世界遺産 奈良 薬師寺 山田法胤管主 第2回法話
2013年3月10日(日)10:00~12:00
@サンホテルシーガイア
『がんサバイバル説法』
講師:山田法胤奈良薬師寺管主
「偏らない心、こだわらない心、とらわれない心、広く、広くもっと広く、これが般若心経空の心なり。
仏法は明るい心の教えなり、仏法はおかげさまなる心の教えなり、仏法は一切皆苦の教えなり。」
「人生って99%が妄想または瞑想で生きているんですね。
室町時代に有名な一休と言うお坊さんがいて、実在する人なんですが、良い家柄で天皇の血筋をひいている人なんですね。
その一休さんと同じ時期を生きた人で、真宗という親鸞聖人の教えを全国に広めた人で蓮如というお坊さんがいて、一休さんがその蓮如さんに手紙を書いたんです。
その内容が『食うて寝て、寝て食うて、寝て食うて、食うて寝て...』という手紙だったんですね。
それをもらって蓮如さんは一休さんらしいなぁということで返事を書きました。
『ああしてこうして、こうしてああして、ああしてこうして、こうしてああして...』
人間っていうのは長い人生でも結局は振り返ってみると、食うて寝て80年または90年過ぎているということだと思います。
皆さんは朝起きて夜寝るまでこうしてああして、ああしてこうしてと色々考えて、大体は実行することはほとんどなく、妄想を持って生きている。
その妄想の中でもしガンになったらこんな風に苦しむんじゃないかと、落ち込む人もいれば、それも病気の一つだから大事にしていこうかとガンと共に生きようという人と、すべて妄想の世界なんですね。
プラスに妄想するのか、それともマイナスに妄想するのか、みんなで助け合ってもうそうしていくのかという結局妄想の世界なんです。」
「薬師寺は東北大震災の後、被災地に義援金を一切払いませんでした。それはケチだからではなく、人間が怠け者だからです。
人は援助してくれる、国が何とかしてくれる、行政が何とかしてくれるという風になると、何もしなくなって、じーっとするようになるんですよ。
そうして時間ができるようになると、頭の中に出てくるのは、パチンコに行こうかとか、飲みに行こうとか、映画に行こうとか、遊びに出かけるようになって、仕事をしなくなるんです。
結果的に心はどんどん怠の方にいって、アヘンや麻薬にかかっているように落ち込んでくるんですよ。
その当時、女の人が顔洗うとか、化粧とかお風呂に入れないとかで、ものすごく皮膚が荒れてくるって言うんです。
それで化粧水がほしいということで化粧水を大量に送って、その時は女性がものすごく喜んでくれた。でも一か月くらいすると他の要求が出てくるんです。
その化粧水にはUVカットの成分が入っていないとか様々な要求が出るようになって、結果的に送られてきたものが倉庫に山積みになって誰も使わないという現状になっているんです。
私はその時に、これはやはり違うんじゃないかと思いまして、やはり大事なのは心だということで2万人分のお写経をすることにしたんです。
薬師寺のお写経は2千円かかるので、被災をしていない大阪とか東京とか九州の人に送ってあげてくださいというお話をして、お金が集まったんです。
それで被災地にお写経を書いてくださいということで回ったんですが、皆さんがどれだけ丁寧に書いていることか、普通なら1時間くらいで書き終わるのを5時間くらいかけて書いていました。
書きながら今後の人生を考えているわけですが、お写経を書きながら人生を考えるのと、パチンコをしながら人生を考えるのと、映画を見ながら人生を考えるのとはやはり違いがあるんじゃないかと僕は思って、書いてもらったんです。」
「二宮金次郎さんはこんな言葉を残しています『人生の心理は自然から学べ、人間は放っておくと鬼畜のようになる』
人間の心というのは放っておくと、もうええわ、もうええわといってどんどん怠ける方向へいってしまって、最終的に自分で何もしようとしなくなるんです。
人間以外の動物はつくるっていうことが無いんです。人間だけですつくるのは。
神様も仏様もつくらないんです。人間のつくったもので、人間が困っているんですよ。
ではなぜつくるのか、怠け心をカバーするためなんですよ。」
「高見順さんの詩『帰れるから旅は楽しいのである。旅の寂しさを楽しくするのは、いつか我が家に戻れるからである。だから駅前の塩辛いラーメンがおいしかったり、どこにでもあるこけし屋をのぞいて土産物を探すのである。』
私たちは大体旅行をすると、何か土産物に行かないと、旅にならないでしょう。」
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