痛みと冷えの関係 -⑦- ヒートショックプロテイン
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
鍼灸院や整骨院などの先生方が対象の内容ですが、なるべくわかり易くお伝えしていきます。
世の中の冷え事情というか、世の中の「流行り」のお話をしましょう。
山口先生がTVに初めて出たのは1999年でもう6年になるそうです(2005年現在)。
一つの事で6年もTVに出たり、取材を受けるというのは、そうそうないのではないでしょうか。
そう考えてみると、それだけ冷えというのは分からない部分が多く、求められている部分があるのだと思います。
冷えには、毎年流行があります。
今年の夏の流行は、
「どう身体を冷やすか」。
要は上手に身体を冷やして暑さ対策をするという事なのですが...
その年によって流行は違うのですが、これからはヒートショックプロテインが出てくると思います。
これは浜松大学でかなり研究をされていますが、
熱 ショック タンパク質
ということになります。
これは、企業が大学に出資して、共同研究という形で進められていたと記憶しています。
確か、遠赤外線を放出するドーム型サウナを扱っている会社だったかと思います。
ヒートショックプロテインは簡単にいうと、熱を加えるとそれによって反応するタンパク質、身体の修復を図るタンパク質なのです。
ショウジョウバエから発見されたのですが、もちろん人間にもあります。
熱を加えると、そのタンパク質が増えて身体を治す作用が強くなります。
運動選手が著明です。
試合の2日前にこのヒートショックプロテインを増やすと、試合後の筋肉痛や痛みが軽減する、とデータで出ているのです。
入浴の仕方も色々と研究されています。
試合2日前に41℃~42℃のお湯に15分浸かって、出たのちに身体を保温することでヒートショックプロテインを増やし、試合後の筋肉組織に溜まった疲労物質の乳酸を減らしたり、組織の修復を早めたりします。
今後、流行の言葉になるかと思うので、覚えておくと良いかと思います。
一つ、有名な話があります。
O-157ってありますね。
これは53℃の熱で死滅します。
煮沸しなくても良い温度です。
それが爆発的に蔓延しました。
エイズもそうです。
これも非常に低い温度で死滅します。
このように53℃程度の熱で死ぬような細菌が、人を死に至らしめるのはなぜでしょう?
これはヒートショックプロテインの作用と言われているのです。
細菌を死滅させるために加熱の際、何らかの状態で熱上昇が止まってしまった時、O-157のヒートショックプロテインの数が増えてしまいます。
その後、死滅するはずの53℃まで温度を上昇させても、ヒートショックプロテインによって守られてしまって死滅しない、ということが起きるのです。
それにより、O-157が蔓延したと言われているのです。
どのような生物にも含まれている物質ですので、やっかいと言えばやっかいです。
諸刃の剣、良い面と悪い面があるのです。
温めることで、身体の中に起きる一つの反応として捉えて下さい。
先ほど、試合2日前に身体を温めるとヒートショックプロテインが増える、というお話をしましたが、これは2日前に十分温めることで2日後に大幅に増えるというデータが出ているためです。
これは温めれば得られる効果ですので、超短波でも十分効果が得られます。
※この内容は、7年前の講演内容ですが、去年の冬頃にTVの某健康番組でヒートショックプロテインについてやっていたと記憶しています。
内容は山口先生のお話そのままでした。
冷えについてはこちら
Written by Keiko Kimura
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