私が現在習っている解剖の先生が
先生の師匠に当たる解剖学者の藤田恒夫先生が書かれた「腸は考える」という本を
貸して下さったので読ませて頂きました
この本には、超能力とかけて
腸能力言っているほど素晴らしい腸の機能が紹介されています
・腸は小さな脳である
腸の中には、取り込まれた食物が次々に運ばれ、腸はその化学成分をいち早く認識し
膵臓、肝臓、胆嚢などに指令を発し、適切な反応を引き起こします
たんぱく質や脂肪や脂肪に富む食物が来れば、膵臓に命令してそれらを分解する酵素を
腸の中に招き入れます
酒やスープが来れば、そのアルコールやアミノ酸を感知して
位に指令を発して胃酸を分泌させ、卵の卵黄が来れば、それを認識して
胆嚢の収縮を引き起こします
また食物と一緒に有害な毒素が侵入すると、腸はこれに気付いて
腸の壁自身に命じて多量の液体を分泌し、毒物を体外へ排除してしまいます
これが下痢で生体の防御反応そしては極めて重要なものです
この有毒物質の検知能力と下痢という反応がなければ
私たちはみな幼くして死んでしまいます
・腸は独りで動く
このような腸の賢い働きは脳と脊髄から独立して営まれていることが
腸が他の器官と異なる部分です
脳が別のことに気を取られていても、ぐっすり眠っていても
麻酔をかけられていても、腸は間違いのない動きを続けてくれるのです
脳や脊髄から、いくつかの神経が腸に達して
その働きに影響を及ぼしていることは事実ですが、これらの神経の連絡が絶たれても
腸は正確に働くのです
交通事故などによる脊髄損傷や脳死の状態になっても腸は働くのです
・神経の網タイツ
構造の面からみても、腸と脳の比較は可能で、脳と言えば神経のかたまりですが
腸に内蔵される壁内神経の量は大変なものであり
腸の壁の筋や粘膜の層を薄くはがしてみると、すだれのように
神経の線維束が広がっています
この神経網を研究している山梨医科大学の小林 繁 教授は
「腸は神経の網タイツを履いている」というキャッチフレーズをつくっています
この神経のアミノ結び目にあたるところには神経細胞がたくさん存在し
その数は腸全体では膨大な数にのぼり、もちろん脳そのものには遠く及ばないとしても
脊髄全体ニューロンの数をしのぐと言われています
化学刺激を受け取るセンサーはニューロンと同格の感覚細胞で
それゆえにパラニューロン(パラは横に並び立つという意味)とよばれています
このパラニューロンは腸の内面に散らばっており、腸全体としてみると
その数は膨大なものになり、ホルモンを分泌する内分泌系の王者
脳下垂体の細胞数を大きくしのぐと言われています
内臓温の低下は、このような腸能力を低下させてしまう大きな原因のひとつです
腸の独立した神経の正体は自律神経であり、冷えはこの自律神経を乱します
腸と脳の間には連絡があると言われ、腸の機能の低下は
様々な不定愁訴を引き起こします
腸の温度は37℃前後が正常ですが、最近では35℃という人も見受けられます
1℃低下すると免疫力は約
30%、代謝は約
14%低下すると言われていますから
普段から内臓を高める努力をする必要があります
Written by
Keiichi Nakagome