栄養学レベルアップ研修 2012.10.19.(金)
2012年10月19日(金) 14:00~16:00
第2回 栄養学講座
テーマ「栄養素と食品分類」
講師: 管理栄養士 米澤須美先生
@エルクレストセミナールーム
〈栄養と栄養素の違い〉
①栄養:食事で取り入れた食物が、体内で消化、吸収され、代謝を受けてエネルギーになったり、身体の構成成分になるような一連の現象のこと。
従って厳密に言うと、「栄養を摂る」は間違いで「栄養素を摂る」である。
②栄養素:栄養の素になるもので、生物が生命を維持し、健康を増進するために利用する物質。
消化:食べ物を分解して吸収しやすい状態にすること
物理的消化:蠕動運動、咀嚼など
化学的消化:消化酵素による消化
生物的消化:腸内細菌による消化
消化器:口、食道、胃、小腸、大腸
日本人の消化管の長さの平均は約7mあり、消化管に含まれない消化器として胆嚢、膵臓がある。
胆嚢は脂肪の消化の補助をしており、膵臓は膵液を分泌して化学的消化を行うと共に、血糖調節に関わるホルモンを分泌する。
胃まで食塊を細かくするということを中心に行われ、小腸に入ると吸収が行われるようになる。
炭水化物はブドウ糖に分解される
タンパク質はアミノ酸に分解される
脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解される
・五臓六腑
五臓:肝、心、脾、肺、腎
腑:胃、胆嚢、小腸、大腸、膀胱、三焦(リンパ)
私たちは自分の体を直接見ることができないことものが多いため、内臓などへの気配りをしていく必要がある。
〈人が食事をする理由とは何か〉
① 生命維持、活動
植物と違い、ヒトは体内で有機物を合成することができないため、生命維持のために食べ物として有機物を取り込む必要がある。
また社会的な活動(仕事など)をしていくためにも健康的な外見、清潔感を保つということにも食事は関わっている。
有機物:タンパク質、脂肪、炭水化物など炭素を含んだ化合物
無機物:酸素、窒素、ミネラルなど炭素を含まない化合物
② 情報収集、コミュニケーションの場
一緒に食卓を囲むことで、それぞれの人から様々な情報がもたらされ、それを吸収できると共に、意思疎通などを行うことで人間関係を深めることができる。
〈基本となる栄養素の種類と働き〉
・五大栄養素
① 糖質:身体の主なエネルギー源で、吸収されやすい。
日本人は一日平均200~300gのデンプンを摂取しており、糖質と食物繊維を合わせて炭水化物と言う。
② タンパク質:筋肉や骨、臓器などの体を構成する主成分、一日の必要摂取量60~80g。
③ 脂質:エネルギー源、細胞膜の構成成分で、日本人は一日平均40~70gを摂取している。
④ ビタミン類:生命活動に欠かせない有機物だが、食品に含まれる量は少ないため、バランスを考えて積極的に摂る必要がある。ビタミンB、Cのような水溶性ビタミンは体外に排出されやすいため、3食で摂ることが理想。
⑤ ミネラル:生命化活動に欠かせない無機物で、浸透圧の調節、神経、筋の機能の調節
などを行う。食品には微量にしか含まれていない。
〈栄養素の働き〉
・エネルギー源となる栄養素
① 糖質
② 脂質
③ タンパク質
・身体の構成成分となる栄養素
① 脂質
② タンパク質
③ 無機質
・身体の機能の調節
① 脂質
② タンパク質
③ 無機質
④ ビタミン
⑤ 食物繊維
糖質は身体の機能、構成ではなく動く糖質ダイエットでエネルギ-不足になりやすい
〈五大栄養素の四群点数法における分類〉
第1群(日本人に不足しがちな栄養素を含む食品群)
主な食品例:乳、乳製品、卵
含まれる栄養素:良質タンパク質、脂質、カルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B2などを多く含む
第2群(筋肉や血液を作るのに必要な食品群)
主な食品例:魚介、肉、その他加工品、豆、豆製品
含まれる栄養素:良質タンパク質、脂質、カルシウム、ビタミンA、B1、B2などを多く含む
第3群(身体の働きをスムーズにする食品群)
主な食品例:野菜、芋、果物
含まれる栄養素:カロテン、ビタミンB1、B2、C、ミネラル、食物繊維などを多く含む
第4群(力や体温の基になる食品群)
主な食品例:穀類、油脂、砂糖、その他
含まれる栄養素:糖質、脂質が主成分、穀類はタンパク質やビタミンB1、ミネラル、食物繊維などの供給源でもある
・食品例
1群:生クリーム
2群:枝豆、豆乳、あずき
3群:こんにゃく、トマトジュース
4群:イチゴジャム、味噌、餃子、リンゴジュース
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