痛みと冷えの関係 -③- 本当の体温とは?
代々木公園店美顔店元店長の木村です。
今回も、H17.8.28に四つ木治療院で行われました勉強会の内容です。
鍼灸院や整骨院などの先生方が対象の内容ですが、なるべくわかり易くお伝えしていきます。
冷えることで様々な事が起きますが、どうやって冷えを確認すれば良いのでしょうか。
それは、中完(みぞおちとおへその中間位にあるツボです)と関元(おへそと恥骨の中間位にあるツボの事です)の二ヶ所、温度を計ります。
中完で33.5℃位、関元で33℃位が平均値と考えて下さい。
それ以下の場合や、温度の逆転状態の時も冷えがあると考えます。
体温の事で、少しお話をしましょう。
山口先生が鍼灸の勉強会に参加した時の事です。
たまたまその行った時の講師の方が、冷えについて話し出したそうです。
冷えとは、末梢循環の不全である、から始まり延々30分話は続いたそうです。
最初は黙って聞いていた山口先生ですが、とうとう我慢が出来なくなってしまいました。
それでも、一応その講座が終わってから質問に行ったそうです。
「冷えとは、体温でいうと何度からを指すのですか?」、と。
するとその方は
「私の知人で2人ほど冷えについて研究している人がいるが、冷えというのはだいたいの温度が下がった時を冷えというのです。」
と答えたそうです。
...答えになっていませんよね。
要は分からないということで、分からないなら素直にそう答えてくれれば良いのに、と山口先生は思ったそうです。
温度を一度も計っていない人達が、冷えについて語るのはおかしいと思います。
どこの病院に行っても、必ず腋下の温度は計るし、血圧も採ると思います。
でも、内科に行って冷え症なんです、と言っても温度を計られる事はまずありません。
これがそもそもの大きな間違いなのです。
また、根本的な所ですが、体温が元々高い人もいれば低い人もいます。
残暑を過ぎた頃だと、足先の温度で言えば、22~24℃の方もいれば、32~34℃の方もいます。
10℃以上も違う温度差を、「冷え」という同じ言葉のくくりでひとつにしてしまうのも大きな間違いなのです。
深部体温は体表面温度と比例する、というのも誰も知りません。
だから、大きな間違いが起きてくるのです。
興味深い話があります。
ある患者さんが山口先生の所にやって来ました。
微熱が続いて下がらない、というのです。
腋下は37℃位から下がらない。
でも深部体温を計ってみると、35℃。
普通は外側より中の方が体温は高いので、あり得ない現象が起きている事になります。
これはいわゆる次世代型の冷え症です。
自律神経が完璧にマヒしていて、体表面温度だけ上がってしまい、深部体温が下がってしまっているのです。
この現象は体温を計ることで説明がつきますが、医療の現場では全くもってやっていないのです。
TVなどで色々な方と一緒になり、話をする機会を持ちます。
医者として活躍し、冷えに対して漢方薬を処方しているにも関わらず、ほとんどの方は足先の温度すら知らないのです。
足先が冷たい、と患者さんが訴えると、ろくに温度も調べずにそれは冷え症だ、と結論づけてしまいます。
北里大学の東洋医学研究所に冷え症外来があり、漢方薬を出し続けています。
そこから冷え症が治らない、と山口先生の所に来る患者さんが多くいらっしゃるとのこと。
山口先生は患者さんのデータを取り、温度の高い低いがあるんだと言い続けて患者さん自身のデータを持たせたりしていたそうです。
そうこうしていたらやっと、北里大学でも最近になって温度が高くなる冷え症がある、と言い出したそうです。
これはいかにデータを取ってないかという事になります。
冷えについてはこちら
Written by Keiko Kimura
コメントする