痛みと冷えの関係 -⑨- まとめのお話
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
今回は、H17.8.28に四つ木治療院で行われました勉強会の内容で、まとめのお話です。
鍼灸院や整骨院などの先生方が対象の内容ですが、なるべくわかり易くお伝えしていきます。
低体温症とは、直腸温が35℃以下のことを言います。
本来は遭難などをした時になる病気の名前です。
今は腋下温度で35℃以下で低体温症と言うようになって来ています。
実際、低体温症ということで来院する方が増えています。
診療の際体温を計りますが、そういう方々の温度の平均は36.3℃でした。
正常者の体温と変わりません。
低体温症と訴える人達が本当の低体温症ではないのです。
でも、体調が悪いとかどうも調子が良くないとかで朝に体温を計ると、34℃台だったりして確かに低い。
でも昼間は普通の温度になっている。
診療時間は昼過ぎですので、その人達の体温が上がって来ているのです。
低体温症というよりは、「体温変動症」と言えます。
恒温動物ではなくなってきているのです。
また、そういう人達は温度が高いと「今日は風邪気味だから。」と言いますがそうではありませんので注意が必要です。
自律神経のコントロールが上手く働いていないのです。
子供たちが良い例です。
学校の校医のお話ですが、朝起きた時は体温が34℃台の子供たちが、休み時間に身体を動かすとあっと言う間に39℃台に跳ね上がる。
5℃も変動するのです。そのせいで感情の制御がきかなくなってキレてしまう。
ですから、こういう人達ほど自律神経のコントロールをしなくてはいけないのです。
超短波についてもお話しましょう。
多々報告がありますが、運動選手の試合前に超短波を使って施術をすると能力を引き出しやすく、結果が非常に良いです。
交感神経の緊張が下がるからです。
良く試合前日に整骨院に来て治療を受ける選手が多いですが、一般的に施術中に寝てしまうことはないと思います。
それが寝てしまう。
だから飛躍的に能力が発揮出来るのだと思います。
また、糖尿病には著しく効果が上がります。
他にも、甲状腺腫が消えたり子宮筋腫がなくなったりしています。
酷いアトピーが改善したという報告もあります。
次世代型の冷え症の場合は、超短波の他に必ずこする、ということをして下さい。
冷えを感じている部位と背中をヘチマなどで良くこすることが重要です。
次世代型の冷え症は、通常の2〜3倍血流が多く、それだけ熱放出量が多いのです。
そこにクーラーなどにあたると、血管はキュッと閉じてしまいます。
この時、その部位は氷のように冷たくなります。
しばらくすると、血管がばんっと開いて血液がドッと流れます。
そうするとさらに体温が奪われ、寒くて仕方がなくなります。
冷たさと寒さが同居しているタイプでとても辛いのです。
夏場に冷え症で悩んでいる方は7〜8割はこのタイプ。
あとの2割は深部体温低下型。お腹が冷えてしまっているタイプです。
これがきっかけでやる気が出なくなった/登校・出社拒否になった/とにかくだるくて無気力になった...そして肩こりが酷くなり、うつや不妊症になったり太ってきた、となります。
世の中は痩せたい、具合が良くなりたい、どうにかしてくれ、という人で溢れています。
根本的改善としてまずは深部体温を上げるのが第一歩です。
皮膚を擦ってあげて代謝を上げて、ダイエットしてあげるのが一番患者さんが喜びます。
この辺りが今の冷え事情といえます。
超短波の注意点は、刺激量です。
自律神経の治療なので、治療を受けている相手が心地良くないといけません。
温熱刺激というのは、交感神経を上げる一つのスイッチで、そのスイッチが入ると交感神経の緊張がドーンと上がって痛みが増してしまいます。
超短波は刺激が入りやすい機械です。
ですので、刺激量過多にならないように注意して下さい。
この刺激量のさじ加減が分かるのには2〜3年かかると思います。
気温や治療部位、治療時の温度管理などに気をつけて下さい。
お話は以上になります。
次回からまた新しい講演内容をお伝えしていきます。
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Written by Keiko Kimura