冷え症対策セミナー ⑧ -冷えと各部位の温度-
平成16年11月21日水道橋にて行われました、山口勝利先生の
講演内容をお伝えしています。
「冷え」とは自律神経の働きを乱すスイッチである。
もしくは、自律神経の働きを増長するものである。
こう考えると解りやすいと思います。
何度もお伝えしていますが、「冷え」があると痛みや
コリを強く感じます。その部分を一生懸命治療しても
患者さんの感受性の問題になってくるのです。
痛い部分が悪いのではなく、その場所の感受性がとても鋭く
なっているので痛みやコリが抜けないのです。
だからこそ、その感受性を変えてあげる、痛覚に対する
閾値(神経細胞が平常状態から活動状態へ転換するのに必要な
最低限の電気的信号の強さの値)を変えるためには、冷えの
治療をするととても良い、ということになります。
では実際、どのようにして冷えているかを確認するのでしょうか?
山口先生の所では、皮膚温度計を用いて確認をしているそうです。
測る場所は上腹部、下腹部。上腹部というのはみぞおちとへその
ちょうど中間辺り、下腹部というのはへそ下指4本分下の部分
辺りです。
そしてワキの下、足関節、足背部、側せんと数ヶ所に及びます。
ワキの下は普通の体温計、その他は皮膚温度計を用います。
レーザータイプのものもありますが、データが安定しない
そうなので使わないそうです。
では温度を測った時どういう場合が冷えている、
と判断できるのか、なのですが・・・
身体というのは法則があって温度は上から下にかけて下がります。
ワキの下は心臓に近いので温度が高く、その下に行くに従って
温度は低くなります。
足先の温度はワキ下の温度より約10℃低いのです。
これを踏まえて測った温度を見ると、温度が逆転してしまって
いるところがあればそこは冷えている、ということになります。
お腹でいえば、上腹部より下腹部のほうが温度が高い場合、
冷えている、と確認できるのです。
また温度自体をみたときに、表面の温度を測ることで身体の
中の温度を予測することができます。
表面の温度+3℃で大体の体内温度が予測可能なのです。
ノーマルな数値はお腹で大体36℃~37℃になるそうですが、
お腹の温度(上腹部など)が31℃位低いとかなりの危険信号
だそうです。必ず何らかの疾患を抱えているはずだし、
痛みの治療をしたとしても痛みが抜けないと考えられるのです。
Written by Keiko Kimura
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