渡邉肇子先生によるレベルアップ研修
2010.7.9.(金) 11:00~14:00
「定期レベルアップ研修」
@エルクレスト代々木公園店 研修ルーム
講師 渡邉肇子先生 (薬剤師・NPO日本メディカルハーブ協会 理事)
◇前半 11:00~13:00 ストレスと睡眠について
◇後半 13:00~14:00 メディカルハーブについてと試飲
寝苦しい季節を迎え、それに相応しい研修内容です
現代社会においてストレスのない人はいないでしょう
ストレスは、人の成長のスパイスであり、避けて通ることより
各人に合った正しい対処法を身につけることが大切であるということを教えていただきました
渡邉先生の意図からストレス対処や安眠、質の良い睡眠のお手伝いをメディカルハーブでということでしょう!
◆スタッフの感想文から~
・ストレスとは、もともと物理学用語で"歪み"という意味
・今から50年ほど前にカナダのハンス・フォンス・セリエという医学博士が、精神的な抑圧を受けている状態に対してストレスという言葉を初めて引用し、一般化した
・ストレス曲線と副腎皮質の重さは比例する
・眠れないときは、無理に寝ようとしないで逆に起きて眠くなるまで気にしないで過ごす
・ストレスの経過 警告期→抵抗期→疲弊期
・ストレスの原因がストレッサーで、ストレッサーによる反応がストレス反応である
・ストレス病は、うつ病、心身症、神経症の総称である
・ストレス関連病として睡眠障害があげられる
・ストレスは、コーピングすなわちストレスへの対処の仕方がとても大切
・睡眠時の脳波は、夢などを見ているレム睡眠と熟睡しているときのノンレム睡眠とを90分間隔で繰り返す
・睡眠時の呼吸障害は、10年間放置すると循環器系の病気が4~5倍増える
・睡眠時無呼吸症候群は男性の方が多く、40代~50代で30人に1人の割合でいる
・女睡眠時無呼吸症候群は女性の場合、更年期を迎え、黄体ホルモンが減りだすころに出やすい
・体内リズムは、起きてから15時間経つと眠くなるようになっている
・うつ病は、抑うつ状態を主体とした感情の病気である、心身症は心に原因があって身体に症状がでる病気、神経症は心に原因があって心に症状がでる病気
・不眠とは〈入眠障害〉〈中途覚醒〉〈熟眠障害〉〈早期覚醒〉にわかれる
・むずむず脚症候群(レストレスレックス)は日本人に30人に1人の割合で罹患、遺伝的要素と鉄分の不足が原因として挙げられる
・睡眠で30分くらい眠れないときは、無理に寝ようと思わず一度起き、自然に逆らわない生活をいしきすることも大切である
・不眠症のアドバイスとしていつもより遅く寝てくださいとアドバイスし、どんどん遅らせて正常の睡眠時間にあわさせるという部分がとても興味深かったです
・ストレスマネジメント(コーピング)においてストレスそのものよりもストレッサーへの対処の仕方が大切であるという点が大変勉強になりました
・ストレスマネジメントという発想の中で〈発散〉〈気分転換〉〈寛ぎ〉の手段として趣味、運動からマッサージや心理療法(ソーシャルサーポート)などエステティックにもかかわりがある部分なのでストレッサーを取り除くお手伝いができるよう研修を活かしていきます
・「うつ病」「心身症」「神経症」の違いと「内科」「心療内科」「精神科」「神経内科」の選び方の違いがとても分かりやすかったです
・ストレスとは悪い影響ばかりをいうのではなく、転居や旅行、結婚などのプラスの影響も広い意味ではストレスに含まれるということ
◎試飲したハーブティは、ペパーミント、レモンバーベナ、マテ、リンデン、ハイビスカス、ローズ、ダンディライオンです
◆マテ(ロースト)
まずは、マテを2時間ほど水出ししてそのまま試飲しました
水出しした理由は、苦みを抑えて夏でも飲みやすくするため。麦茶感覚で飲めました
・パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンの南米3ヵ国に生育するハーブで西洋のコーヒー、東洋のお茶とならんで世界の3大ティーに数えられます
・ビタミンや鉄分、カルシウムなどミネラルを豊富に含むことから「飲むサラダ」と呼ばれています
・利尿と興奮作用があり、精神疲労と肉体疲労にもちいます
・カフェインを含有しているため交感神経を刺激し、脂肪代謝を促進し、痩身効果も期待できます
・消化酵素の働きを阻害するため脂肪の吸収を阻害します
◆ペパーミント&レモンバーベナ(4:6)のブレンドティー
ホットでも清涼感があり、夏にも合うブレンドです
香りもよく飲みやすかったです、100㏄飲んだだけで身体がポカポカしてきて汗ばむのがわかりました
◇ペパーミント
・活性と鎮静の両方の作用を持ち、昼間でも寝る前でも飲用できる優れものです
・適応としては、集中力欠如、食欲不振、過敏性腸症候群に
・さわやかなメントールの香りが眠気を吹き飛ばし、気分をリフレッシュしてくれます
・消化器の機能を調整するため、食べ過ぎ、飲みすぎ、食欲不振、消化不良、吐き気などの不快な症状を鎮めます
・ストレスが元になって下痢や便秘、腹痛を繰り返す過敏性腸症候群などの心身症にも有効です
◇レモンバーベナ
・鎮静、消化促進、血行促進、食欲増進、偏頭痛、のどや鼻の不快感などに適応します
・甘みのあるレモン風味でさっぱりします
・指を洗うフィンガーボールの香りづけに使われます
・神経の高ぶり鎮め、自律神経のバランスを整えます
・胃が弱って食欲がない時、食べ過ぎた時の食後に
・リラックスしたい時とリフレッシュしたい時
◆リンデン&ハイビスカス&ローズ(4:3:3)
かなり酸っぱく感じました、体調により皆感じ方が違うのが興味深かったです
これも試飲するとすぐに身体が温まり、血行が良くなっている気がします
◇リンデン
・和名は西洋ボダイジュ
・作用は発汗、利尿、鎮静
・適応は風邪、上気道カタル、高血圧、不眠
・甘い香りを漂わせるリンデンは心身の緊張を和らげます
・お休み前の一杯は質の高い睡眠をもたらします
・鎮静作用と利尿作用をもつことから高血圧に用います
・風邪のひきはじめに服用すると発汗を促して治りを早めます
◇ハイビスカス
・クエン酸の宝庫です
・作用として消化促進、代謝促進、緩下(かんげ)、利尿、冷却、解熱、眼精疲労回復
・緩下(かんげ)とは、一時的におなかが緩くなることを言います。便秘に対して緩下作用があるという意味でも使う言葉です
・酸味のあるさっぱりした味は疲労回復に
・熱を下げる働きがあり、解熱剤として
・暑気冷ましとして
・夏バテによる食欲不振に
・利尿作用があることからむくみや高血圧にも利用されます
◇ローズ(ローズレッド)
・今回試飲したのは、バラの花ですが、果実はローズヒップと呼ばれビタミンCの宝庫です
・作用としては鎮静、抗うつ、収れん、消化刺激、胆汁分泌促進、解毒、去痰、抗菌、抗ウイルス、殺菌、月経調整
・適応は神経疲労、神経過敏、神経性の下痢、更年期の諸症状、便秘、肌のしみ、不正出血
・心の揺れを鎮める鎮静作用
・女性のホルモン系に働きかけバランスを整えたり、心を朗らにします
・些細なことでその日の眠りが左右されやすく過敏で繊細な方に
・更年期の始まりにある方
・心まずしく感じ、ゴージャスな気分になりたい時に
◆ダンディライオン&ミルク
ダンディライオンに少量の熱湯を注ぎ、濃く出したものに温めた牛乳を注いで試飲しました
牛乳の量が多すぎましたが、量を調整すればさながらカフェオレの味が期待できそうです
◇ダンディライオン
・和名西洋はタンポポ
・作用としては強肝、胆汁分泌促進、緩下、利尿、消化促進、母乳の出をよくする
・適応は便秘、ニキビ、アレルギー性皮膚炎、扁桃炎、じんましん、消化不良、リウマチ
・ヨーロッパでは強い利尿作用と炎症を抑え肝臓の解毒を促す2大作用が特徴
・根を軽くローストして入れたハーブティーはノンカフェインのヘルシーコーヒーとして自然志向の人々に愛飲されています
・尿の出が悪くむくみやすい人に
・ニキビが治りにくい人、化膿しやすい人に