大阪大学教授 中田研先生パワープレート講演
・中田 研先生プロフィール
大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ教授
大阪大学医学部付属病院国際医療センター副センター長
大阪大学臨床医工学融合研究教育センター教授
・スポーツとは?
スポーツの語源は、フランス語の「デスポール:遊び、気晴らしをする」という言葉が語源となっており、中世の狩りや近代スポーツになって初めてルールができて、今のスポーツになったと言われています。
特にイギリスで最初につくられたスポーツが多く、インドの植民地政策として規律を持った良い社会人をつくるための学校教育として、ルールがつくられたとされています。
スポーツマンやスポーツマンシップとは何でしょうか?
スポーツは遊びを楽しむということがありますが、単に子供がじゃれあっているのはスポーツとは言いません。選手とその相手がいてさらにそれをジャッジする審判がいるといった構成で初めて成り立つものであり、さらにそこには勝ち負けが生じます。
しかし負けたからといって、そちら側が一方的に劣っているということでは決してなく、機会を改めることで結果は変わるかもしれないですし、相手を尊重し、ルールに則って行わなければなりません。
そしてルールブックに書かれていなくても、暴力を振るわないということも重要なルールになります。暴力はスポーツの一番の敵と言われており、広瀬一郎氏は「スポーツマンシップを考える」という本の中で、現代の日本はこれらの感覚が薄れてきているのではないかということを言っています。
・テディベアの意味
テディベアの名前の由来をご存知ですか?ベアは熊ですが、テディとは実は、第26代アメリカ合衆国大統領のセオドア・ルーズベルトを指しています。
当時のスポーツには狩りという意味合いがあり、彼が熊狩りをしたいということをお付きの人に言いつけたそうです。そこで瀕死の子熊を用意したところ「瀕死の状態の熊を撃つのはスポーツマンシップに反する」と大統領は言ったといいます。
彼は、スポーツマンとしてリスクを恐れず挑戦することを貫き、その子熊を撃たなかったということから当時のニューイングランドの人たちがその子熊をテディ(ルーズベルト大統領)の熊としてグッズを作り始めたという背景があります。
・パワープレートのアドバンテージ
スポーツは、身体活動(体を動かす)ことだけでなく、文化であると言われており、spirit
一昨年スポーツ基本法というものが制定され、その中には「スポーツは世界共通、人類の文化である」と述べられています。
運動能力は、筋力、柔軟性、バランス、戦術、メンタルといった様々な要素がありますが、中田先生は、7年前からパワープレートを臨床の中で使っていますが、筋力強化、柔軟性、バランス能力については特に有効です。
柔軟性については、パワープレート上でストレッチを行うことで、非常に短時間で筋肉の柔軟性が高まるということで、新体操のナショナルチームに紹介したところ、即日で導入を決めたと言います。またバランス能力は、選手のキレや高齢者の転倒予防として重要な要素ですが、パワープレートを使うことで驚きの研究結果が出ています。
一日3~13分程度、スクワットや片足立ちなどの一般的なトレーニングを週3回、4週間行い、台から飛び降りて着地した時の体の安定性を機械で測定したところパワープレートを使ってトレーニングを行った人は、約2週間で台から横に飛び降りた後のバランス能力が改善し、4週間で前に飛び降りた後のバランス能力も改善しました。
通常、筋力増強には月単位のトレーニング期間が必要ですが、アクセラレーショントレーニングが神経の反射を高めることによって、非常に短期間でパフォーマンスアップを行うことができます。
現在、多くのナショナルチームがパワープレートを導入していますが、サッカーのナショナルチームは南アフリカで行われたワールドカップの際に2台を現地に持っていき、向こうでのトレーニングはもちろん、試合中のウォーミングアップや疲労回復にも使用していました。
医学の進歩には、今まで医薬品と医療機器という2つが大きな割合を占めていましたが、現在は新たに日本が力を入れている分野として、再生医療があります。
そしてパワープレートが再生医療にも役立つのではないかということで研究を行っています。
その研究のいくつかをご紹介します。
ネズミをパワープレートの上に乗せて、振動の中に一日10分、2週間置いたところ、パワープレートに乗せていないネズミと比べて骨量が2倍近くになるという結果が出ました。
整形外科医として、骨をどれだけ早く治せるかということについては世界中と競争してやってきて、多くの薬も出回っていますが、これほど効く薬(治療)は今までに無いと断言できます。しかしここまで効果があると、逆に世間には信用してもらえない可能性があるので、追試験を行ったりして、より正確なデータを得る努力をしています。
また筋肉の再生にも良い結果が出ており、肉離れを起こさせたマウスの回復過程が通常4週間以上かかるとされているものが、2週間で筋肉の再生が進んでいる兆候が見られています。
中田先生は阪神タイガースのチームドクターもされていますが、その中でも肉離れを起こした選手のリハビリとしてパワープレートを使用しています。
このように骨、筋肉、神経の再生にパワープレートが有効であるとするならば、内臓や皮膚といった器官にも同様の効果があるのではないかという可能性があります。
その理由は、これらは全て一つの細胞からそれぞれの器官になるために分化したものだからです。
パワープレートの理論の背景には、F=ma(力=加速度×加速度)というニュートンの運動第2法則があります。
パワープレートの3次元振動による加速度の上昇が細胞に直接刺激を与えることで、成長因子をはじめとした影響を与えられるのではないかということで期待されています。
WHOは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる年齢を健康寿命と定めており、日本人女性の平均寿命は86歳ですが、健康寿命は73歳と言われています。この13年間の空白は何なのかというと、寝たきりなどの日常生活が制限された状態なのです。このような状態になってしまうのは、関節や骨、筋肉といった運動器の問題が最も多いのです。
現在、病気ではないけれど高血圧であったり、脂質異常があったりという未病の人が非常に多くなっており、大阪大学としては病気の人だけでなく、健康な人をより健康にしていくということに力を入れています。
2020年には東京オリンピックが開催されますが、アジアで同じ年で2度オリンピックが開かれるというのは初めてのことで、世界一の長寿国である日本が長生きであると共に、全員が健康で暮らせる国であるという見本を見せられるかが非常に大きな課題になっていると考えています。
そういった意味でパワープレートには、それを叶えられる素晴らしい可能性があると思っています。
※今年はプロティア本社協力のもと、阪大に中田先生をお尋ねし、質問攻めにしたいと考えています。
参加予定メンバー:中込歳哲、中込慶一、小野勝則、伊藤健介、松山広宣。
エルクレスト・パワープレートマスターズ(笑)
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