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牛乳論争を検証するby佐藤ドクター

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牛乳論争を検証するby佐藤ドクター

2012.2.22.(水) 10:30~12:00

 

佐藤義之ドクター・レベルアップ研修

 

テーマ『牛乳論争を検証する』

 

@エルクレスト代々木公園店 セミナールーム

 

 

講師は、日本橋清州クリニック院長、佐藤義之先生です

 

DSCN3604gfc.jpg 

牛乳は、加工する前の生乳と加工乳では成分が変わってしまう

 

 

◎加工前の生乳には、

 

●炭水化物である乳糖を分解するラクターゼという酵素

 

●脂肪を分解するリパーゼ酵素

 

●タンパク質を分解するプロテアーゼ酵素

 

●ラクトフェリンという抗酸化、抗炎症、抗ウイルス作用、免疫調整作用などを有する物質がふくまれている。

 

 

◎搾乳されてから30~40日後にパック詰めして店頭に並ぶ加工乳は、

 

搾乳したままでは、約4%含まれる脂肪分が脂肪球として固まるため

 

時間をかけて撹拌(ホモゲナイズ)される。

 

そのことでなめらかで口当たりの良い製品となる。

 

ところがその過程で乳脂肪が空気中の酸素と混じり合い、過酸化脂質に変化する。

 

これはまさしく『錆びた脂』であり、活性酸素と同じ役目を持つ。

 

 

◎ホモゲナイズ後、雑菌の繁殖を防ぐための殺菌法は、日本では、超高温短時間殺菌法が主流である。

 

●120~130度で2秒加熱

 

 生乳に含まれるさまざまな栄養成分である酵素やタンパク質は、熱に弱い。

 

43~48度で失活し、56度で破壊が始まる。

 

超高温短時間殺菌法で

 

・過酸化脂質は増加

 

・タンパク質は熱性変質

 

・ラクトフェリンも失活する。

 

◎牛乳に含まれるタンパク質の8割を占めるカゼインは、本来胃に入ると固まり、消化しがたいものである。

 

◎ラクトフェリンは、仮に加熱処理されていない牛乳を飲んだとしても大人が飲めば胃酸で分解され失活する。

 

・生後間もない赤ちゃんは免疫力が低いが、胃がまだ未発達であるため胃酸の分泌が少ないため母乳に含まれるラクトフェリンが消化されず吸収できるようになっている。

 

・牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素は、腸の粘膜に存在し、赤ん坊は十分な量を保持しているが、年齢と共に減少する。

大人が牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢をするのは、ラウターゼが殆んど失われたことを意味する。

 

つまり、哺乳類に於いて乳というものは、生まれたての赤ん坊だけが無理なく消化・吸収できるようになっていて、成長した人間や動物が飲むようにつくられていないということである。

 

 ◎カルシウムの吸収について

 

確かに牛乳を飲むと血液中の急激に上昇する。

 

すると恒常性コントロールのため余剰カルシウムを排泄し、却って体内のカルシウムを減らすという皮肉な閣下になる。

 

また、牛乳には、マグネシウムが含まれていないためカルシウムがどんなに多くても骨として形成できない。

 

従って、

 

牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる

 

・2000年にハーバード大学で発表されたデータによると、世界4大酪農国のアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドで骨粗鬆症と股関節骨折が多いという事実。

 

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◎発ガンについて

 

2008年、厚生労働省の発表で、乳製品の摂取量が多いと前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガンの発症リスクが高くなるとしている。

 

英国の医学雑誌、ランセットでは、乳がんリスクで7倍、前立腺ガンで4倍としている。

 

 

 ◎牛乳が身体に良いとされている意見の根拠は?

 

1.現在の栄養学の中心となっているのは、栄養素とカロリーに重点をおいているため

 

2.加工前の生乳の栄養をを評価している

 

タンパク質、脂質、乳糖、鉄分、カルシウム、リン、ナトリウム、ビタミン等

 

 

◎牛乳好きの人には、

 

ホモゲナイズされていない、しかも低温殺菌の牛乳を飲むと良い。

 

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【今回の研修で特に心に残ったお話し】

 

「医者としての経験上、人の体は、急激な変化を好まない。」と仰ったこと。

 

・牛乳好きのカルシウム不足のお話しも恒常性維持機能の観点から考えるとなるほどな~と合点がいきました。

 

・キレやすい子供が社会問題になっていますが、その原因の一つにスナック菓子に含まれているショ糖の例を上げていらっしゃいました。

 

ショ糖は、吸収が良いため急激に血糖値を上げます、すると恒常性を保とうと呼応して急激にインスリンの分泌を促がします。

 

今度は、急激に上がった血糖値が下がるため、再度恒常性が働き、血糖値を上げようとアドレナリンの分泌を促す。

 

アドレナリンは、興奮を促すホルモンであるため情緒の安定性にバランスを欠きキレてしまう。

 

というような作用機序がおこります。

 

何事もバランスが大切であるということを再認識させていただきました。

 

 佐藤先生が書かれた

「牛乳に関する論争を検証する」は、コチラから

 

 

 

 

中込の職場です

 

 

 

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