「免疫とは、ミトコンドリアの作用である」
2011.9.17.(土) 13:30~15:00
第5回 『免疫講座』
講師:日本橋清州クリニック 院長 佐藤義之先生
8月は休講であったため9月が第5回目ということになります
最近、行く先々の研修で耳にするミトコンドリア
どうやら人の免疫にもミトコンドリアが大きく関係しているようです!
《ミトコンドリアの歴史》
1880年に発見
1889年にミトコンドリアと命名される
1952年に電子顕微鏡で捉えられる
2000年にスウェーデンのステン、アレニウス博士が発表
●細胞のアポトーシスにミトコンドリアが必要
●ガン細胞のミトコンドリアの数は正常細胞の4分の1
◎ミトコンドリアは、細胞質の中にある小器官で、温度依存性があり、37℃で最も機能する。
《低体温下でのミトコンドリアへの影響》
1.エネルギー産生の低下
●白血球、リンパ球、マクロファージ等の機能(能力)の低下
⇒菌、ウイルス、異型細胞、ガン細胞の除去能力の低下
●エネルギー産生過程の不良により乳酸が増加
⇒細胞が酸性に傾く。そうなると酸性組織にはリンパ球は近づけない
上記の理由から免疫にとって2重のマイナスとなる
2.細胞の新陳代謝の低下・アポトーシス機能の低下
●古い細胞や有害細胞のプログラム死のスイッチが入らない
⇒ガン細胞は無制限に増殖することとなる
⇒ガン化は発ガン因子によって核内のDNA構造の変化とミトコンドリアの減少が重なったもの
※ノーベル賞受賞者、オットー・ワールブルグの研究
⇒ガン患者や発ガンしやすい人では「末梢血管での酸素不足」が明らかにされている
《口呼吸による咽頭の体温低下とそれに伴う免疫低下》
●生きることは「息をする」という言葉がつまってできたものである
呼吸に気配りする人は、殆どいない
諸悪の根源は口呼吸である
鼻からのどにかけては無数の空洞(副鼻腔)があって、そこを通過する間に外気に関係なく、37℃にまた湿度100%に保たれている
●しかし口呼吸によって乾燥した冷たい空気が直接のどにあたり、のどの温度が最大で0.5℃低下する
のどには扁桃というリンパ節の集合体がある
そこにはリンパ球や白血球がたくさん集まっている
そのリンパ球や白血球の温度が下がるとそれらの中のミトコンドリアの機能が低下
すなわちリンパ球、白血球の細胞エネルギーが減少して活性が低下する
●本来なら副鼻腔に吸着される菌、ウイルス、異物が直接のどに到達
●さらに口呼吸による粘膜の乾燥
本来、粘液によるぬめりは、そのぬめりの中に菌をとどめて直接細胞内に菌が入らないようにするための防御壁である
◎口呼吸によって実に3重の免疫力低下がおこる。
《発ガンメカニズムとミトコンドリア》
●交換神経緊張状態&低体温
↓
●血流障害、減少
↓
●ミトコンドリアの酸素欠乏
↓
●無および低酸素下のエネルギーづくり
↓
●乳酸の増加
↓
●組織および血液の酸性化
↓
●白血球、リンパ球の機能低下
↓
●異型、ガン化した細胞を除去できない
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●交換神経緊張状態&低体温
↓
●血流障害、減少
↓
●ミトコンドリアの酸素欠乏
↓
●ミトコンドリアの死滅、減少
↓
●細胞核内の分裂抑制遺伝子、すなわちガン抑制遺伝子の減少
↓
●細胞分裂のスピードの上昇、異型化、ガン化
※ガン細胞のミトコンドリアの数は正常細胞の4分の1に減少
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結論:「免疫」という言葉には、なにか漠然としたイメージがありますが、分析してみますと細胞レベルでは「ミトコンドリアの作用」 ということになります。
●第1回 『ガンにならない生き方』
●第2回 『ガンにならない生き方』
●佐藤先生を囲んでの座談会