肩関節の運動[人体の構造、機能]
(2014-09-20 10:06:58) by 中込慶一
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一般的に肩の関節と言うと、上腕骨と肩甲骨との関節を指していることが多いですが
実際の肩の運動の際には、肩関節複合体として以下の4つの関節が連動して動いています
1.肩甲上腕関節(上腕骨と肩甲骨の関節)
2.肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨の関節)
3.胸鎖関節(胸骨と鎖骨の関節)
4.肩甲胸郭関節(肩甲骨と肋骨の関節)
1.肩甲上腕関節:glenohumeral joint
半球状の上腕骨頭と肩甲骨関節窩で構成される関節で
関節窩に対して骨頭が2~3倍の大きさを持っているため、、接触面積が小さく
適合性は悪いですが、その分広い可動域で動かすことができます
軽度に外転、屈曲した状態が最も関節が緩み
外転、外旋すると最も緊張が強くなり、関節が締まった状態になります
2.肩鎖関節:acromioclavicular joint
肩甲骨の肩峰と鎖骨を連結する半関節で、不完全な椎間円板を持ち
機能的には球関節として機能します
球関節は、一方がボールのような形状
もう一方がそれを受けるようにお皿のような形状になっていることで
多軸性の運動が可能な関節です
3.胸鎖関節:sternoclavicular joint
鎖骨の胸骨関節面と胸骨の鎖骨切痕で構成される浅い(不規則な)鞍関節です
鞍関節とは、鞍のように凹になっている面と凸になっている面があることで
2軸性の運動が可能な関節です
前額面では鎖骨の胸骨端が凸面、胸骨切痕が凹面を成し
矢状面では関節面の凹凸が逆になっているという特徴があります
関節内には、関節円板が介在し、関節面の適合性を高めます
4.肩甲胸郭関節:scapulothoracic joint
この関節は真の関節ではなく
肩甲骨の前面と胸郭(肋骨)の後外側面との間の接地面を言います
これらの2つの面は直接は接触しておらず
肩甲下筋、前鋸筋、脊柱起立筋などの筋によって分離されています
そして肩甲骨は、胸郭の上を滑るように動くことができるのです
挙上、下制:肩甲骨の上下の動きで
胸鎖関節と肩鎖関節で生じる回旋運動と下方回旋が組み合わさることで
肩甲骨は垂直に保たれた状態で上下運動を行うことができます