷え学なのです。
ここでそれを冷え症、他の痛みの症状と区分してしまうと治療の可能性を潰してしまうことになる。
どういう事でしょうか。
高齢者に対して劇的な変化を起こすというのは現実問題難しいことです。
それがただ寝ているだけで変化を起こせるということになれば、介護に繋がるのです。
九州の方で、山口先生がデイサービスをプロデュースしたそうです。
いまどきのデイサービスは人が集まらないが、そこは順番待ちだそうです。
それは何故か。
今年の4月(H.18年1月現在)に見直しをされますが、今までの介護保険というのは、介護を必要とする人をどんどん作り上げる保険といわれました。
例えば、自分で今まで家事をしていた人にヘルパーを入れて家事を代行させたり、ベッドで自分で寝起きしていた人に電動ベッドを与えてしまったら自力で起きられなくなった等、介護を必要とする人を作り出してしまったのです。
本当の介護というのは「リハビリ」ではないか、ということが分かってきました。
しかし、このリハビリをするにあたって一番問題なのが、日本人はリハビリが嫌いな民族ということなのです。
例えば老人の方に「運動をしなくてはいけない」と言ったとします。
そして通常介護で、デイサービスなどで普通にリハビリということで体操をさせたりしたらその人は嫌になって来なくなってしまう。
なかなかリハビリを浸透させるというのが民族的に難しいのです。
アメリカなどでは、80~90代の人が自分で車を運転して、朝の5時からスポーツジムに来るのです。
そこでマシーンを使ってトレーニングしたりウォーキングをしたりしているのがアメリカです。
さらにヒザの関節が痛ければ、グルコサミンを飲んでウォーキングを熱心にしています。
そうしないと股関節が痛くなってしまうからです。
でも、日本には、そのような土壌があまりないので、いきなりデイサービスでリハビリをやったとしてもなかなか受け入れてもらえないのです。
ところが、寝たままの施術で劇的な効果を得られるならどうでしょうか。
一番簡単なのは家族に見せてしまうことです。
施術の前後を見せてあげたら家族は驚きますよね。
本人以上に驚きます。
そうしたら、おばあちゃん、ここに来なきゃダメよ、という話になります。
このことをどう扱っていくかということが、鍼灸や整骨院の今後の課題なのです。
冷えだけの話ではなくなってきています。
きちんとした理論の上で、身体の変化がどうして起こるのかが分かってきています。
特に高齢者には非常に有効です。効果が出やすいという事が分かってきています。
これは山口先生が毎日100人以上の方に試しているから言えるのです。
若い人にはもちろん、スポーツをしている人達にもすごく応用されています。
治療した後に記録会があったりすると、好成績を出すなど、良い結果を生み出すという報告が多数上がっています。
若い人にも高齢の人にも有効というものはそうそうありません。
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Written by Keiko Kimura
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