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産熱と冷え

産熱と冷え

ヒトの体温はなぜ36℃なのでしょうか?

体の中の様々な代謝における化学反応は酵素によるものです

酵素はある一定の温度範囲内で効率よく働くので、その体温を維持することが不可欠で

脇の下の温度では36.0~36.7℃、深部体温である直腸温は37.0~37.5℃が正常です

そのためヒトにはこれらの体温を維持するために様々な産熱機構を持っています

walk.jpg


①基礎代謝量

代謝の際に産生されるエネルギーで、覚醒時の生体機能の維持に必要な代謝量を言います


②筋収縮による産熱

運動時などに骨格筋の収縮に伴って熱が発生します 姿勢の保持に関与する筋緊張でも熱を出します

また、寒い時には骨格筋が不随意に細かく律動的に収縮して、ふるえによって産熱が起こり

ふるえ産熱と呼びます


③食事誘発性産熱反応

食事後の数時間、消化管運動が高まり、吸収された物質の代謝が増加して熱が発生します


④非ふるえ産熱

筋肉の収縮によらず、代謝を高めて行う産熱を言い、肝臓などの臓器で起こります


⑤ホルモンの作用

甲状腺ホルモンには代謝促進作用があり、長時間にわたり熱産生を増大します

またカテコールアミン類は貯蔵糖であるグリコーゲンを分解して血糖を高め産熱を促します

また女性ホルモンの黄体ホルモンには代謝促進作用があり

排卵直後から月経に至るまでの間の基礎体温を上昇させます

体温.jpg



寒い時にはこれらの産熱の仕組みにくわえて身体の熱を放散されにくくする仕組みも働きます

皮膚血管を支配する交感神経の活動が高まり、皮膚血管は収縮して

皮膚血液量が減少し、体熱の放散が抑えられます



冷え症の多くはこの自律神経である交感神経の働きが過剰になってしまったり

うまく働かなくなってしまうことがあります

それによって過剰な収縮が血行を悪くしたり寒くても血管が収縮してくれないため

熱がどんどん体から逃げてしまうといったことが起こります

原因としてはエアコンなどの空調の進歩で

生体機能を使って体温調節をする機会が減って自律神経が鈍ってしまっていることや

ストレスによって交感神経が過剰に緊張していることが考えられます



エアコン.jpg


改善には、交感神経が集まる背中を中心に乾布摩擦を行ったり

お風呂と水風呂を交互に入ること(シャワーでも可)によって自律神経に刺激を与えて

鍛えたり、ストレスが強い場合には半身浴で緊張を解くなどの方法が有効です


冷えについてはこちら


Written by Keiichi Nakagome




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