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第11回免疫講座 「キレイ社会の光と影」

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第11回免疫講座 「キレイ社会の光と影」

2012.7.14.(土) 13:30~15:00

第11回 『免疫講座』

テーマ 「キレイ社会の光と影」

エステティック モリマサ プロフェッショナル スクール

講師:日本橋清州クリニック 院長 佐藤義之先生




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人間は動物であり、自分自身を動物だと認識している人はほとんどいない

西洋医学の問題点は、一人一人が先天的に持っている免疫力、自然治癒力などの基礎医学を落としたことである。

 

1万年前、

 

25年前から抗菌、除菌の考え方が浸透し、現在ではこれが免疫担当細胞の役割を失わせ、免疫力が低下すると共に異物と自己の区別ができなくなりアレルギー体質をつくり、3人に1人がアレルギー体質、9歳以下の子供に限ると4割を超えると言われている。

 

人間は無条件に文明を発展させることが良いと考えている

 

・洗いすぎると手が荒れる

 

本来、手に付いたウィルスなどは、水道水を流しながら10秒ほど洗えば落ちる。

手にも表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌などの皮膚の常在菌(人間と共生している菌)が約10種類おり、これらの最近は皮膚の脂肪分を食べ、脂肪酸の膜をつくり弱酸性に保つことによって病原菌の強い菌をシャットアウトしている。

手の洗いすぎは皮脂膜を剥がし、その直下の角質層に隙間が生じ、菌やウィルスが侵入しやすくなると共にアレルゲン(抗原)も侵入しやすくなりアトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎を起こす引き金となる。

洗いすぎたとしても体に10%菌が残っていれば、若年で12時間時間を置くと菌は元通りになるが高齢になると20~24時間かかる。

汗をかかないでいると菌が全身に戻る時間が増える。

 


O157

 

大腸菌はこれらの抗菌剤、除菌剤から生き延びるために遺伝子の変異を繰り返し、約200種類の変種を生み出したが、O-157はその中の157番目に生まれたものであり、O-157は抗菌、除菌が行きとどいた先進国にしかいない。

また、エネルギーの70%を、毒素を産生するのに消費し、残りの30%で生命活動を行っている非常に弱い菌でもあるため、屋台や台所など雑菌の多いところでは、すぐにそれらの雑菌にやられてしまうが、世界一除菌の行きとどいた日本の学校給食では猛威をふるったのである。

O-157 の運び屋とされているカイワレ大根は無菌状態で育てられたもので、通常のように土から生えた大根であれば、様々な菌がいるため増殖することはないが、無菌で育てられたことによって本来いないはずのO-157が増えてしまったのである

赤ん坊は通常、産道を通る時に様々な細菌を取り込んで常在菌となり、約100日でTリンパ球,Bリンパ球が揃うが、アレルギー体質の赤ん坊の便からはほとんど大腸菌が見られなかった。また20代の女性の便を調べると通常10~15%いるはずのビフィズス菌が0.01%しか検出されない人が多かったことから、これらの人から生まれる子供はアレルギー体質になりやすいと言われている。

 

 

・寄生虫に親しむ

 

1950年代60%を超えていた日本人の寄生虫感染率は30年間でほぼゼロになったが、それに伴ってアレルギーを持つ人が大幅に増加した。

日本における花粉症の第一号患者は、1963年栃木県日光市に住む成年男性で、東京医科歯科大学の斎藤洋三先生によって発見され、原因はスギ花粉であった。

しかし日光のスギ並木自体は17世紀に、全長37km、約24000本植えられたもので、花粉は昔から飛んでいたことから、寄生虫の減少がアレルギー発症に関わっていることが示唆された。

寄生虫が体内に入ると、体は寄生虫を排除する抗体をつくろうとするが、虫はその抗体に反応してDiAgという物質をつくる。この物質は、寄生虫を排除しようとする抗体だけでなく、スギ花粉、ハウスダストに対する抗体の能力を低下させて、アレルギー原因物質に対する抗体の産生量を減らし、アレルギー症状が出ないように働いている。

従って虫や大腸菌などの異物は、人の体の中でしか生きられないからこそ人の免疫をかいくぐりながら人にとっても、自分にとってもいい環境にするために働いているのである。

西洋医学では虫を病原因子として捉え、排除すべき敵としたのに対し、東洋医学では体に棲みつく虫も自分自身の一部と捉えていた。

 

 

DiAgという物質はアレルギーの特効薬になるか

 

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DiAgの遺伝子を解読し、遺伝子組み換え技術によって大腸菌にこの遺伝子を入れ、大腸菌にDiAgと同じものを大量につくらせることは可能でアトピーマウスにこの薬を注射するとアトピー完治するものの、人工的につくったDiAgでは免疫担当細胞であるTh1が産生するインターフェロンが減少し発ガン性が高まることが判明し商品化されなかった。

 

現在ガンで亡くなる方は年間33万人いるが、25年前は14 万人であった。

野生の動物に虫はいるもののガンやアレルギーは無いことから、免疫は色々なものが体内に入ってくることで正常に働くもので、キレイを求めすぎる生活は免疫の機能を低下させて様々な病の原因となるのである。

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第1回 『ガンにならない生き方』
第2回 『ガンにならない生き方』
佐藤先生を囲んでの座談会

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