サーカディアンリズムと一日の体の変化[健康]
(2013-09-15 07:34:27) by 中込慶一


< ページ移動: 1 2 3 >

サーカディアンリズムは、概日リズムとも呼ばれ

睡眠、目覚め、ホルモン分泌や免疫機能、自律神経などの生命活動を調節する様々な

生理機能は地球の時点とほぼ同じおよそ25時間周期というリズムを持っています

遺伝子レベルで生体内に昼夜のリズに同期した日内リズムをつくる体内時計を備えており

その役割をしているのが視床下部の視交叉上核です

細胞にある時計遺伝子が概日リズムを作り出し

各器官に時間の情報を伝えます


<画像:CNS.jpg>


現在では約20種類の時計遺伝子が見つかっています

時を刻む中心となるのは、Clock、Bmal1、Per、Cryの4つの時計遺伝子で

時計タンパク質のClock、Bmal1がPer、Cryを作ります


その量が一定値に達すると、4つのタンパク質が複合して

Bmal1、Clockの働きを抑制することでPer、Cryの合成も抑制されます

そしてまたある量まで時計タンパク質が減少すると再び作られるようになります

このPer、Cryが増えたり減ったりするというサイクルが

1日周期で繰り返されてリズムができるのです

このような体内時計の制御により、私たちの生理機能は

一日のうちに高まったり、低くなったりしているため

病気によっては発症したり、悪化しやすくなる時間帯もあります

朝から午前中は病気にとっては魔の時間帯で

活動をするために脈拍や血圧が急上昇することと

夜間の発汗で血液の粘性が高くなっており、固まりやすくなっているといった要因が重なって

脳、心臓疾患の発生頻度が高くなります


<画像:blood vessel.jpg>


また、明け方は呼吸機能が一日の中で最低になるため

喘息などの呼吸器疾患が悪化しやすくなり

関節リウマチや花粉症などの症状も起こりやすくなります

正午は記憶力や赤血球数が最も高まる時間帯です

14時から18時の間は体温が最も高く、交感神経や血栓を溶かす能力

運動能力、計算力が高くなります


夜0時まではコレステロール合成や胃酸の分泌、ヒスタミンに対する感受性が高まるため

消化性潰瘍、アトピー性皮膚炎、むずむず脚症候群などの症状が出やすくなり

食べたものが脂肪として付きやすくなるため、ダイエット中は食事の時間にも気配りが必要です

夜中はメラトニンや成長ホルモンが分泌され

一日の疲れをとったり、入眠や睡眠の維持をしています

また白血球数も増えるため、体内に侵入した異物や細菌を取り除くといったことが行われます

<画像:good sleep.jpg>



このように、体内時計の乱れは高血圧やメタボリックシンドローム

糖尿病、睡眠障害などの原因になります

最近では、時計遺伝子がガンなどの疾患の発症とも関連があることが明らかになってきています

環境要因としては、ストレス、不規則な食生活、交代制勤務、夜勤、時差ボケなどがあり

遺伝的要因として時計遺伝子の異常が挙げられます

体内時計を整えるには

?光

ヒトの本来の体内時計は約25時間周期で、地球の自転よりも実は少し長くなっています

これを補正するのが朝日に浴びることで、これが刺激となって

中枢の時計遺伝子が修正されます

しかし光を浴びる時間によって作用は異なり、朝に浴びると体内時計は進み

夜に浴びると遅れます

したがって寝る前に強い光を浴びると狂いやすくなるため浴びないようにしましょう

また、できれば曇りであっても、人工の照明よりも強いため

できるだけ外の光に当たることが重要です


?メラトニン

脳の松果体から分泌され、入眠を促すと共に

< ページ移動: 1 2 3 >


コメント投稿
次の記事へ >
< 前の記事へ
TOPへ戻る

Powered by
MT4i 3.0.8