2014.5.15 日本橋清洲クリニック 佐藤ドクター研修
2014年5月15日(水) 10:30~12:00
テーマ「発ガンのメカニズムとその対策」
@エルクレスト セミナールーム
講師は、日本橋清州クリニック院長、佐藤義之先生です
美容とは見た目の外見だけのことではありません。
美しい素肌と理想のプロポーション創りにおいて自律神経系やホルモンなどの内分泌系が大いにかかわっています。
またストレスなどの精神面もこれらの正常な働きに大きな障害を与えます。
要するにエステティックとは、人様のカラダ丸ごとお預かりする仕事です。
ですから外面だけでなく、内面的なこと、そして精神面の勉強も不可欠です。
人のカラダの仕組みを一番わかっているのはドクターです。
ですからエルクレストでは開業医のドクターに定期的にカラダの仕組みについてご指導いただいております。
このコツコツとした取り組みの継続がやがて流行に惑わされない正しい情報の見極めができる眼力として養われていくと信じています。
秋田の玉川温泉や宮崎のびわ温灸施設などでガンと闘う患者さんを毎月定期的に慰問されている佐藤ドクター
先生自身がガン家系にお生まれになり、独自に培った免疫学を多くの方にお伝えしながら、実際に医者に見放されたガン患者が何人も元気になられた現実を目の当たりにさせていただき、その真摯な取り組みに心から尊敬を申し上げます。
・2人に1人が発ガンする時代
統計的には60歳になるまでに3人に1人がガンになり、70歳になるまでに2人に1人がガンになります。
一年間の日本人の死亡者数は100万人でそのうち33万人がガンで亡くなっています。(平成20年)昨年は38万人。
このような事実からは一見逃げられないようですが、自分なりの生き方をきちんと見直すことで回避できます。
・平均余命
65歳の平均余命(平均であと何年生きられるか)を年代で比べてみると、昭和60年では、女性は18.94年、男性が15.52歳、平成16年では、女性が23.28歳、男性が18.21歳となっています。
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平均寿命 |
ガン死亡者 |
65歳の定期的受診率 |
昭和60年 |
女性80.5歳 男性74.5歳 |
14万人 |
32.1% |
平成22年 |
女性86.0歳 男性79.5歳 |
33万人 |
60.8% |
風邪や糖尿病でかかるのではなく、定期的に受診している人は2倍に増えているにもかかわらず、ガンで亡くなる人は増えています。
・新陳代謝
私たちの体内の細胞や組織は、常に代謝し入れ替えと再生が繰り返されています。
大まかには、次のようなサイクルで入れ替わっています。
胃全体:5~7日
口粘膜:7~10日
腸:2週間
心臓:3週間
皮膚細胞:4週間
骨髄細胞:4週間
肝臓:2か月
筋肉:2か月
骨:3か月
赤血球:4か月
代謝が上がっている状態ならば、これらの組織の入れ替えや再生は、スムーズに行われます。しかし、代謝が低下してくると、この作業がうまく進みません。一般に若い人ほど細胞の再生は活発です。都市を摂るほど再生は遅くなります。
断食の修業をしていると、数週間何も食べなくても、すなわち内臓に食べ物が残っていなくても、便は出続けるそうです。
それはなぜかというと、常に新陳代謝は行われ、古い細胞は老廃物として排出されるからです。
・細胞の不良品
どんなに技術が進んで精巧な機械ができても、必ず物を作れば不良品ができます。
それと同じように私たちの体の中にも、日々元の細胞とは形の異なる異型細胞がつくられています。
私たちの体は60兆個の細胞からできており、そのうちの1%に当たる6000億個(大柄な人では8000億個)の細胞が毎日入れ替わります。6000億もの細胞が入れ替わると、そのうち3000~5000個のガン細胞ができています。
しかし私たちの体では、リンパ球がこのような異形細胞を除去してくれているため、通常は発ガンすることはありません。このリンパ球の働きを免疫力と言っており、この力が低下するとガンになってしまうのです。
リンパ球が肺の異形細胞を除去しなかったら肺ガンに、大腸の異形細胞を除去しなかったら大腸ガンが発生します。そうなると肺ガンは肺の病気ではなくリンパ球、すなわち免疫の病気ということになります。
肺ガンだけにこだわると、木を見て森を見ずになりますし、また胃ガンは完全に治ったのに前立腺ガンになったとか、子宮ガンは治ったのに乳ガンになられる方がいらっしゃる理由もご理解いただけると思います。
卵巣ガンは親指くらいの大きさで、すぐに腹腔内に散らばってしまうため、予後が悪いとされています。また一般にガン細胞は、熱に弱いとされていますが、元々代謝が盛んで温度の高い肝臓のガン細胞は、他のガン細胞と比べて熱に強いとも言われており、どこの異形細胞を取りこぼしたかが非常に重要になるのです。
そして一度発ガンした人のリンパ球は前科者であるため、再び発ガンするリスクが高いため、一層の生活習慣の改善が必要です。
例えば風邪を引きやすい人は、木でものを考えれば、風邪を引きやすい人ですが、森で見ると免疫力が低い人(リンパ球の活性が低い人、少ない人)と言うことができます。風邪のウィルスと戦うために元々少なくて弱いリンパ球が使われてしまえば、3000~5000個
できる異形細胞を処理しきれなくなり、発ガンしてしまうかもしれません。ですから風邪は万病のもとと言われるのです。
同じ環境に居ても、インフルエンザになる人もいれば、ならない人もいます。
これはウィルスが悪いわけでなく、自分の体がウィルスに負けただけであるという意識を持って生活するべきだと思います。
・免疫力低下を招く原因
1. 低体温
日本人の平均体温は36.8度
リンパ球は、臨床試験で外気温を下げていくと、遊走機能が低下し活動が鈍くなります。
細胞培養をすると、低温では異型細胞が増えやすいという結果が出ています。
ガン細胞と戦うNK細胞は、37度から活性が上がるとされているという点からも、低体温は絶対的に良くないと言えるのです。
2. 低たんぱく
免疫をつかさどる物質は、全てタンパク質からできていると言っても過言ではありません
アルコールは低たんぱくを招く大きな要因の一つです。飲みすぎて下痢になっている場合は、腸管の吸収障害が起こり、水分と共にそこに溶け込んでいるタンパク質も一緒に体外に排出されてしまうのです。
3. ストレス
ストレスそのものは血液検査で測定できませんが、ストレス時に交感神経が緊張しているときに、副腎から分泌されるアドレナリンというホルモンは、確実にリンパ球の活性を低下させることが証明されています
4.体の酸性化
糖尿病がうまくコントロールできていない方の血液を調べますと、そのほとんどが酸性に傾いています。よく、糖尿病の人はケガをすると治りにくいとは、化膿しやすいと言います。その原因の一つは、血液が、又は組織が酸性に傾くために生じる白血球やリンパ球の活性の低下です。当然、糖尿病の方は免疫力が低下していると言えます。
また脂肪が多い人も酸性に傾きやすいとされています。
ガン細胞は、血糖(グルコース)を乳酸に代謝する働きが強いので、その周りには乳酸がたまり、pHが7.4から7.2程度にまで低下し、いわゆる酸性体質になっています。これはNK細胞やT細胞が接触できないようにするガン細胞の防衛手段です。
ガン細胞は悪いものという風に私たちは考えてしまいがちですが、実際は、私たちの体が本来の体温やpHから逸脱するような生活を送ることによって、体の中の細胞がさらされる環境が変わり、より低温、低酸素に適した細胞に変化していこうとして異型細胞、すなわちガン細胞が増えようとしているだけのことなのです。
・ガン病巣の大きさとそのガン細胞数及び臨床的意味
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総ガン細胞数 |
大きさ |
1日当たりの血中流出ガン細胞数 |
10の7乗個 10の9乗個 10の12乗個 |
2000万個 10億個 1兆個 |
3㎜ 1cm/1g 1kg |
3万個 100万個 |
発ガンからガンで亡くなるまで10年から15年の年月が必要とされる中で、通常、ガンの早期発見とは1㎝位の大きさで、すでに約10億個のガン細胞が詰まっており、この大きさになると毎日300万個のガン細胞が血中に流出し、その1~3%が血管に詰まったりして、組織に定着すると考えられています。
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