冷え症対策セミナー ⑦ -冷えと身体の変化-
平成16年11月21日水道橋にて行われました、山口勝利先生の
講演内容をお伝えしています。
身体が冷えるとまず、内臓の温度が下がります。
内臓温が下がることを「冷え」と言います。
ここで、「冷え」と「冷え症」の違いを皆さんご存知ですか?
「冷え症」とは自分で冷えていることを認識していること。
「冷え」は認識していないこと。自覚がないのです。
寒い所にしばらくいると手先・足先が冷えてきます。
これは誰にでも起きる生理的な現象です。
なぜそうなるかと言うと、脳と内臓の温度を保つため、
守ろうとして血液が集中するためなのです。
ノーマルな人はこの状態から室温に戻ると血流が戻るので手足は
暖かくなります。
ところが、冷え症の人は室温に戻っても手足が冷たいままなのです。
「冷え」と言うのは「身体を冷やしてしまうこと」を意味するので、
自覚がある場合とない場合があります。
「冷え」を自覚できる人は対策ができるので良いですが、
自覚できない「冷え」が非常に問題になります。
山口先生の接骨院に来る患者さんなども、データを取ると自覚の
無い冷えがあった、と言う方が多いのだそうです。
ですので「冷え」と「冷え症」は別のものである、
と認識してほしいのだそうです。
お話を戻しましょう。
内臓温が低下するとどういうことが起きるのでしょうか?
① 痛み・コリを強く感じるようになります。
ひどい人だと1のものを50位にまで感じるようになります。
痛みに対して過剰に反応してしまうのです。
② 代謝が落ちる
1℃内臓温度が低下すると約12%代謝が落ちます。
では、1℃低下させるにはどうすればよいのでしょうか?
例えば、冷えたビールを一気に飲むと直腸温度で4℃位下がります。
アイスを食べても下がります。
通常は正常値にすぐ戻りますが繰り返せば内臓温度は下がってきます。
③ 免疫力低下
1℃で30%低下します。
小腸内には免疫細胞の70%が存在します。
なのでそこの温度が下がると免疫が十分に働かなくなります。
④ 内臓の働きが悪くなる
特に胃腸の働きが悪くなります。胃腸の働きが悪くなって
一番困ることは何でしょう。
それは「ボケ」ることです。「腸脳連絡」と言います。
「脳腸連絡」とも言います。
アメリカではアルツハイマーの患者さんの治療をする時に胃腸薬を
出すそうです。それで頭の働きを良くさせる、ということを実際に
行っています。
また、ボケている人は便秘がちだったりすることが多いそうです。
山口先生の所にも、最近おばあちゃんがボケたから診て欲しい、
と連れてこられることがあるとのこと。
そういう人の内臓温を上げてあげると1週間程度でウソのように
状態が良くなる、と言うようなことが良くあるそうです。
これは腸脳連絡を活性化させてあげることで起きるのです。
⑤ うつ
冬眠状態と同じなのでうつ傾向が強くなります。
冬眠状態と言うのは動きが活発ではなくなる、そういう意味になります。
ところで、人間は夏と冬、どちらがやせやすいでしょう。
人間は本来冬の方が痩せやすいのです。
実は冬の方が夏よりさらに10%代謝が上がるのです。
なのに、秋・冬に太る、という方がいます。
それは代謝が下がって太りやすくなってしまっているということなのです。
ダイエットが上手に出来ない、と言う方は代謝が落ちてしまっている
=内臓温が下がったと言えるのです。
山口先生の所に冷えの治療に来る方の半分はダイエットなのだそうです。
例えば、高齢者で股関節が悪い人や腰の痛みの抜けない人を
メディカルダイエットとして行っているそうです。
内臓温度が下がることで、例えばどこかに痛みがあり、
代謝が落ちて、免疫が下がって花粉症程度で熱が出たり、
アトピー性皮膚炎が突然発症したり、カゼが一年中治らなかったり
するようになるのです。
そして、冷えて内臓温が下がって①~⑤すべてが合わさった時、
人間は老化するのです。
今、アンチエイジングが叫ばれていますが、抗加齢医学をやるには
内臓温度を上げなければ何をしても意味がないのです。
Written by Keiko Kimura
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