鈴木貴志インストラクター レベルアップ研修
エンビロン総輸入発売元
株式会社 プロティアジャパン
学術担当 鈴木貴志インストラクターによるレベルアップ研修
@エルクレスト セミナールーム
〈紫外線の脅威について〉
・炎症後色素沈着
細胞が傷つき炎症(赤み)が起きることでできるシミで、海水浴やスポーツなどで急激に日焼けをすると出てきます。
なかなか治りにくい厄介な色素異常症です。
1. ニキビや外的刺激(日焼け、かぶれ、虫刺されなど)によるダメージ。
ニキビも炎症によって、深く傷ついた部分にメラニンが集約することで、跡が黒く残ります。
2. 皮膚細胞が傷つき炎症を起こします。(表皮から真皮まで)
3. 傷ついたところに多量のメラニンが送られ、(表皮だけでなく、真皮まで送られることもある)メラニンの塊がシミとなります。
通常、表皮のシミであれば、皮膚のターンオーバーによって、垢となって剥がれ落ちますが、真皮にはそのような代謝機能が無いため、異物を処理する貪食細胞であるマクロファージによって取り除かれます。
しかし、マクロファージはメラニンを処理することがメインの仕事ではないため、真皮のシミは治りにくくなります。
このような真皮へのダメージを防ぐために、早めのスキンケアが重要です。
また紫外線が皮膚に当たると、活性酸素が発生し、それが引き金となって、さらなる活性酸素を生み出し、肌の中でダメージが蓄積されます。
それによって、シワやたるみ、背中では老人性の乾皮症といった老化のような変化が起こってきてしまいます。
夏に受けたダメージは根深いため、放置しておくと、そのダメージは秋にまで持ち越され、大きなダメージになります。
・夏の肌のダメージ(炎症後色素沈着)を解決する成分
1. ビタミンA:ダメージを受けた皮膚細胞を修復(ケラチノサイトの正常化)
2. 抗炎症成分(ティーツリー葉油、ビタミンB3)
3. 美白成分:ビタミンC、乳酸、ビタミンB3、リノール酸、リノレン酸、アルブチン、ウンデシレノイルフェニルアラニン
4. 日焼けによるケース→サンケア:紫外線防止剤
炎症時の活性酸素除去:抗酸化物質
メラニンの元々の作用は、肌の防御のため、美白成分でメラニンを取り除くことだけをしてしまうと、防御機能が弱くなり、新たなダメージの基となるため、紫外線防止剤との併用が重要になります。
・夏の肌ダメージを解決するために必要なスキンケア
1. Cブースト
特徴 |
ビタミンC集中ケアクリーム ・紫外線のダメージから肌を守る ・メラニン生成を抑え、シミをできにくくする ・コラーゲンの生成を促し、ハリのあるなめらかな肌に整える |
主成分 |
ビタミンC(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル) |
肌質 |
全ての肌質 |
スキンコンディション |
シミ、シワ、たるみ、くすみ |
使用期限 |
開封後8週間 |
・ラドローション
紫外線からしっかりと肌を守りつつ、紫外線によるシミ、シワ、たるみを即座にケアしていくには、ハリのアップ、美白のビタミンC がたっぷりと配合されたC-ブーストとの併用することによって、お互いの作用が守られるため、本来の特徴が生かされます。混ぜて使っても構いません。
・モイスチャーボディクリーム
ボディのケアと顔のケアは、根本から異なっており、ボディは普段服で守られており、紫外線を浴びにくくなっているため、元々紫外線に対する防御機構が弱いのが特徴です。
特徴 |
ボディ用保湿クリームで、紫外線から肌を守り、ダメージ肌を健やかに保つ |
主成分 |
ビタミンA (パルミチン酸レチノール) ビタミンC(アスコルビン酸) ビタミンE、ベータカロチン、ビタミンB5 紫外線防止剤(SPF4) |
肌質 |
全ての肌質 |
スキンコンディション |
全ての方に |
使用期限 |
開封後12週間 |
・モイスチャーボディオイル
夜に使用することで、しっかりと皮膚の回復を高めます。
特徴 |
ボディ用保湿オイルでダメージ肌を健やかに保つと共に、保湿力を高める |
主成分 |
ビタミンA (酢酸レチノール) ビタミンC(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル) ビタミンE |
肌質 |
全ての肌質 |
スキンコンディション |
全ての方に |
使用期限 |
開封後12週間 |
・モイスチャートーナー:アルファトーナーの良さを引き継いで、さらに有効成分をプラスした製品
キー成分 |
効果 |
乳酸(アルファトーナーはグリコール酸というAHAを含有だったが、モイスチャートーナーは乳酸が主成分) |
肌を明るくし、うるおいを与える |
ビタミンB3 |
肌を明るくし、うるおいを与える |
α‐アルブチン |
肌を明るくする |
ビタミンB5 |
肌にうるおいを与え、落ち着かせる 紫外線のダメージから肌を守る(抗酸化) |
ハマメリス水 |
紫外線のダメージから肌を守る(抗酸化) |
使用方法:毎日、朝、夜に使用します。洗顔後、適量を手またはコットンにとり、顔全体になじませます。ジェルとクリームに混ぜて使用することもできます。
使用期限:開封後12週間
・トーニング製品の位置づけ
1.シークエンストーナー:高機能トーニングローション(美白、保湿、ハリを高め、より早いエイジングケアの結果を求める方が対象)
2.モイスチャートーナー:トーニングローション(美白、保湿を高めたい全ての方が対象)
3.クリアスキンローション:拭き取り専用トーニングローション(抗菌、抗炎症、角質ケアがあり、ニキビケアの効果を高めたい方が対象)
4.ダーマラックローション:ボディ用トーニングローション(ボディの美白、保湿を高めたい方が対象)
・夏の洗顔が重要視される理由
多量の汗、過剰な皮脂が夏の肌トラブルの主な原因です。
皮脂は、皮脂腺と呼ばれるところから、真皮の毛細血管から供給された糖分や脂肪分によってつくられる保湿性の高い油性成分。
汗は汗腺と呼ばれるところから分泌される水性成分で、主に体温調節に役立っています。
皮脂は汗と混ざることによって皮脂膜を作り、皮膚を弱酸性に保つことで雑菌などの増殖を防いでいます。
・夏にニキビができやすい理由
皮膚の構造上、紫外線が角質を肥厚させ、毛穴を詰まらせます。
また皮脂の増加によって、アクネ菌の増殖しやすい肌環境になっています。
ホルモンバランスの観点からは、ストレスが自律神経の機能を低下させ、その結果、女性は生理周期に関わるホルモンに影響を与え、黄体ホルモンが皮脂の分泌を促し、ニキビを悪化させます。
・夏にあせもができやすい理由
汗や汚れで汗の出るところを塞いでしまうのが原因で、あせもになった個所は、カビやウィルスなどが繁殖するのに絶好の環境で疾病に繋がりやすくなってしまいます。
・夏に金属アレルギーを起こしやすい理由
身に着けている金属(イヤリング、ネックレスなど)が汗によりイオン化され、皮膚に吸収されやすくなり、アレルギーの原因になります。
アレルギーの起こしやすさ 大 |
ニッケル、コバルト、クロム |
↑ |
亜鉛、マンガン、銅 |
↑ |
銀、プラチナ、金 |
小 |
チタン |
・夏にエアコンで肌ダメージを起こす理由
冷房病:汗腺(真皮層など)で起こる変化‐能動発汗の異常
1. 神経伝達の異常
皮膚→視床下部(寒さと暑さの信号を受け取る)→副交感神経(体内の熱を放散するように働く)→血管拡張(血液から熱を逃がそうとする)→汗(体温を放出し、さらに体表面から水分を放出)
自律神経の低下により、この生理反応ができなくなります。
2. 幼少期の環境
2歳半前に、エアコンによる快適な生活をさせていると、汗腺の機能が鈍り、十分に能動汗腺数が増えなくなります。汗腺数が少ないと、脳が発汗信号を出しても、必要とする汗の量が出なくなります。
・エアコンが及ぼす肌トラブルのケア方法
1. 運動:毎日のように汗を出していると、汗腺と脳が鍛えられるため、パワープレートのような筋肉運動が有効です。
2. お風呂(半身浴):湯船につかり、汗をかくことで能動汗腺を活発化させます。
3. 飲み物(お茶):水分補給と同時にカフェイン有り無しで緊張を緩和します。
毎日のように汗を出したり、お茶を飲むことで汗腺と脳(神経伝達系)が正常化されます。
・エンビロンがおすすめする洗顔
ポイント1:マイルド洗顔
弱酸性の洗顔料で皮脂を落としすぎない
ポイント2:汚れにあった製品選び
1. オイルでメイクや角栓を溶かす
2. カオリンの微粒子で毛穴の汚れや皮脂を取り除く
3. AHA、BHAの作用で、洗顔では落としきれない汚れ(過酸化脂質=錆びた脂)を溜めこまないようにする、また角質ケアによって皮脂が出やすい環境をつくります
・クレンジングラインナップ
クレンジングクリーム:エンビロンで最もマイルドなクレンジング
クリアスキンウォッシュ:マイルドなニキビケア、脂性肌用洗浄料
クレンジングジェル:エンビロンで最もしっかりとした洗浄力を持つクレンジング
・ミネラルオイルの真実
1. 原料‐原油
2. 皮膚と外気の間のバリアとして働く
3. 保湿を与えないが水分が失われるのを防ぐ
4. 過剰な皮脂による栓を溶かすのに使用する
5. 皮膚のビタミンを奪ったり、皮膚を乾燥させたり、またその発がん性に関する科学的証拠は無い
・SPFとPAと紫外線防止剤について
SPFとPAは紫外線防止効果の程度を表すもので紫外線防止用化粧品を選ぶ際の目安となります。
SPFはSun Protect Factorの略語で主としてUVB波による日焼け(赤くなる)の防止効果を表し、数値が大きくなるほど日焼けの防止効果が高くなります。
しかし、SPFが50程度であれば紫外線の強い場所や紫外線に過敏な人であっても、UVBによる炎症を防止できるとの考えからSPF測定法により、測定した結果SPF50より優位に高い場合にはSPF50+と表示しています。
PAはProtection Grade of
UVAの略語で、UVAの防止効果を表しています。
PAはUVAによる短時間で皮膚が黒くなる反応(持続型即時黒化)を指標にしたUVAの防御効果を表しており、PA+(UVA防止効果がある)、PA++(UVA防止効果がかなりある)、PA+++(UVA防止効果が非常にある)、PA++++(UVA防止効果が極めて高い)のいずれかで表示されます。+の数が多いほど、UVA防止効果が高いことを示しています。
PAはUVAPF(UVA Protection Factor of Product)という分類から算出されています。
UVAPFは、日に浴びてから肌が黒くなる肌に浴びた紫外線の量を何も塗っていないときと、日焼止めを塗った時で比較した値で何も塗らない皮膚が浴びた紫外線量を仮に4とした時、日焼止めを塗った場合は40だったとした場合、40÷4=10でPA++となります。
UVAPF分類表示
2以上4未満(20~40分):PA+
4以上8未満:PA++
8から16未満:PA+++
16以上:PA++++
・SPFとPAと紫外線防止剤について
紫外線吸収剤:吸収材そのものが紫外線を吸収し、肌への紫外線の影響を防ぎます。
メトキシケイヒ酸オクチル(主にB波をブロック)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(主にA 波をブロック)など
紫外線散乱剤:主に粉体で、肌表面に受ける紫外線を乱反射させて、肌への紫外線の影響を防ぎます。
酸化チタン(ほぼA波とB波を両方カバー)。