「牛乳を考える」・・・佐藤義之先生、免役講座
2011.12.17.(土) 13:30~15:00
第7回 『免疫講座』
テーマ 「牛乳を考える」
講師:日本橋清州クリニック 院長 佐藤義之先生
今回のテーマは
牛乳に関する論争を検証するというものです
学生時代、柔道をしていた私は毎日1リットル入りの牛乳を1パック飲んでいました
数年前、ある新聞記事を見てからピタッと飲むのを止めました
男性は前立腺ガン、女性は乳ガン、卵巣ガンのリスクが上がることが証明されたからです
ですから今回のテーマは興味津々
◎まず牛乳は加工する前と加工後は成分が変わってしまうことを知っておかなければなりません
●加工前の生乳(せいにゅう)は・・・
・乳糖を分解するラクターゼという酵素
・脂肪を分解するリパーゼという酵素
・タンパク質を分解するプロテアーゼという酵素
・ラクトフェリンという抗酸化、抗炎症、抗ウイルス作用、または免疫調整作用などを有する物質が含まれている
●加工内容・・・
・まず撹拌される (ホモゲナイズという)
その理由は、生乳には4%の脂肪が含まれていて、その大部分が脂肪球と呼ばれる小さい粒として
存在するためドロドロして飲みにくい
それをサラサラにするために撹拌するのだが、その過程で多量の空気が混じり、
乳脂肪は酸素と結びつき、過酸化脂質に変化してしまう
※これは極端な言い方をすれば「錆びた脂」ということになる
・加熱処理の義務化・・・
撹拌された牛乳は雑菌の繁殖を防ぐため加熱処理が義務付けられている
1.低温保持殺菌法 62~65℃で30分
2.高温保持殺菌法 75℃以上で15分
3.高温短時間殺菌法 72℃以上で15秒以上 (世界標準)
4.超高温短時間殺菌法 120~130℃で2秒加熱 (日本の主流)
このことにより生乳に含まれていた酵素がほとんど失活、破壊されてしまう
※43~48℃で失活
※56℃で破壊
■カゼインについて
牛乳に含まれるタンパク質の8割を占めるカゼインは、本来胃に入ると固まり、消化しがたいものである
■ラクトフェリンについて
加工処理されていない牛乳を飲んだとしても、大人が飲めば胃酸で分解されて効果は失活する
生後間もない赤ん坊だけがラクトフェリンを吸収できるのは胃が未発達で胃酸の分泌が少ないからである
つまり成長した人間が飲むようにはつくられていないということである
■ラクターゼについて
乳糖を分解するラクターゼという酵素は腸の粘膜に存在し、
赤ん坊は十分な量を保持しているが、年齢と共に減少する
大人で牛乳を飲むとお腹がごろごろしたり、下痢をしたりするのは
ラクターゼが加齢とともに殆んど失われたことを意味する
※本来「乳」というものは、生まれた赤ん坊だけが無理なく消化・吸収できるようになっている
成長したら飲む必要がないのでは・・・?という自然の摂理を訴える人もいる
※どんな動物でも乳を飲むのは生まれて間もない赤ん坊だけ
自然界で大人になっても乳を飲む動物はいない
※牛乳が好きな人であれば、ホモゲナイズされていない低温殺菌のものを飲むと良い
■カルシウムの吸収について
牛乳を飲むと血中のカルシウム濃度が急激に上昇する
すると恒常性が働き、余剰カルシウムを排泄し体内のカルシウムを減らしてしまう
従って、牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になってしまう
※世界4大酪農国、アメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドでは
骨粗鬆症と股関節骨折が多いという事実 (2000年ハーバード大学)
※牛乳にはマグネシウムが入っていないためカルシウムが入っていても骨にはなりにくい組成である
■発ガンについて
2008年厚生労働省発表、
乳製品の摂取が多いと前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガンの発症リスクが高くなる
※イギリスの医学雑誌、ランセットでは、
乳ガンリスクで7倍、前立腺ガンで4倍としている
牛乳に含まれる成長ホルモン様物質、IGF-1が原因としている
《関連記事》
エルクレストメンバーで今回の免疫講座にご参加いただいたポペさんのブログから
⇒ポペの毎日感謝日記はコチラから
●第1回 『ガンにならない生き方』
●第2回 『ガンにならない生き方』
●佐藤先生を囲んでの座談会