ミトコンドリアと免疫
2010.8.18.(水) 11:00~13:00
@エルクレスト代々木公園店 セミナールーム
日本橋清洲クリニック院長 佐藤義之先生に
レベルアップ研修をしていただきました
今回の研修内容は、「ミトコンドリアを学ぶ」
サブタイトル:体温が低下すると免疫力が低下する訳(その2)と
後半は、前回に引き続き、生化学検査についての内容で
「病態からみた場合の気をつけるべき検査項目」でした
先日のエンビロンのフォローアップ研修で戸澤ドクターがしてくださったミトコンドリアのお話し
ミトコンドリア老化説、体内の活性酸素は細胞内のミトコンドリアで作られ
老化やガンにつながるという研修内容でした
たまたま時を同じくして研修目的は違いますが、アプローチのポイントがミトコンドリアで共通したようです
戸澤ドクターは老化の進行を進ませるか遅らせるかは、ミトコンドリアが大きく関係しているという内容
今回の佐藤先生のご講義はミトコンドリアと低体温、すなわちミトコンドリアと免疫の関係についてです
エルクレストにとってたいへん興味深い内容です
低体温だとなぜ?免疫が下がるのか?
スタッフも相当冷えに関する勉強をしてきていますが
今日の質問に即答はできなかったでしょう...
通常は低体温と免疫の話しをするとリンパ球の話題になります
今日は、リンパ球や白血球をテーマにした免疫の講義ではなく
人体を構成する60兆個すべての細胞内に存在するミトコンドリアという小器官にポイントを置いたお話です
ミトコンドリアの機能は
1.酸素とグルコースでエネルギーと熱を産生する人体の発電所である
2.細胞の新陳代謝、即ち古い細胞を消化、排出し細胞の寿命を決定する
3.アポトーシス(プログラム細胞死)を行う
成熟過程で不要になったり、突然変異や障害を受けて異常をきたした有害細胞を積極的に排除する生体防御の働き
新陳代謝の過程で遺伝子のコピーミスなどが発生し、異形細胞として生まれ変わると、その細胞内にあるミトコンドリアが自らを自滅させ生体を守ろうとする
ガン細胞はこの細胞内のミトコンドリアが正常細胞の4分の1にまで減少し、この機能を働かせないようにしてしまう
◎ミトコンドリアには、至適温度があり、37℃で最も機能する
それ以上でもそれ以下でも働きが機能低下する
◆体温低下がもたらすミトコンドリアへの影響と免疫の関係◆
1.エネルギー産生の低下
低体温により37℃いうミトコンドリアの至適環境から逸脱するためエネルギー産生が低下する
・白血球、リンパ球、マクロファージなどの免疫担当細胞も細胞内に当然ながらミトコンドリアを有しているためうまくエネルギー産生ができず働きが下がる
即ち、菌、ウイルス、異型細胞、ガン細胞の除去能力が低下する
・低体温からエネルギー産生過程の不良により乳酸が増加する
細胞は酸性に傾くため、そのような細胞にはリンパ球は近づけず免疫が機能しない
2.細胞の新陳代謝の低下 /アポトーシス機能の低下
・古い細胞、有害細胞のプログラム死のスイッチが入らない
そのためガン細胞は無限に増殖する
・ガン化は、発ガン因子によって核内のDNA構造の変化とミトコンドリアの減少が重なったものである
結論:体温低下で免疫にとっては3重のマイナス要因となる
※ノーベル賞受賞者のオットー・ワールブルグの研究
・自律神経の測定結果からもガン患者や発ガンし易い人では「末梢血管での酸素不足」が明らかにされている
今日の講義から改めて
健康に生きることが美しさにもつながっているなと感じました
人、一人の身体は60兆個の細胞の集まりであり
その細胞一つ一つにきちんと栄養と酸素を届けなければ代謝できません
そのためには絶えず血流を良くすること
そのためには身体を冷やさないこと
体内酵素と同様、細胞内の小器官でさえ至適温度が決まっていることを教えていただきました
体内の機能がきちんと機能して入れば人は本来は、病気にはならないんだろうなと感じましたし
その機能を越えてガンなどの病気に発展している場合は必ずそれなりの理由があるのだということを学ばせていただきました
因果応報
原因のない結果はないということですね。
かなりハイレベルな内容ですが、分かりやすくまとめていただき、ありがとうございました。
顧客へのサービスレベルアップのために、常に最新情報を学び続けているエルクレストの皆様の姿勢に毎回感動しています。
その学びの機会をご用意していらっしゃる中込オーナーは素晴らしいです\(^-^)/
(きっと準備にも多くのご苦労があると思いますが)
世の中には『現状維持』で満足している経営者やスタッフが多いと思いますが、確かにそれでは現状維持すらできませんね(^_^;)
お陰さまで、私はエルクレストの皆様に安心して自分を任せることができます。
いつも本当にありがとうございます。
ポペさん、いつもコメントありがとうございます。
佐藤先生は、かつて森柾先生のエステスクールでミニ医学部講座という医大生が学ぶような内容の講座を開いてくださっていました。
特にエステティックの現場で知識として必要な婦人科系疾患や内分泌、免疫に関する講座内容でした。今でも持っているテキストは電話帳を一回り小さくしたくらいの大変立派な包装のものです。矢澤チーフと一緒に受講したのは今から恐らく6~7年前くらいになるでしょうか?
そのご縁からエルクレストにも定期的に来ていただいてミニ医学部講座に近い内容でご講義していただいております。
美容は健康ベース、体の仕組みをきちんと理解していなければ美容結果は決して出すことができないという信念があります。日常業務の中でどこかで活きていれば幸いです。