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『肥満と減量』 米澤須美先生・研修内容

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『肥満と減量』 米澤須美先生・研修内容

2015.1.7.(水) 11:00~13:00


米澤須美先生 第10回レベルアップ研修


(管理栄養士 「談らん日本」ネットワーク主宰)


@エルクレストアカデミー セミナールーム




テーマ:基礎から学ぶ栄養学について


 『肥満と減量』


AEAテキストNo.6 

「エステティシャンのための栄養学」



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〈何をどう食べるかを知る〉    

 

1. 人体の構成成分のうち約5%がミネラル(無機物)で残りの95%は有機物

2. ミネラルは人体を構成する成分、生体内の生理作用、代謝調節作用といった働きを持っています

3. 体に必要なミネラルは全部で16種類

4. 女性が一日に取りたいカルシウム量は650mg、妊娠中でも同じで余分に摂る必要はありません。鉄の量は2015年の4月に食事摂取基準が改定されて、15歳以上は10.5mgになります。10.5mgは生理がある時の数値で、無いときには6.5mgです。

5. カルシウムの吸収を助ける栄養素はビタミンD、鉄はタンパク質、ビタミンCと一緒に摂ると良いとされます。

6. 食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、便秘予防の他、生活習慣病の予防などの働きがあります。女性が一日に摂りたい量は18g以上です。

7.野菜の一日の望ましい摂取量は350gで緑黄色野菜は120gです。

 




〈基礎代謝量と摂取エネルギーについて〉

 

・基礎代謝量とは

 

基礎代謝とは、精神的、肉体的に安静にしていても生きるために必要な最低限の代謝のことで、このときに消費するエネルギー量を基礎代謝量と言います。各臓器、組織の安静時におけるエネルギー消費量は、筋肉>肝臓>脳>腎臓の順になります。

基礎代謝量は、年齢、性別、体格、活動量などで変わっていきます。

 

基礎代謝量の計算

基礎代謝基準値×体重(kg)=基礎代謝量

基礎代謝を計算する際に、大体標準体重の人であれば、基礎代謝基準値を使うことで求めることができます。ただし、肥満気味の人でこの数値を使うと若干高めに数値が出てきますので注意してください。

その場合(体格が日本人の平均より大きく外れる人の場合)は、以下の式を使って計算することでより詳細な基礎代謝を求めることができます。

 

基礎代謝(kcal/日)=(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-定数(男性:0.4235、女性:0.9708)×1000/4.186

 

性別

男性

 

 

女性

 

 

年齢(歳)

基礎代謝基準値

参照体重(kg

基礎代謝量

基礎代謝基準値

参照体重(kg

基礎代謝量

1~2

61.0

11.5

700

59.7

11.0

600

3~5

54.8

16.5

900

52.2

16.1

840

6~7

44.3

22.2

980

41.9

21.9

920

8~9

40.8

28.0

1140

38.3

27.4

1050

10~11

37.4

35.6

1330

34.8

36.3

1260

12~14

31.0

49.0

1520

29.6

47.5

1410

1517

27.0

59.7

1610

25.3

51.9

1310

18~29

24.0

63.2

1520

22.1

50.0

1110

30~49

22.3

68.5

1530

21.7

53.1

1150

5069

21.5

65.3

1400

20.7

53.0

1100

70以上

21.5

60.0

1290

20.7

49.5

1020

 




・摂取エネルギーの計算

 

1.一日の推定エネルギー量の計算

 

推定エネルギー必要量=基礎代謝基準値×参照体重(kg)×身体活動レベル

 

身体活動レベル

レベル1(低い)

レベル2(ふつう)

レベル3(高い)

1829(歳)

1.50

1.75

2.00

3049(歳)

1.50

1.75

2.00

5069(歳)

1.50

1.75

2.00

70以上(歳)

1.45

1.70

1.95

 

性別

男性

 

 

女性

 

 

身体活動レベル

0~5(月)

550

500

68(月)

650

600

9~11(月)

700

650

1~2(歳)

950

900

3~5(歳)

1300

1250

6~7(歳)

1350

1550

1750

1250

1450

8~9(歳)

1600

1850

2100

1500

1700

1900

10~11(歳)

1950

2250

2500

1850

2100

2350

12~14(歳)

2300

2600

2900

2150

2400

2700

15~17(歳)

2500

2850

3150

2050

2300

2550

18~29(歳)

2300

2650

3050

1650

1950

2200

30~49(歳)

2300

2650

3050

1750

2000

2300

50~69(歳)

2100

2450

2800

1650

1900

2200

70以上(歳)

1850

2200

2500

1500

1750

2000

妊婦:初期

  中期

  後期

+50

+250

+450

+50

+250

+450

+50

+250

+450

授乳期

+350

+350

+350

 

2.個人に合った算出法

 

この春から設定エネルギーを決める際にBMIを使って、その人に合った摂取エネルギーを決めましょうという流れも出てきています。カロリーを制限して体脂肪を燃やしたい場合は、脂肪1kgが7200kcal(単純な脂肪は9300kcalですが、水分などを含んでいますので7200kcalになります)なので、これを基準に一日に減らせるカロリーを計算していくことができます。

 

BMIbody mass index:体格指数)

 

目標とするBMIの範囲(18歳以上)

年齢(歳)

目標とするBMIkg/m2

18~49

18.5~24.9

50~69

20.9~24.9

70以上

21.5~24.9

 

表ではこの範囲外の値になると、病気になりやすくなるなどの問題が出てくるため、生活を改めるべきとされていますが、70歳以上の人では24.9を超えていても栄養状態が悪くなければ構わないとも言われています。

BMIを使った推定摂取エネルギー量

体重が増えると基礎代謝量が変わってきてしまいます。

基礎代謝基準値×参照体重(目標にしている体重、または現在の体重)=基礎代謝量

 




〈食事のコントロール〉

1. 食欲について

・食欲とは、感情、環境、視覚、嗅覚、触覚などの条件反射によって起こる「食べ物を食べたい」という欲求のことです。食欲は、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢のバランスによって、調整されています。空腹感は、血糖値の低下に伴って長時間食物を摂取しない場合に起こる強い欲求です。空腹感は本能的なものですが、食欲は心理的、精神的要素が強く、年齢、性別、生活態度、過去の食体験などによって変化します。脂肪組織で産生さえるホルモンの1つであるレプチンは、脳内の視床下部に作用し、食欲を抑制されせたりエネルギー消費を亢進させたりして、体脂肪量を減少させます。セロトニンの前駆体であるトリプトファンを摂取することで、食欲が抑制されます。

100gあたりのセロトニン含有量の多い食品

 

納豆、プロセスチーズ、肉、バナナ

 

2.バランスの良い食事

・「日本人の食事摂取基準2015年版」に基づき、必要なエネルギー量、各栄養素量を過不足なく摂る。このエネルギー、栄養素を摂るためにどんな食品をどのくらい摂ればよいかを具体的に把握するために、「3つの食品群」や「6つの基礎食品群」、4群点数法などの食のものさしがあります。その中でバランス献立の基本、主食、主菜、副菜を揃えたものを重視します。

 



〈食生活と身体のリズム〉

 

・食生活と体内時計の関係

 

体内時計には、90分リズム(ウルトラディアンリズム)、日周リズム(サーカディアンリズム)、週周リズム、月周リズム(例:月経周期)、年周リズム(季節的リズム)があると言われており、その中でもダイエットに関係が深いのは、日周リズムです。

体内時計を整える12か条

1.朝起きたらカーテンを開け、日光を取り入れましょう

2.休日の起床時刻は平日と2時間以上ズレないようにしましょう

3.1日の活動は朝食から始めましょう

朝、日光を浴びて2時間以内に食事をすることで、体内時計がリセットされ、体温が上昇するので、一日のスタートのために最適です。

4.昼寝をするなら、午後3時までの2030分以内にしましょう

5.軽い運動習慣を身につけましょう

6.お茶やコーヒーは就寝4時間前までにしましょう

7.就寝2時間までに食事を済ませましょう

8.タバコは就寝1時間前にはやめましょう(もちろん健康のためには禁煙です)

9.就寝1~2時間前にぬるめのお風呂に入りましょう

10.     部屋の照明は明るすぎないようにしましょう

11.     寝酒はやめましょう

12.     就寝前のパソコン、テレビ、携帯電話やテレビゲームは避けましょう

 



〈肥満と減量〉

 

・肥満に関わる要因

 

遺伝食生活、生活習慣、精神的因子、内分泌因子

遺伝だけで肥満になるとはいえません。データとして両親のどちらかが肥満の場合、子供が肥満になる確率は40~50%、両親ともに肥満の場合は80%と言われています。しかし、肥満になっている場合は、食生活の乱れが考えられるため、遺伝よりも食生活がそのまま子供の肥満に反映しているとも考えられます。

 

・減量を考えた食事と食生活

 

1.  理想の体重とプロポーションをイメージする

2.  現時点での食生活と食事を確認する

 

・時間栄養学から見た内臓の働き

 

肝臓:朝~昼がピーク、夕方には働きが少なくなる

胃:昼から夕方の働きが活発

膵臓:昼から夜8時くらいまでが活発

腎臓:夜が活発

 

遅い時間に食事をすると、本来内臓の活動が低下している時間に無理やり働かせていることになるため負担が大きくなります。




oo

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