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大友博之先生
渋谷セントラルクリニック 大友先生
後半 「人類を救う脂溶性ビタミンA&D」
2016年5月22日(日)10:00~17:00
「人類を救う脂溶性ビタミンA&D」
大友博之先生
○大友先生プロフィール
・慈恵医科大学卒業
・渋谷セントラルクリニック総院長
・医療コンサルティング会社CEO
・西洋医学的鍼治療普及協会理事
@AP渋谷道玄坂 渋東シネタワーGルーム
・脂溶性ビタミンにこだわるようになった背景
昔、自分は保守的な医者だったので、サプリメントがそこまで効くものだとは思っていなかった。また脂溶性ビタミンは、過剰摂取による副作用の問題などを気にするあまり、どうしても水溶性ビタミンばかりに頼っていた時期もあったが、実際に脂溶性ビタミンを使ってその効果を実感してしまうと、今ではビタミンAとD無しでは外来ができないといっても過言ではないという状態になっている。
現代社会では、有用なサプリメントを利用しなければ、未病や予防は難しい。その理由は、日本では緯度の問題でビタミンDはまず足りない。東京に住んでいれば食事から必要量を摂ることも難しく、サプリメントが必要になる。
恵比寿で臨床をしていた時には、運動だけでどれだけ良くなるのかということにチャレンジしていたが、サプリメントを扱うようになって、ライフスタイルの話をせざるを得なくなり、それ無しでは処方できないほど密接な関わりがあると感じた。
○慢性炎症は万病のもと
糖尿病、ガン、うつ、慢性疲労、心筋梗塞、アルツハイマー、パーキンソン病、リウマチなどの膠原病、神経障害性疼痛、筋肉痛などの原因には、必ずと言っていいほど慢性炎症が関わっている。したがって慢性炎症をコントロールすることが、全ての治療のプロセスをコントロールすると言ってもいいほどである。今までの医療では、これらの個々の病気に対して、抑えることばかりを中心に議論がされていたが、慢性炎症を考えていくことで、もう少し包括的に物事を捉えられるのではないかというのが、再生医療が発展して来たことによる最近のトレンドである。このような考え方は、日本語ではまだ論文などのデータがあまり見つからないほど、最新のものである。
・慢性炎症の原因
1. 高温調理(糖化ストレス)
2. 糖質過多
3. 肥満
4. 腸内環境
5. ストレス
6. エクササイズ過剰
これらに共通することは、酸化ストレスであり、身体が錆びるということである。例えばマラソンが終わった後の選手の状態を調べてみると、全ての生体機能、免疫力が下がっており、不整脈が出て、体内も強く酸化していることから、スポーツとしては良いとしても、酸化ストレスの面から見るとあまり良いものとは言えない。
・慢性炎症とは何か?
鍵になるのは、TNF-αという炎症性サイトカインである。これが多くあることによって
1. 成長ホルモンの分泌低下(老化の促進)
2. 肥満(インスリン抵抗性による)
3. うつ、元気が無くなる
4. リウマチ、膠原病、慢性の痛み
5. にきび、肌荒れ
6. ガンのリスクの上昇
7. 糖尿病、高血圧
などの影響が出てくる。この物質が作られる原因として
1. グルテン不耐
2. 乳糖不耐
3. 飲酒
4. コーヒー過剰
コーヒー自体(カフェイン)が問題ではなく、豆を運ぶ過程で何らかの菌に感染しているか、農薬によるエンドトキシン産生が原因ではないかと言われている。
5.腸内フローラの悪化
などがあり、これらが肝臓などで酸化ストレス起こり、炎症性サイトカインが作られるのではないかと考えられている。炎症性サイトカインが出ることによって、インスリン抵抗性が高まる→脂肪細胞が増える→TNF‐αが分泌される→さらにインスリン抵抗性が高まるという悪循環に陥る。
すなわちダイエットをすることの根底は、インスリン抵抗性をどう下げるかが最も重要なテーマであり、なぜ太っていることが健康に悪いのかということの根拠となるものである。
グルテンについては、最近ではテニスのジョコビッチ選手が話題になっている。彼はピザ屋の息子で、幼いころから自分の家のピザを食べて育ってきたが、小麦のタンパクであるグルテンと乳糖が豊富に含まれるピザなどの食品を止めることでとても調子が良くなり、パフォーマンスが上がったということが書かれた本がよく売れている。これは慢性炎症が減ったことによる作用である。
和食を摂ることで、グルテンはほぼゼロにできるので、しばらく続けて調子が良ければグルテン不耐の可能性がある。
TNF‐αの影響を一言で言うと、老化の促進である。
*サイトカイン
免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、標的細胞は特定されない情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが、特に免疫、炎症に関係したものが多い(Wikipediaより抜粋)
*エンドトキシン(内毒素)
内毒素とは、グラム陰性菌の細胞壁の成分であり積極的には分泌されない毒素を指す。英語名をそのまま用い、エンドトキシンとも呼ぶ(Wikipediaより抜粋)
・慢性炎症と痛み
筋筋膜痛、線維筋痛症の原因についてははっきりしていなかったが、2005年に
1. 骨格のゆがみ
2. 関節可動域の低下
3. 代謝的要素
貯蔵鉄であるフェリチンの減少。鉄の供給源は主に肉であるため、鉄が低い場合は、タンパク質も不足していることが多い。
4. 甲状腺機能の低下
5. ビタミンDの低下
が関わっていることが明らかになった。
例えば原因のはっきりしない慢性の腰痛があった時に、脳は痛みを感じた時に過去の記憶と今の状態を統合して痛みをつくっているが、これらの患者ではTNF‐αとインターロイキン6が上昇しており、慢性炎症があるということが疑われた。
このようなケースに対して徒手療、カウンセリングを30日間のプログラムで行ったところ、10日目まではTNF‐αが減少したものの、それ以降は変化が無かった。その理由はベースに体のどこかに慢性炎症があるか、それを処理できない状態になっていることが考えられる。その結果、症状は良くなっても、治療を止めるとまたすぐぶり返してしまうという状態に陥る。
したがって慢性の問題では、治療だけでなく、運動や食事といったアプローチを加えていかなければ良くならない。変形性膝関節症やうつ病などでもTNF-αが高くなっている。
○ビタミンA、ビタミンDの重要性
ビタミンA、ビタミンDは慢性炎症を抑える作用があり、使い方を間違えなければ薬よりも効くという印象がある。これらのビタミンは製薬会社が特許を取れないため、ナチュラルなものは薬ではなくサプリメントしか基本的には無い。活性型ビタミンDとして売られている薬は、それに似た物質でつくられたものである。ビタミンA、D、E、Kが脂溶性ビタミンで、細胞が正常に機能するために非常に重要である。
・ビタミンAと細胞の再生
1.成長ホルモンの産生を促す
2.抗酸化物質としてフリーラジカルによって生じる慢性炎症を抑える
3.皮膚や粘膜の維持
4.視覚の正常化、成長及び分化に関与(夜盲症、視覚障害、ドライアイ)
5.不妊症、不育症、PMS(月経前症候群)との強い関連(女性ホルモンの産生に関わる)
6.子供の正常な成長
7.味覚、嗅覚
・ビタミンAと免疫
1. 呼吸器感染症に対する抵抗力の獲得
2. ビタミンAクリームによる基底細胞がん予防
3. にきび、アトピーや乾癬のような皮膚症状の治療
4. 副鼻腔や気管支の感染症
5. 細胞、寄生虫感染症の予防及び回復
・ビタミンAと甲状腺
ビタミンAと甲状腺は強い相互関係にある。
甲状腺ホルモンの産生にはヨードが重要で、日本食にはヨードが豊富に含まれているため、不足することはないと言われてきたが、現在では腸内環境のことが取りざたされるようになり、食べたからと言って必ずしもそれが吸収されているとは限らないということが分かってきた。
ビタミンAと甲状腺の関連として
1. ヨードの吸収能力を高める
2. 甲状腺を活性化させる
体内に貯蔵されているFT4というホルモンの状態からFT3という実際に使われる形に変換する役割を持っている。ビタミンAが不足していると、甲状腺ホルモンは作られているが、働けないという状態になってしまう。
というものがあり、逆に甲状腺の機能が低下していると、肝臓と腸管の壁で植物性のビタミンAの原料であるβカロテンをビタミンAに変換できなくなる。このような状態の人(甲状腺機能が低下している人)では、皮膚が黄色っぽくなってくるという特徴がある。問診としては、最も典型的な症状である冷えやむくみが無いかをまず確認する。またアルコールを摂ることによって肝機能がアルコールの解毒の方を優先するため、ビタミンAへの変換機能が低下する。
腸内環境が悪化していると、ビタミンB の合成能力も下がってしまうだけでなく、ビタミンB1分解酵素であるアノイリナーゼ(チアミナーゼ)が作られる。したがって腸内環境が悪ければ、ビタミンはどんどん壊されるようになり、良ければ作られる方に働く。
*アノイリナーゼ(チアミナーゼ):ビタミンB1分解菌が寄生すると、この酵素が働き、腸管内で食物中のビタミンB1を破壊するため、ビタミンB1欠乏症の原因のひとつになる。(Wikipediaより抜粋)
・ビタミンAが不足している時の症状
1. 甲状腺機能低下症の症状がある
2. 風邪を引きやすい
3. 髪の毛が薄い
4. にきびが多い
5. ドライアイがひどい
6. 不妊症
これらが重なっていれば、不足の可能性がある。
・甲状腺機能が低下している時の症状
1. 冷え、むくみ
2. 便秘
3. 肥満
4. うつ
5. 記憶力、認知の低下
6. 爪割れ、肌の乾燥、薄い毛
病院で甲状腺機能を検査していたところ、正常と言われたというケースがよくあるが、正常の範囲がどれくらいあるのかということを認識しておく必要がある。限りなく異常に近い正常である場合、症状としてはすでに低下症と同程度のものになっていてもおかしくはない。甲状腺の機能自体は少なからず低下している。
また糖尿病があっても、ビタミンAへの変換機能は低下する。その結果、甲状腺の機能が低下し、余計に太りやすくなる→脂肪細胞からの炎症性サイトカインにより慢性炎症が起こり、さらに悪化するという悪循環に陥る。そのため糖質制限をする際にビタミンAをプラスするかどうかで結果は劇的に変わってくる。
*甲状腺ホルモンは、T3とT4があり、T3はT4の4~5倍の生理活性があり、甲状腺から分泌されるのは全体の約20%で、残りは末梢でT4からT3に変換される。T3の99%は甲状腺ホルモン結合タンパクであるTBG(Thyroxine Binding Globulin)、アルブミンと結合しており、結合していない0.3%の遊離T3(FT3)がホルモンとしての働きを発揮する。
・ビタミンAの供給源
ビタミンAの供給源は、卵、牛乳、レバー、肝油、クリームチーズ、バターなどの動物性のものであるため、脂肪の分解、吸収機能が低下している人(脂っぽいものを食べるとお腹を下す人など)では、ビタミンAをうまく吸収できていない可能性がある。
このような脂溶性ビタミンでは、過剰摂取の話題が必ずあがるが、実際は摂れていないケースがある。特に日本では乳糖不耐症が多いため、牛乳、クリームチーズからは摂取できない場合もある。
乳糖不耐症の人は、ビタミンAの前駆体であるβカロテンをホウレンソウ、サツマイモ、ニンジンなどから摂取する必要がある。
嚢胞性線維症という女性に多い乳房の線維症でも、ビタミンAは劇的に効果を示す(ヨードとの組み合わせが特に有効)。
・ビタミンAを積極的に摂るべきでない人
1. 妊娠希望の女性
2. 妊娠初期の女性
3. にきびの治療でビタミンAのクリームを使用している人
とされているが、妊娠している女性の30%がビタミンA不足に悩んでいるというデータもある。ビタミンAの過剰摂取は、胎児に奇形を生じるということが知られているが、ビタミンA不足の母親から生まれた子供は、正常に発育できないという事実もある。
一部の先進国を除いて発展途上国では特にビタミンAは足りない栄養素として認識されているため、積極的な摂取が勧められている。βカロテンの妊婦に対しての影響はまだ分かっていないが、喫煙者でβカロテンを多く摂っていると肺ガンのリスクが上がることが示唆されている。しかし、関係ないとするデータもあるため、議論が分かれるところである。
ビタミンAで処方した場合についても、今までは免疫力を上げるため有効だとされていたが、そうではないとするデータも出てきており、処方する際には喫煙以外にビタミンA不足が疑われる症状があるかを見極めて行っている。
このような患者の診方をする背景には、出身校である慈恵医大が、日本の医学部で唯一イギリス医学を教えている大学で、「病気を診ずに病人を診よ」というのがテーマになっているということがある。特に再生医療の分野でこの考え方は非常に重要であり、包括的に人を診る必要がある。そのため、これは絶対正しいということはなく、その人の症状を診て処方をして、効果を確認して、考えるというプロセスを踏んでいく。
ビタミンAの過剰害を疑う場合の指標として有効なのは頭痛で、
○ビタミンDについて
脂溶性ビタミンで、甲状腺や脳下垂体の機能維持に非常に重要な働きをしている。
ビタミンDは許容範囲が広いため、ビタミンAよりも扱いやすいという特徴がある。
・ビタミンDの効果
1. 骨粗鬆症
2. ガン予防
3. 筋量増加作用、脂肪抑制作用
4. 副甲状腺ホルモン産生、分泌抑制作用
5. 発毛調節作用
6. 免疫調節作用
7. 神経の修復
神経痛の治療薬として、リリカが処方されることが多いが、リリカはインスリン抵抗性が上がり、太りやすくなることが報告されており、もし薬が効いているのであれば、ビタミンD を足して、インスリン抵抗性を抑えるべきである。また神経の修復としてメチコバール(ビタミンB12)が処方されることがあるが、ビタミンBは12だけでなくコンプレックスとして摂らなければ効果が発揮されない。
・ビタミンDと慢性炎症
ビタミンDは慢性炎症(TNF-α)を抑える働きがある。
これを踏まえて、筋肉痛などの筋肉の治療をするためのポイントは
1. ビタミンDを摂る(サプリメントまたは日に浴びる)
2. 貯蔵鉄を増やす(肉を食べる)
3. 骨格筋を緩める(治療を受ける、ストレッチをする)
4. 筋トレをしてマイオカインを出す
うつ病の治療であっても行うことはほとんど同じである。
1. ビタミンDを摂らせてTNF-αを抑制
2. TNF-αを増やしてしまうような食生活を止めさせる
3. 腸内環境を整える(自分が吸収できない食べ物を見つける)
・くる病とビタミンD
80~90%は日光を浴びることによってつくられ、10~20%が食事から摂取するものである。食事で摂った場合はビタミンD2という状態であり、これをビタミンD3に変換する必要がある。
2005年のデータでは、ほとんどの日本人が日照時間に関わらず1年を通して必要量に達していないという結果が出た。
その結果として、若い女性が妊娠直後からずっと腰が痛いと訴えている場合、骨が折れていることもある。日に浴びるとシミになるということで、日光に当たらない、赤ちゃんに自分のカルシウムが栄養として奪われてしまうことなどが原因として考えられる(特発性若年性骨粗鬆症)。
*くる病
ビタミンD欠乏や代謝異常により生じる骨の石灰化障害である。典型的な病態は乳幼児の骨格異常で、小児期の病態を「くる病」、骨端線閉鎖が完了した後の病態を「骨軟化症」と呼び区別する。
後天的要因の典型的な原因は誤った生活習慣や食習慣で、紫外線の照射不足によるビタミンD欠乏により、カルシウムの吸収が進まないことや副甲状腺機能亢進症によるリン酸排泄量の過剰による。(Wikipediaより抜粋)
リウマチ、膠原病などは日に浴びてはいけないと言われているが、その場合、他の方法でビタミンDを入れてあげなければ圧倒的に量が足りなくなる。その結果、より一層炎症が悪化してしまう。
現在、大きな研究でガンのリスクを下げると確実に言われているのは、私の知る限りビタミンDのみである。脂溶性ビタミンとはいえ、4000IU程度を摂取させても、過剰な分は排出されることが分かってきており、過剰摂取よりも、不足が深刻な問題である。女性においては不妊症との関連も示唆されている。
・女性ホルモンとビタミンD
妊娠時は身体には非常に多くのストレスがかかっており、大量のTNF-αがつくられている。産後うつの原因もTNF-αではないかともいわれている。その他、妊娠に伴って起こる腱鞘炎や手根管症候群などについても、胎児という非自己を長期間抱えていることで、免疫反応が起こり、慢性炎症が起こり続けていることで発生する可能性がある。
ビタミンDと卵巣機能には密接な関係があり、性腺ホルモンなどのステロイドホルモンはコレステロールが原料になっており、そこにビタミンDがくっつくことによって黄体ホルモンがつくられる。
そのため、ビタミンDの不足がPMS(月経前症候群)や生理不順の原因になる。逆に生理周期がきちんとしている時は、黄体ホルモンが十分に出ているとも言える。
更年期障害の原因はエストロゲンの減少と言われているが、黄体ホルモンとのバランスが重要であり、閉経前に先に黄体ホルモンが減少し始めるため、それに合わせてエストロゲンが減少し始めると言われている。そのため、黄体ホルモンの分泌量を維持することが更年期の症状を予防、抑える上で大切である。最近では糖分が多く、ハイカロリーの食べ物や飲み物が増えており、1000kcalを軽く超えてしまうものもある。しかしヒトの体は一気に1000kcalのものを処理できるシステムが備わっていないため、どこかにひずみが来てしまう。
男性にも女性ホルモンはあり、慢性炎症があり、メタボリックシンドロームのような状態で皮下脂肪が増えているなど、女性ホルモンの量が多くなっている人の場合では、前立腺のリスクが高まることが分かっている。皮下脂肪からもエストロゲンが分泌されることが分かっており、更年期の女性に脂肪が付きやすい原因として、卵巣での分泌量低下を皮下脂肪からのホルモン分泌によって補っているということがある。皮下脂肪と内臓脂肪は、同じ脂肪細胞ではあるものの、機能的には全く異なるものであり、分泌されるサイトカインも異なっている。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とビタミンD
診断基準
1. 生理不順がある
2. 多嚢胞卵巣のエコー所見
3. 血中男性ホルモンが高値、または黄体ホルモンが高値で卵胞刺激ホルモンが正常
欧米では、これらの診断基準のうちの2つを満たせばPCOSと診断されるが、日本では産婦人科の力が強く、3つすべてを満たさなければ、PCOSと診断されない。
そのため実際には、ニキビの治りが悪く、毛深いといった症状があればPCOSによるものである可能性も多い。原因は解明されていないが血糖を下げるホルモンに異常があるのではないかと言われている。
これは10人に1人が抱えている問題で(糖尿病の有病率と同じ)、隠れてしまっていて見つけられていない例も多い。乳がんのリスクが5~6倍になることから、早めの治療が重要である。適切に治療を行い、ライフスタイルを変えていければ、半年から1年で劇的に改善する。
この病気に対しても、ビタミンDの有効性が確認されており、一日6000IUを一か月処方したところ、卵巣年齢の指標であるAMH(Anti-Mullerian Hormone:抗ミューラー管ホルモン)の値が上昇し、卵巣が若返ったという結果が出た。産婦人科の先生はこの値は戻らないとしているが、私のクリニックではビタミンDを加えるだけで何人もの人の値が改善しており、不妊にも良い結果が出ている。
また、ビタミンAとDが多いと頭の良い子が生まれるという研究もある。
PCOSのリスクとして
1. 心臓、血管系の病気
2. 肥満
3. 糖尿病
4. 高血圧
5. 子宮体ガン
6. 乳ガン
7. 抑うつ、不安症
*多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic Ovarian Syndrome):卵巣の表面が肥厚し、排卵が行われず、滞留した卵胞によって卵巣が多嚢胞化するもの。場合によってはホルモンバランスが崩れることにより、声が低くなり、髭が生えてくるなど、患者の容姿が男性化するため、奇異の目にさらされることがある。(Wikipediaより抜粋)
・男性ホルモンとビタミンD
日本には男性ホルモンが低下している人が多く、ビタミンDが不足すると、男性ホルモン量が低下する。クリニックでは、始め男性ホルモンを処方しているが、だんだんとビタミンDだけでコントロールできるようになってくる。
日焼けしている人の方がなんとなく強そうだというイメージから始まった研究では、沿岸部の人は内陸部の人に比べて圧倒的に男性ホルモンが多く、ビタミンDとの関連が明らかになった。
・インスリン抵抗性とビタミンD
メタボリックシンドロームの原因にインスリン抵抗性があり、インスリンがたくさん出るほど太る、老化する、ガンになる。そのため、これらを予防するにはインスリンの効きを良くする必要がある。
インスリン抵抗性を改善すると言われているのは、ビタミンDとカルシウムである。これらは単一ではなく、組み合わせることで効果を発揮する。それにより、糖尿病のリスクの低下、メタボリックシンドロームの予防にも有効である。また、中性脂肪が高いという人についてもビタミンDの不足が考えられるため、最近、花粉症がひどくなってないかなどの免疫に関わることや元気が無くなってきた、筋肉が減ってきたなど問診で確認していく。ビタミンD不足が認められた人では、600IU(15~20㎍)程度摂取できると良いとされているが、実際は7~8㎍しか摂れていないと言われている。十分量を摂るためにはサプリメントを上手に使っていく必要がある。
・インスリン抵抗性と糖尿病
摂取カロリーと糖尿病の関係を調べたデータでは、高度成長期をピークに摂取カロリーが高くなり、それ以降は下がってきているにも関わらず、糖尿病の罹患率は高くなっており、糖尿病の原因はカロリーの量だけではないということが明らかになってきた。
考えられる要因としては、食事の内容の変化があり、かつての日本人は穀物(五穀米、玄米)を摂取する割合が高く、それらに含まれる成分が腸内環境を良好に保っていたが、動物性脂肪(飽和脂肪酸)や白米の摂取が増えたことにより、日和見菌が悪玉菌優位となり、炎症が起こる。そこからインスリン抵抗性が起こってくることが問題になっている。運動をしていたり、ビタミンDを摂っていれば、自分の体で炎症を抑えることができるので、太りにくくなる。カロリーを制限しているにも関わらず、痩せないという場合はインスリン抵抗性が疑われるため、まず腸内環境を整えていくことが重要である。
糖質制限はインスリンを出させないための食事であるため、有効である。
・ビタミンDを満たすために
体内のビタミンDの80%は日光に当たることで合成されるが、実際に当たる時間は10分ほどで良い。
また室内でも窓越しに光が入ってきていれば、露出の多めの服を着て浴びることで同等の効果が得られるとされている。食材としては、きくらげがビタミンDだけでなくβカロテンも高く、食物繊維が腸内環境も整えるという点で、良い食材である。
ビタミンDの合成に寄与している紫外線は主にB波で、直射日光を浴びる必要は無く、陰日でもいいので10分程度当たることが有効である。しかし、加齢によって紫外線からビタミンDへの合成能力は低下してしまう。さらに高齢者では室内の移動が主になり、一層日を浴びる機会が少なくなることでビタミンDが不足しているケースが非常に多い。
ビタミンDが増やしてしまうガンが2種類あり、一つが前立腺ガン、もう一つがメラノーマであるが、賛否両論ある。
*インスリン抵抗性:正常よりもインスリンをたくさん出さなければ、正常時と同様に血糖を下げることができなくなってしまった状態。
・サプリメントの導入
私のために選んでくれたというスタンスが最も重要。最終的にはどんなに高い検査をするよりも、聴診器を当てて、そのドクターの手で検査をしてもらった方が絶対に患者さんの信頼度は高くなる。
リピートしてくれるということは営業的に必要と言うだけでなく、効果があったのか無かったのかを知る上できちんと記録しておく必要がある。
サプリメントを取り入れて、実際に体が変化してくるまでには、血液のターンオーバーなどを考えると2~3か月はかかるということを説明しておく。
・サプリメントとニーズの重要性
何を処方するのかで最も重要なことは、ニーズを読み違えないということである。その決め手になるのは採血結果ではなく、問診票であり、冷え症があるのか、月経不順があるのか、最後に何を希望するのかということを徹底的に訊いていく。そこにあるものをいかに探し出すかが、きちんとリピートしてくれるポイントである。話もニーズに合っていなければ、いくら長く話しても患者さんには響かない。
そして良くなったかどうかを確認する。それは「病気ではなく、病人を診る」という観点から、採血結果ではなく症状を大事する。患者さんは、良くなっていても痛みがあれば痛いと言ってきたり、全く良くならないと訴えることがあっても、アンケートを細かく取ってみると今まで500m歩くのができないと言っていたのが、痛みはあるけれども1500m歩けるようになっていたりということはよくある。
始めにしつこいほどアンケートで聞いておくと、主訴以外にその人を取り巻く色々な問題が浮き彫りになるため、不足している栄養についてなどの話がスムーズにできるようになるというメリットがある。
○月商50万円からのドタバタ繁盛記
・開業と移転までの流れ
慈恵医大には東洋医学外来というものがあり、大学を卒業して週に一度、鍼治療の外来で働いており、そこの師匠から駅から徒歩一分以内のところに開業しなさいという話をされたことを信じて、恵比寿駅から徒歩1分のところに開業。
このクリニックをつくる時には、何人かの若手が集まって、こんなことをしたら面白そうだという案を出し合っていたが、そこで挙がった共通の話題が「運動」であった。現在は渋谷セントラルクリニックという名前で営業しているが、当初はドクターズジムというキャッシュでお医者さんがジムをやったらどれだけ面白いことができるんだろうという考えからスタートした。
そこで加圧トレーニングの有名なジムをいくつか回って体験したところ、どこもひどい筋肉痛が出て二度と行きたくないと思うほどであったが、試行錯誤をして実際に患者さんで行ってみたところ、痛みが楽になったという人も出るようになり、どんどんやり方を工夫していくようになった。しかし、1~2か月は売り上げが50万円ほどしかいかなかった。当初はエクササイズだけできればいいと考えていたので、加圧トレーニングと加速度トレーニングマシン、高負荷の有酸素運動マシンだけで営業していた。ある程度お客さんが増えてきたこととエクササイズの限界も知ることができたので、渋谷に移り、ライフスタイルを変えていくことに重きを置いたクリニックを開院。
始めはダイエットを希望する方が非常に多く、加圧トレーニングと糖質制限を行うことで、70%の人には大きな結果が出たが、効果の出ない30%の人に対して非常に悩んでいた。
そのような人に対しては、食事を徹底的に見直そうということで、毎日献立をメールで送ってもらうなどの管理をして、10%は改善することができた。しかしやはり残りの20%の人は、高いお金を払ってもらっている割に効果が出ないという状態で、なにかこの人たちには共通点があるのではないかと考えていたところ、一つ気づいたことはこの方たちはトレーニングを始める前からすでに「疲れている」ということであった。そのため点滴を変えたり、サプリメントを変えたりと色々と試していたところ、アメリカの学会で、脂溶性ビタミンとホルモンが重要であるということを知り、クリニックに来ているお客さんの成長ホルモンの値はどうなっているのかを測ってみることにした。
その結果、痩せない人、朝起きれない、イライラする人は軒並み成長ホルモンの値が低いことが分かった。このような人たちは、本来成長ホルモン分泌が飛躍的に高まるはずの加圧トレーニング後に測っても値が全く変わらなかった。
現在は食事などを含めた包括的なアプローチとして、料理教室もやっており、若い人たちが全然料理ができないことに驚いたと同時に食事療法は意味が無いということにも気づかされた。あれを食べなさい、これを摂りなさいといっても、その食材をデパートやコンビニで買うという頭しかなく、自分で手を動かして何かをつくるということはほとんどない。その穴を埋める上でもサプリメントは重要。
・これからのライフスタイルのデザイン
現在は年に6回ほど海外に行くが、そこで感じることは、明らかにアンチエイジングではなく、機能を戻すというエイジリバーサルの時代に入ってきているということである。痛みのあった人が痛みが無い、杖をついている人の杖が要らなくなる、若返りたいということを望む人が増えている。
これからはよりホリスティックな医療が重要になっていき、スマートフォンで自分の体の状態を検査できるようなソフトが出来上がりつつあるため、医療機関で高額な検査を受けるという人は減っていくと考えられる。そのため、ライフスタイルの組み合わせをいかにして提供できるかが重要である。
商材について最も重要視しているのはやはり安全性で、その次に効果、次にその商品を安定供給できるかということである。
「成長ホルモンから読み解く攻めのアンチエイジング」
2016.5.22
「成長ホルモンから読み解く攻めのアンチエイジング」
大友博之先生
○大友先生プロフィール
・慈恵医科大学卒業
・渋谷セントラルクリニック総院長
・医療コンサルティング会社CEO
・西洋医学的鍼治療普及協会理事
@AP渋谷道玄坂 渋東シネタワーGルーム
麻酔科で痛みについての研究を行っていたが、臨床をしていくうちに「運動をしてください」などアドバイスをして、注射をしたり、薬を処方したりという関係を続けていくということに疑問を感じていた。
運動すれば良くなるはずだが、運動をしないので良くならないという患者に対して、本当に運動をすれば良くなるのかということを確かめたいという気持ちからライフスタイルに対するアプローチをしてみたいと思うようになったことがアンチエイジングについて考えるようになったきっかけである。
○2016年の医療
2016年は医療が劇的に進歩する年になるのではないかと考えている。医療そのものの進歩だけではなく、政治、社会的にも大きな変革がある。
医療の面では、検査のIT化が進み、今まではドクターが問診で「夜寝れていますか?どれくらい運動していますか?」と訊いていたものが、スマートフォンを利用して、簡単に一日の中での心拍の変化や運動量、睡眠の質などのをモニターできるようになった。例えば、一日1キロ歩く習慣があるという人であっても、それが家からコンビニを行き来するだけということであれば、人と会って話したりといった社会との関わりはほとんどないということも見えてくる。
・ライフスタイル医療の重要性
今までは糖尿病であればインスリン注射をして、それをずっと続けていかなければならなかったものがこれからは膵臓を再生できるようになり、もう一度自分の体でインスリンを分泌できるようになる。
そうなると同じライフスタイルでは、再び糖尿病になってしまうため、ライフスタイルを変えていく必要が出てくる。
このようなアンチエイジングの医療ではライフスタイルの医療が非常に重要になり、この分野は医者が一番苦手な部分でもある。今まで3分診療で検査結果を見て、薬を出すというだけではなく、ライフスタイルに対してその人に必要なことをアドバイスをするといったアプローチが必要。
再生医療や免疫療法などの最先端療法は、注入された細胞が活かされるためには健康的な身体が重要である。
○生物・心理・社会的モデルに基づくアプローチ
・生物モデルからのアプローチ
身体の疲れ、身体を鍛えたい、デトックス(腸管、有害金属)、栄養失調(サプリメント)、美容
・心理、社会モデルからのアプローチ
癒し、デジタルデトックス(スマホ依存)、人とのつながり
ヨーロッパでは、このようなモデルに基づいたアプローチが盛んに行われており、スウェーデンでは、リゾート施設のようなところで自由に絵を描いたり、運動をしたり、人と話したりすることで自分のライフスタイルを取り戻すことができ、慢性痛が治ったり、肥満が解消したりといった効果を上げている。
この施設では、ほとんど薬を使わずにうつ症状を抱えていた人の80%の人が仕事に復帰できているという。これは日本ではまずあり得ない数字である。
痛みという一つの症状についても、単純に組織の損傷で起きているというだけではなく、様々なストレスのはけ口またはメッセージとして痛みを生じさせているということもある。
例として裁判をしている人の痛みは取れない。遺産相続で親戚と揉めている時には、そのストレスで痛みが生じていたり、増幅していることが多く、それが解消されない限り痛みは取れない。
そのような大きな背景を見ずに治療をしていると、より強い薬や治療法を選択するようになり、一層深みにはまり、治りが悪くなることが多い。
したがって患者さんと接する時には、患者さん本人が気づいていないけれどもしてほしいと思っていることにドクターが気づき、それを提案することができるかが重要であり、それが最も患者さんも腑に落ちるプランになる。
・メンタルヘルスの重要性
ライフスタイルの改善のためにはメンタルヘルス(コーチング)が重要であるが、日本では、精神科に行くことはハードルが高く、周りの人の目も気になってしまい、システムとしても成熟していないのが現状である。抗うつう状態が認められるケースの半数近くは治療を受けていない。
○成長ホルモンから読み解く攻めのアンチエイジング
・エイジング(老化)とは何か?
太った、代謝が落ちた、肌のコンディションが悪くなった、痛みが取れない、元気が無くなった(慢性疲労)、新しいことがしたくない
→アンチエイジングとはエイジングのプロセスを変える事
過去の自分と比べてどうなのか。
・世界のアンチエイジング
国民性、医療経済によってアンチエイジングに求める要件は異なる。
アメリカ:予防医学
ヨーロッパ:機能性医学、美容治療
日本:予防医学、美容治療
アジア:美容治療
アメリカは、狭心症になると治療費が約2000万円かかると言われるほど医療費が高いことから、アンチエイジングというとほとんどの人が予防医学と答える。ヨーロッパは、皆保険制度であるため、もっと美しく生きたいとか性的な機能に対して行うものというイメージを持っている。日本では、医者の認識は予防医学だが、一般の人の認識は若々しくいるということになっている傾向がある。
最終的な目標は、楽しく元気に生きれているということであり、入り口は何でもいい。痩せたいと思ってきた人が痩せたころには、元々持っていた腰痛や肩こりもなぜか無くなっている、痛みの治療で来ていたが、治療をしているうちに肌の調子も良くなってきた、気分が元気になってきたといったような状態が理想。元々契約関係(痛みを取る、痩せる)を超えた部分にアプローチできることがこれからのアンチエイジングではないかと考えている。
医療者が行うアンチエイジングのほとんどはスパメディスンであり、昔でいう養生である(食事に気を付ける、運動をする、マッサージを受ける、デトックスなど)。内科的なアンチエイジングとしてはホルモンを出すということがメジャーであるが、今後はそれらがすべて変わり、再生医療や免疫療法といった分野が幅をきかせるようになる。
・2016年AMBC(世界アンチエイジング学会)
モナコで1年に一回大きな学会であり、ここでこの先5年くらいのアンチエイジングの流れが決まっていく。
今、医療業界で流行っている言葉に「ザルにシャンパーニュ」という言葉があり、ベースが整っていなければ、何をしても意味が無いということを示している。例えば変形性膝関節症の患者さんにヒアルロン酸の注射をして、その後効果が無いので次に手術をして人工関節をするという選択肢だったものが、今後はすり減った軟骨を再生させる因子を注入するといった治療がメジャーになってくる。その際に体重が重い場合(ベースが整っていない状態)には、そういった因子を入れたとしてもうまく機能しない。
または体のどこかに慢性炎症がある場合には、再生因子を入れたとしてもうまく生着しないということがある。
したがって、再生医療や免疫療法などの最先端療法は注入された細胞がきちんと活かされるために健康的な身体というベースが必要になる。そのためにはアンチエイジングを超えたライフスタイルの見直しによる〝エイジリバーサル(若返り)″が成功のカギになる。
この若返りが攻めのアンチエイジングである。
・従来のアンチエイジングの評価
アンケート、血管年齢、骨年齢、肌年齢、心肺機能など、これらを包括して正しく評価するためにホルモンが重要。例えば脳の松果体から出るメラトニンというホルモンが質の良い睡眠をするために重要であったり、冷え症があれば、甲状腺機能の問題によるホルモンバランスの乱れが考えられる。
したがって太った、疲れやすくなったとか骨がもろくなったとか様々な症状の背景のほとんどが、ホルモン分泌が低下しているかホルモンが働かなくなっているかのどちらかが影響している。
・ホルモンとは?
生体の機能を発現させ、生物の正常な状態を支える重要な役割を担うため、ホルモンを総合的に評価するホルモン年齢を考慮する必要がある。
・AMWCで提唱された身体を若返らせるライフスタイル
1.良質なたんぱく質(アミノ酸)の摂取
2.良質な睡眠
3.筋力トレーニング、適度な有酸素運動
4.オーガニック食品の摂取
5.禁煙
6.ストレスなく気分よく生活すること
7.腸内環境が良いこと
このようなライフスタイルは、脳内で成長ホルモンの分泌を高めることができる。
成長ホルモンは、最低な機能を失った古い細胞に対して、細胞の修復、再成長、若返りに寄与している。
・成長ホルモンの働き
1.体脂肪の減少
2.気分の改善
3.体力の増強、筋力の向上による姿勢の改善
4.睡眠効率が改善
5.肌の改善
6.運動能力の向上
7.狭心症、脳卒中などの罹患率の低下
8.記憶力、集中力の増加
9.免疫反応の改善
10.消化力の促進
11.排尿機能の改善
12.ガン罹患率の低下
13.性的能力の向上
14.病気やケガからの回復
ホルモンは見た目にも非常に影響を与えるため、顔を見ればその人の成長ホルモンの状態を推し量ることができる。
成長ホルモンがうまく効いていないという見た目の特徴として、全体的に髪が薄くなる、目の周り(垂れたまぶた、細かいシワ)、たるんだ頬、薄い唇、顎のラインがのっぺりしている、歯の間の隙間、輝きを失った目などがある。
人間がなぜ若返ろうとする(エステに通う、化粧をする)のかというと、見た目が若いということは生物学的にその個体が若いということを私たちは本能的に知っているからである。
・薬剤による成長ホルモン補充療法の効果
90年代のアメリカで流行し、成長ホルモンを補充することで、60歳以上の男性200名のデータでは、筋力1.88倍、対疾病抵抗力1.71倍、皮膚の厚さ1.68倍、シワの数0.51倍、頭髪新生1.38倍、性交渉回数1.75倍、勃起持続時間1.62倍、夜間頻尿0.57倍という結果が出ている。
しかし、アスリートのドーピングや女性ホルモンが乳がんのリスクを増加させるという可能性などが示唆されて、21世紀初頭には、ホルモン補充療法は減少した(90年代広範には4人に1人の女性がホルモン補充療法をしていた)。
・成長ホルモンは年を取ると分泌できなくなるのか?
注射をしなければ成長ホルモンを増やす方法は無いのかというと、答えはノーである。
脳の下垂体細胞は、加齢しても成長ホルモンを分泌することができる。しかし、採血をしてみると、20代でも80歳代のホルモンレベルの人もいれば、80代でも20歳代のホルモンレベルの人もいたりと個人個人で差が大きい。細胞は永久にホルモンを分泌できるはずなのにこのような数値のばらつきがあるということには何かしらの原因がある。
それに気づいたのは、慈恵医大の痛み外来で加圧トレーニングを行っていた時に、トレーニング効果(痩せたり、筋力が増えたりといった変化)がはっきり出る人と出ない人がいた。そこで実際にホルモン量を測ってみると、元々の成長ホルモンの量が非常に低いというデータが得られた。このことから元々のライフスタイルの中で運動習慣があったり、アクティブに活動している人では、トレーニングの反応が良いが、そのような環境でない人では効果が出にくいということが分かった。
このような人に共通するのは、体のどこかに慢性の炎症があるということであり、それが筋肉にあれば筋肉の痛みやだるさ、血管にあれば動脈硬化、脳にあればうつ症状、肌にあればアトピーなどといった状態になり、結果的に免疫力が非常に低くなってしまう。そのため、少し運動をしただけでは、正常に成長ホルモンが分泌されず、ノーマルの状態にはなかなか戻らなくなっている。
成長ホルモンが低い状態では、細胞の再生能力が低いため、エステで皮膚を刺激したり、トレーニングで筋肉を刺激したとしても、そこから回復する力が弱いために色々なことをした割に結果が出ない。したがって効果が出ない人については養生(ライフスタイルを変えること)が必要である。
・ホメオスタシス(恒常性維持機能、生体恒常性)
ホメオスタシスはホルモン、免疫の司令塔である神経系(自律神経系)、免疫、ホルモンの関係が重要。多くの人で免疫が低いとホルモンも低くなっている。
・成長ホルモン分泌を高める組み合わせ
1.運動
2.栄養
3.免疫力を高める(腸内環境を整える、睡眠)
4.デトックス
5.笑いや楽しみのある生活:オキシトシンの分泌が促され、イライラが鎮まる(30秒以上抱き合うことでも分泌される)
運動が良いことは分かっていても、いきなり「運動をしてください」と言ってもやってくれないことが多いため、まずできることからやってもらい、その契約を全うしてもらうことを最優先するべきである。
水を飲むことが重要であり、加齢とともに水を体内に溜めておくバゾプレッシンなどのホルモンが減っていくため、ジェットラグのような症状(気圧の変化でバゾプレッシンの分泌量は低下する)が出てしまう。また脱水の状態では、脳に血液を送るために交感神経を優位にして、心拍数を上げ、血管を収縮させる。
慢性炎症や長期間のストレスによって交感神経が緊張している状態が続くと、ストレッサーを取り除くだけでは解決しないことが多い。例えば職場の対人関係に悩んでストレスを抱えている場合、仕事を辞めれば良くなると一般的には思われているが、それでも変化が無いことあり、その場合はホルモン、免疫系からのアプローチも行っていかなければ戻らない。
逆に現代は、副交感神経が優位になりすぎていることも多く、その場合はアレルギーや自己免疫疾患が多くなる。ドライアイや花粉症を併発している場合は、ビタミンAやDといった栄養からのアプローチも重要になる。
○アンチエイジングとエクササイズ
・エクササイズの種類
1.有酸素運動
2.筋力トレーニング
3.バランストレーニング(コアトレーニング)
4.柔軟(ストレッチング)
バランストレーニングが非常に重要で、寝たきりの原因は高血圧と転倒による骨折がほぼ同数である。
そのため、ずっと高血圧の薬を飲んでいた人も一度転倒してしまうとそれが命取りになってしまうことも多い。バランスを崩した時に素早く反応できる能力を鍛えておくことは、ある意味究極のトレーニングと言えるかもしれない。
筋力トレーニングを行うことで乳酸が蓄積し、それが刺激となって脳下垂体から成長ホルモンが分泌されるというプロセスがアンチエイジングを行う上で最も大切なことだが、加えて筋肉自体から分泌されるサイトカインが炎症を抑える働きが分かってきた。このことから、筋肉は究極の内分泌臓器ではないかと言われている。
脚が痛いという人がいた時に、柔軟性を高めるストレッチなどを行うことは素晴らしいことだが、もし下肢に慢性の炎症がある場合には、上半身に対しては筋力トレーニングを積極的に行い、サイトカインによって抗炎症を促すことが有効であると考えらえる。またこの筋肉から分泌されるサイトカインは、筋肉だけでなく肌など全身に効くものである。
*サイトカイン
免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、標的細胞は特定されない情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが、特に免疫、炎症に関係したものが多い(Wikipediaより抜粋)
・筋力トレーニングのメリット
筋量は年間0.5~1%ずつ低下していき、特に30代からの減少が著しいため、その時にどれだけ蓄えておけるかが重要である。筋量を維持することのメリットには以下のようなものある。
1.活動量を維持できる(遠くまで行ける)
2.姿勢を維持できる
3.痛みの予防
4.転倒の防止
筋力トレーニングをすることを医療費に換算すると30~40万円/月程度になる。その理由はTNFという炎症を引き起こす物質があり、これを抑えるための免疫製剤を使うと、月に30~40万円かかることに起因する。本来、薬を使わなくても、筋力トレーニングをすることでTNFを抑えることができるということである。
運動不足は、サルコぺニアと言われており、これにより危惧されるのは筋量が減ることよりも、筋肉内でエネルギーを作り出す源であるミトコンドリアが減ってしまうことが最も重大な問題である。
ミトコンドリアの減少によって、力が入りにくくなったり、ムキムキな割に筋力が無いといった状態に陥る。見かけだけではなく、筋肉の性能に注目していくと、栄養やホルモンといった部分へのアプローチが重要になってくる。
*サルコぺニア
進行性及び全身性の骨格筋量及び骨格筋力の低下を特徴とする症候群。
加圧トレーニングを始めるにあたって、トレーニングを行うと15分後に成長ホルモンの分泌が著しく高まるという論文が東大から出されていたが、この結果は健康な人ではその通りになるが、加齢やどこかに慢性炎症を抱えている人で同じ結果が出るかと言うと答えはノーである。
ベースがきちんとしていれば、成長ホルモンを出すためのトレーニングは加圧トレーニングだけでなく、加速度トレーニングやフリーウェイトでも可能である。しかし軽い負荷でいくら行っても分泌はされないため、ある程度の負荷で行う必要がある。
筋肉は様々な成長因子を分泌するが、その中にミオスタチンというものがあり、筋肉の成長を抑制する作用がある。筋力トレーニングを行うことでこのミオスタチンをブロックすることができる。
もしミオスタチンがなければ筋肉は壊されることが無いため、どんどん増殖していくことになる。
マウスにミオスタチン阻害薬を投与すると、体の大きさが筋肉によって2倍になったというデータがある。スイスの製薬会社が2011年アメリカ抗加齢医学会でミオスタチン阻害ペプチドを発表した。
当院の顧客で、東京マラソンに出るという人にこれを注射すると、マラソン後でも筋肉痛が全く起こらなかったという効果が得られている。
骨粗鬆症の薬として使用されているビスホスホネートでは、骨の分解を抑えることで質の悪い骨が残り、骨強度が低下したというデータがあるが、ミオスタチン阻害ペプチドの場合は、永久に効果があった。
筋肉の質に関しては、まだ解明されていないが、筋量が多いことによって内分泌作用は高まるため、有用であると考えられる。
*ビスホスホネート
破骨細胞の活動を阻害し、骨の吸収を防ぐ医薬品(Wikipediaより抜粋)
筋トレーニング後の体内の変化として、インターロイキン6、インターロイキン15が筋線維から分泌され、これらはマイオカインと言われている。マイオカインは全身的な抗炎症作用、脂肪分解作用、血圧の安定、血糖代謝の改善作用の他、血管を新生する働きを持つVEGFという成長因子の生成も増やすことから動脈硬化の予防作用も持っている。
・有酸素運動のメリット
心臓と肺の機能を上げること
1.全死亡率の低下
2.循環器疾患による死亡率の低下
3.がん死亡率の低下
4.生活習慣病の発症の低下
5.認知症発症の低下
6.精神の安定、記憶力、スタミナとの関連
人間は最後、肺炎で亡くなることが多いが、これは肺が炎症を抑える臓器だからである。肺が悪くなると、炎症を抑えるためのフィルターが働かなくなり、炎症を抑えきれなくなり、肺自体が炎症に陥り、血中に酸素を送れなくなり、亡くなってしまう。すなわち心肺機能が高ければ、抗炎症作用も高いと言える。
有酸素運動は、ミトコンドリアを増やすことによって、成長ホルモンの分泌を促す、酸化ストレスの原因となる活性酸を抑える働きなどがある。心肺機能を最も下げるのは喫煙であるため、禁煙は必須である。
・有酸素運動の進め方
歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日約60分以上行う。歩数で1日あたり約8000~10000歩、息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う。65歳以上の高齢者では、横になったままや座ったままにならなければどんな動きでも構わないので身体活動を毎日40分行うことを目指す。
現在の身体活動量を少しでも増やす。今より毎日10分ずつ長く歩くなど。
*健康づくりのための運動指針2013より
実際、毎日欠かさず60分運動をするというのは難しいことも多いが、このような指針は、若い人から高齢者まで万人が安全に行えるメニューで構成されるため、歩行という安全な強度の運動では60分程度の時間が必要になってしまう。若い人では、より高い負荷で行えばより短時間でも良い。
高血圧の人が楽なスピードで歩いても、血圧に変化は出ないが、少し早いスピードで行うことで血圧が下がってくるということから、今の自分に少し辛い負荷をかけることが重要(週2~3回、20分で良い)。
マラソンなどの長距離走をしている人は、心肺機能が高く、スタミナはあるが、成長ホルモンについては軒並み低いというデータがある。
・成長ホルモンを高める運動の力
新しい概念として、短時間の高負荷有酸素運動は疾病の治療に有効である。ただし、高血圧、心臓疾患、糖尿病の方は必ず医師の運動処方に従って行う。
重量挙げやレジスタンス運動など高強度の運動を週に2~3回。
最も重いバーベルを自分で6回挙げる方が、軽いものを上げるよりは15倍もの成長ホルモンが分泌される。効率的に成長ホルモンを分泌させるという観点からは容積が5倍以上ある下半身のトレーニングを重視するべきである。週に2回以上の短距離走やテニスもまた成長ホルモンを上げる作用がある。
運動をすることで乳酸が溜まり、筋肉を壊してしまうのはもったいないことで、振動を使ったトレーニングなどで血流を良くし、脳に届けることでより高い成長ホルモン分泌が期待できる。
・組み合わせのアンチエイジング
ヒト成長因子(hGf)は21世紀における究極の天然成長ホルモンの遊離物質で、ビタミン、ミネラル、ホルモン前駆体やハーブなどと組み合わせるほど分泌が促進される。これによりバランスのとれた細胞内環境を作り出し、若々しい代謝レベルやホルモンレベルを高める。
1.ビタミン類
ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、イノシトールヘキサニコチン酸
2.ミネラル類
クロム、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素
3.アミノ酸類
グルタミン、L-カルニチン、アルギニン、GABA、タウリン、リジン、オルニチン
4.ホルモン類
DHEA、プログネノロン(副腎皮質から分泌)、メラトニン(松果体から分泌)
5.必須栄養素
ウシ初乳
6.ハーブ、植物類
フォルスコリ、朝鮮ニンジン、ナツメ、野生ヤムイモ、クコの実など
免疫力が低い人ではDHEAの元になる物質が減ってしまう。免疫力が低いと成長ホルモンがうまく分泌されない。フォルスコリは成長ホルモンブースターとして知られている。
・トレーニングとタンパク質摂取
トレーニングをする上でのタンパク質の摂取の仕方は、目指す身体によって変わる。摂取したタンパク質が使われる順番は
1.肝臓
2.筋肉
3.皮膚、髪、爪
となっている。したがって一気に摂取してもほとんどは内臓に行ってしまうため、数回に分けて摂取することで筋肉や美容に関わる部分にも届けることができるようになる。そのため基本的には毎食摂るべきである。生の食品でプロテインスコアが100になっているのは卵のみ。運動の30~1時間前にアミノ酸を摂取することで筋肉痛を大幅に減少させることができる。
特に重要なアミノ酸としてはグルタミンがある。グルタミンの主な作用は
1.免疫細胞に作用し、腸管免疫を上げる
2.タンパク質合成
3.線維芽細胞に働き、コラーゲン合成を高める
4.消化管に働き、粘膜を強化する
もう一つ重要なアミノ酸はアルギニンで、成長ホルモンが正常に分泌されているかを診るアルギニンテストでは、アルギニンを飲んで30~1時間後に血中の成長ホルモン量が増えているかを検査するのに使われるほど、成長ホルモンと言えばアルギニンであると言っても過言ではない。
アルギニンは、肉、魚の赤身、貝、甲殻類に多く含まれるため、元気が無い患者に対しては、期間を決めてこれらの食材を多く摂ってもらう、又は卵やプロテインを積極的に摂るように勧めることが有効である。
グルタミン、アルギニンについてはガンの治療でも話題になっており、有明のガン研病院でガン免疫栄養療法として研究が行われている。患者の免疫力を測るのは意外と簡単で、とりあえずの指標としては健康診断の検査項目になっているアルブミンの量を見ることで推し量ることができる。値が4.5以上であれば免疫力は高いと考えられ、4以下では低下していると思われる。
・亜鉛の重要性
亜鉛は細胞が分化していく上で重要なミネラルであり、クリニックで採血をすると高値を示す人は一人もいないほど不足しがちな栄養素である。亜鉛が低下する一番の原因はピルであり、亜鉛と対になる栄養素は銅であるため、血液検査で亜鉛が異常に低く、銅が高値の場合は、ピルを服用しているということが問診しなくても分かることがある。
亜鉛は床ずれで褥瘡ができてしまった患者に飲ませたり、クリームを塗ったりするほど、肌の再生や代謝に非常に重要である。
*ピルにはエストロゲンとプロゲステロンと似た成分が配合されており、服用することで妊娠した時と同じホルモンバランスになり、脳に妊娠したと認識させることで次の排卵を止める。
・成長ホルモン分泌を妨げるマイナス要因
成長ホルモン分泌を促進するためにこれとこれをしてくださいというのは非常に簡単だが、最も難しいのは成長ホルモンの正常な分泌を妨げている悪い習慣を止めさせることである。
免疫、自律神経、ホルモンが3本柱としてある中で、非常に重要になるのが腸内環境。腸内環境が悪いことで慢性炎症が治らなくなり、結果が出なくなる。
良い結果を得るために押さえていなければいけないポイントが以下の4つである。
1.見た目のチェック(前述の成長ホルモンと見た目の関係)
2.便通、便の状態(腸内環境)
3.睡眠
4.薬の服用の有無
またアルコールは成長ホルモン分泌を70%低下させるため、せっかく運動をしたとしてもその後にアルコールを摂取すると、その効果は台無しになってしまう。一週間続けて飲んでいると75%低下する。
成長ホルモンは就寝後1時間~4時間後に最も分泌されるため、もし飲む場合は、昼に飲んで運動をする場合は6時間以上空ける必要がある。エステや治療においても、施術のその日アルコールを摂れば、組織の再生能力は格段に落ちるため、結果を出すために絶対禁止するべき。
お酒を飲んで顔が赤くなるという現象は、慢性炎症を引き起こす。慢性炎症がある状態が筋肉の痛みやサルコぺニアの原因である。顔が赤くなるかと酔うのは異なる。
脳下垂体から分泌された成長ホルモンは肝臓でIGF-1
*IGF-1(インスリン様成長因子)
インスリンと配列が高度に類似したポリペプチドで、ソマトメジンCとも呼ばれる(Wikipediaより抜粋)
もう一つ重要なのは睡眠であり、副交感神経を正常に働かせることが成長ホルモン分泌に非常に重要である。しかし睡眠薬は免疫力を劇的に下げてしまうため、避けるべきで、140以上で病気にかかるリスクが大幅に減ると言われるDHEAの値が、15年以上睡眠薬を服用している人では50~60になってしまう。10年以上もの長期間睡眠薬が処方され続ける国
は世界的に見ても非常に珍しい。
ベンゾジアゼピン系と言われる睡眠薬を飲み続けることで、脳の機能、ホルモンが大幅に減少する。
今まで様々な睡眠薬や自律神経系の薬を飲んでいた高齢者が施設に入っても、それらの薬を全て止めるだけで良くなってしまう例が非常に多く見られる。施設に入る時には、よだれを垂らしながら来てそれでも薬を飲まされていて、色々な科から似たような薬が処方されて、重複しているものもあり、それらを止めた途端にシャキっと良くなるが、飲まされていた10年間のことを全く覚えていないというほど恐ろしいものであるということを知っておく必要がある。
・自律神経とホルモン
自律神経とホルモンには密接な関係があることは良く知られているが、交感神経が優位だと必ずしも悪いというわけではなく、自律神経のモードによって増えるホルモンは変わってくるため、それぞれ重要である。交感神経が優位な状態では、男性ホルモンが増えやすくなり、やる気や元気を出すために非常に重要なホルモンである。亜鉛、ビタミンD、運動をすることで分泌がより促進される。成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるため、分泌のメカニズムがもう少し複雑だが、男性ホルモンは簡単に増やすことができる。女性ホルモンやセロトニン、エンドルフィンは副交感神経が優位な状態で増えやすいホルモンである。セロトニンはマグネシウムと反応することでメラトニンとなり、睡眠を誘導する(音楽、入浴、香りが有効)。
何か一つのことで成長ホルモンの分泌を劇的に増やすというものはなく、ライフスタイルをどのようにしていくかが重要である。
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Dr.大友博之先生に学ぶ 2016.5.22
- 日本抗加齢医学会専門医 国際抗加齢医学会専門医
- 日本麻酔科学会専門医 日本レーザー医学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 日本IMS療法普及協会専務理事
- 加圧トレーニング特定資格指導者/日本キレーション治療普及協会認定医
- 北米更年期学会(NAMS)会員/日本女性医学学会会員